【注意】この記事には『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』序盤に関するネタバレを含んでいます。
概要
相田ケンスケは『新劇場版:Q』に登場しておらず、加えて『Q』の世界自体が、ニアサードインパクトの発生後の世界であったことから、生死不明であった彼の生存はほぼ絶望視されていた。
しかし『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』にて、ケンスケはサバイバル知識により生き延びており、トウジやヒカリも助けたことが判明。カヲルの死亡のショックで精神が病んでいたシンジの面倒を見て、釣りをやらせたり、ミサトの息子と会わせたりと、様々なサポートをした。
従来作において登場した彼の最高年齢は『エヴァンゲリオンANIMA』における17歳であるため、20代に成長した姿が描かれたのはこれが初めてのことになる。
経歴
第3村では機械トラブルやその他専門知識を要する雑務を請け負う「何でも屋」を経営しており、ヴィレから仕事の手伝いを任されることもある。トウジ曰く「ケンスケのサバイバルオタクのおかげで今日まで生き永らえた」とのこと。TV版でもサバイバルごっこと称してネルフ関係施設の周辺にテントを設営しており、これらの設定が再度日の目を浴びることとなった。
ヴィレからは機材提供やエヴァパイロットの観察なども請け負い、ニアサーの影響で崩壊しかけた世界から人の住める領域を護る要、封印柱の稼働状態を確認することも彼の重要な仕事。その他、彼の働く実験場の設営にも一枚噛んでいると思われる。
こうした幅広い活動範囲の関係か、根城は第三村から離れた廃駅を拠点にしており、アスカも第三村滞在時は(人気がないせいか)よく寝泊まりしている。そういった関係からか、アスカからは「ケンケン」という愛称を授かった。
今のところ独り身。その他親類縁者関係はやはり一切不明だが、曰く、ニアサーで色々あった結果唯一の肉親であった父が他界。毎朝手作りの墓前で胸中を探り、「こうなるんだったら生きているうちにもう少し話しておけばよかった」と零し、シンジに対しては「親が生きているならその間に話をした方がいい」とさりげなく今後の指針を提示した。
トウジからシンジを保護する際のやり取りは一見の価値あり。もともと『ワイが殴ったからワイに殴り返せ』と要求するような独自の責任感が強いトウジや、彼を慕う第三村の住民たちに囲まれていては、良かれと思った行為で余計に傷口を広げてしまいかねないと察したのか、シンジを人里離れた自らの住処に案内する。
自責の念と現実逃避と自己否定で失語症になりかけ、食事すら拒否したシンジに対してケンスケは叱るわけでも慰める訳でもなく、ただ自分の身の回りの手伝いをやらせ、笑顔を絶やさぬようにしながらもそれ以上積極的に干渉はしなかった。役割を通じて徐々に自己を回復してゆくシンジの姿は、同様に仕事を得て自我と未来への願望を願うようになったアヤナミレイの姿とも重なり、それらの蓄積がシンジ自身の再起へと繋がって行った。
TV版でも、元々オタク気質だったこともあって内向的なシンジの心境を掴むこと自体は容易かったが、それ以上の進展へつなげる事は無かった。むしろ心境が理解できてしまう分嫉妬や忌避感が募りやすく、漫画版ではこれに輪を掛けて悲惨だった。シンではこれらからさらに一歩進み、相手を気遣い適切な距離を保ちながら役割を演じてみせるという、トウジとは別の切り口から大人としての振る舞いを見せた。
アスカからしても、そういった配慮のできるケンスケの周辺は居心地が良かったらしく、珍しく同年代の他者にデレた態度を見せた。アスカからは、ガンガン八つ当たりして来るのだが、漫画版ではアスカにカツアゲされて喜んでいた位なので、この位問題ないようだ。
こうした関係か、後のマイナス宇宙におけるアスカの精神世界にも他者のメタファーとして登場し、シンジから「ケンスケは、いい奴だから」と現実世界におけるアスカの跡目を任された…ことを匂わせる描写が続いた。
人によってはトウジ以上にショッキングな象徴となったかもしれない。
関連タグ
ジムニー(SJ30) - 愛車。本来は2ストロークエンジンの旧型だが、電動化されている。
鹿目知久…声優さん繋がり。こちらは専業主夫。手先が器用で家庭菜園を営む。自分の手元で動いていることから相手を勇気づけるのが上手い所もケンスケと同じ。