概要
第3村(だいさんむら、英語:VILLAGE 3)は、シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇に登場する集落。ニアサードインパクトの生存者たち約1000人が居住し、既存の鉄道施設を中心に形成され、農業を基幹とした昭和時代の中期を彷彿とさせる生活を営んでいる。本編ではアバンタイトル2からAパートの舞台となっており、約1時間はここでのストーリーが描かれていた。
構造
ヴィレが設置した相補性L結界浄化無効阻止装置によって村の周辺はコア化から免れており、そこが設立したクレーディトという支援組織からの援助を受け、食料の配給・農作物の生産・他の村との交易を実施している。
村民
第3村内の診療所で医師を務め、ニアサードインパクトが発生した後に独学で医学を学んだ。本人は医師の真似事をしているだけとも語っているが、住民たちからは「先生」と慕われている。14年の間に当時は学級委員長でしばしば喧嘩ばかりしていた洞木ヒカリと結婚し、娘である鈴原ツバメが誕生している一方で、妹の鈴原サクラとは時々手紙でやりとりをしている。
エヴァンゲリオンを失ったアスカを回収し、シンジとレイを村で保護する。第3村内ではインフラ整備やクレーディトとの連絡を行う何でも屋として活動しており、自宅は村から少し離れた山奥の廃駅を改造し、アスカは度々ここを訪れていた模様である。ちなみに父の相田ハジメはニアサードインパクトは生き延びたものの、その後の事故で亡くなったと語られている。
- 洞木ヒカリ(鈴原ヒカリ)
鈴原トウジの妻となり、娘のツバメを授かって1児の母となった。自我が芽生え始めたレイが村に馴染みやすくなるようサポートし、おそらくヒカリがここまで活躍したのは全てのエヴァンゲリオンシリーズで初である。
- 小母さんたち
農作業によって作物を育てており、作中ではこの名で呼ばれていないが、劇場用パンフレットではこの名称で名付けられていた。アヤナミレイ(仮称)に農作業を手伝ってもらい、次第にそれ以外でも交流を深めていった。
ヒカリの父親・トウジの義父・ツバメの祖父で、娘夫妻と同居している。昭和気質の頑固親父で、シンジがふさぎ込んで食事にも手を付けなかった時には叱責した。
施設
村の中心部にある鉄道車両の転車台で、劇中ではただ貨車を通しただけだったが、周囲にはディーゼル機関車・電車・蒸気機関車が停車していた。
- 診療所
扇型車庫を利用した診療所で、トウジが医師として務めている。クレーディトから設備を提供されており、病床の他にコンピューター制御の手術台も備えている。
- ネルフ第2支部N109棟跡
湖と化したクレーターの縁に残ったネルフ施設の廃墟。水辺にはかつてミサトと同居していたペンペンと同じ温泉ペンギンが多数棲みついている。
モデル
鉄道歴史館のある天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅がモデルにされており、エンドロールにはロケーション協力として天竜浜名湖鉄道株式会社が挙げられている。診療所にある空襲警報発令や新所原駅の標識は、実際に車庫に隣接する歴史館に展示されているものである。ただし登場する車両は一部を除き全てJR西日本の宇部地区で活躍する車両で、105系・123系・キハ40など現在も活躍する車両から、40系・C58などの引退した旧型車両などがある。
備考
第3村のシーンを含むスポット映像は、「シン」が公開されてから1週間後の2021年3月15日より公開された。本シリーズで過去に作画監督も務め、「シン」では原画の参加となった鈴木俊二によると、「公開前に特に箝口令が敷かれていたのは第3村Aパート」・「ケンスケが持っていた釣り道具のリールのモデルは鈴木の私物」の事である。