鈴原トウジ
すずはらとうじ
CV : 関智一
テレビ版
第3新東京市立第壱中学校2年A組における碇シンジのクラスメート。家族構成は父、妹、祖父の4人構成。
父親と祖父はネルフ職員、母親は居ない事がテレビ版では語られている。
関西弁を喋る熱血漢で、一人称は基本的に「ワイ」もしくは「ワシ」。
黒いウインドブレーカーがトレードマークで、学校内でも制服の代わりに常にこれを着用しており、クラスメートの相田ケンスケとは気の合う間柄のようで、しばしば一緒に行動している。
当初、妹がEVA初号機の初戦闘の巻き添えとなって負傷し入院したため、その操縦者であるシンジに辛く当たっていたが、使徒の侵攻時にシンジに命を救われたことで和解。ケンスケと共にシンジの親友となった。
普段の言動は粗野で大雑把だが、根は真面目で思いやりに長けた性格であり、それを知る洞木ヒカリからは密かに好意を寄せられている。劇中ではレイに彼女のシンジへの気持ちを示唆するといった意外な一面も見せた他、ヒカリの好意を察してか(?)、お弁当の材料が余ってしまうと言う彼女の「残飯処理」を進んで申し出たりもしている(ただし、実際に食べる事は叶わなかった)。
アスカやヒカリからはシンジ・ケンスケ共々「3バカトリオ」と呼ばれている。下品な言動のためクラスの他の女子からも煙たがられているが、妹の病院の看護師たちの間では、毎週欠かさず妹の見舞いに来るトウジの評判は非常に良い。
劇中での平穏な日常シーンを象徴するキャラの一人であったのだが、後にEVA3号機のパイロット(フォースチルドレン)として極秘裏に選出され、妹を設備の良い病院に転院させる事を条件にこれを承諾する。
しかし起動実験の際、使徒バルディエルに寄生されていた3号機は彼を乗せたまま暴走、迎撃に駆り出されたシンジは戦いを拒絶するも、ゲンドウの手によりダミープラグを強制起動させられた初号機によって破壊されてしまう(ちなみにこの時、シンジはその中身がトウジである事を全く知らされていなかった)。
この一件によりトウジは左脚を失い物語から退場してしまい、シンジの心に消えない傷を残す事となる。
自分が死にかけ重傷を負ったにも拘らず、トウジはヒカリのお弁当を食べられなかったことや妹のことを気にしており、(シンジの精神世界などを除いた)劇中での彼の最後の台詞は「妹に自分は無事だと伝えて欲しい」というものであった。
貞本義行氏によるコミック版では
ガサツなようで実は他人の気持ちに敏感で大人びた面もあったTV版に比べ、年相応でより明るい性格となっており、序盤のシンジとの険悪だった頃の絡みも半ばギャグ調になっている。また、TV版以上にエロガキ寄りになっている。
和解後はシンジとはお互いにいじり合うなど、より仲の良さが強調されている。またTV版ではケンスケがミサトの昇進に気付かないシンジとアスカをなじった際に同調していたが、「そんなん気付くのお前だけや」と逆に呆れていたり、「台所に立つのは男の仕事ではない」と言っていたのがこちらではシンジにカレーを振る舞っていたりもする。
ちなみに、TV版では綾波レイと接点があったが、コミック版では特に接点がない上にレイに対して喋りかけるのも躊躇するほどの苦手意識を持っていた。
また、四人目に選出された後の展開がTV版とは若干異なり、コミック版では起動実験の二日前にシンジを自身の家に招いた時に事実を打ち明けた。その時に初めて『俺・・・ごっつ怖いんや』と恐怖心も見せたが、シンジから『大丈夫だよ、スタッフさん達も全力で援護してくれるから・・・』と励まされたことで安心して四人目の適格者として起動実験に立ち向かった。
しかしTV版同様の暴走事件が起き、シンジはトウジが中に居る事を知った上で3号機を強制殲滅させられた上、こちらではトウジが死亡してしまうなど、TV版以上に悲惨な展開となっている。トウジの死に顔は恐怖や苦痛よりも悲しみに満ちた表情をしており、親友に自分を殺させることへの負い目や残される妹の事を考えていたのかもしれない。
彼の死は、シンジとゲンドウの亀裂をここでも決定的にしてしまうに留まらず、トウジを介してヒカリとシンジが友人関係だった上にトウジに対するヒカリの好意を知っていたシンジにヒカリに対するトラウマを植え付けることになる。
ちなみに、2巻で彼とケンスケのデータが表示された際、本籍が「M78」(ケンスケは「ヘキル星」)と表示されており、地球人ではないのではないかという説があったりする。
新劇場版
新劇場版一作目『序』での立ち位置は、ほぼ旧作と同様。終盤の第6の使徒との決戦前にはケンスケと共に励ましのボイスメッセージをシンジに送っている。
二作目の『破』では上記の3号機暴走事件が描かれたが、その際の搭乗者がアスカ(式波・アスカ・ラングレー)に変更されたため、彼が前述のような悲劇に遭う事は無くなった。妹の退院に立ち会い、彼女を抱きしめて喜ぶなど元気な姿を見せている(なお、劇中でシンジやケンスケと学校帰りに寄り道し、食べたアイスの棒を見て「はずれかいな」とつぶやくシーンがあるが、これは搭乗者の選出候補から外れたことを暗示しているのではないかと思われる)。
これ以後は「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」のネタバレを含みます。
『Q』では前作『破』のラストの14年後は、「ニアサードインパクト」と呼ばれる大破壊で荒廃し切った世界が舞台になっており、彼の出番は一度もなかった。
その代わり、かつて入院していた彼の妹「鈴原サクラ」が反ネルフ組織「WillE(ヴィレ)」の一員として出演、シンジに接触している。
トウジ自身の生死については劇中一切触れられておらず、不明。しかし、ネルフ本部に帰ってきたシンジが着替え用のワイシャツを配給された際、そこにトウジの名前の入っているのを見てショックを受けるシーンがある(もっともこれは、シンジの精神を揺さぶるためのゲンドウの工作であったと思われる)。
『Q』以降の真相は、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」のネタバレを含みます。
1st/2nd Impression
分岐によっては、ケンスケ、シンジと共に「地球防衛バンド」を結成する。ボーカルは第1作ではヒカリ、第2作ではアスカもしくは山岸マユミである。
新世紀エヴァンゲリオン2
条件次第で3号機に寄生した使徒を「なんやこのカビ」と掃除してしまう場面がある。
スーパーロボット大戦シリーズ
「スーパーロボット大戦」シリーズにおいては真ゲッターロボやラーゼフォンが使徒だけを殲滅してくれたことで、後に3号機と共に参戦する作品もある。ちなみに「α」では他の参戦作品の兼ね合いでもないのに単独で関智一氏が声の出演をしていたりする。
後述の運動音痴は大概無視されており、熱血キャラ的な扱いだがさすがに俺の右手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと轟き叫(ryみたいなのは無い。
新劇場版名義で参戦した第3次Z時獄篇では、中断メッセージで過去シリーズのようにEVAに乗ろうと奮起するも、シンジからは「今回はそういうのないらしいよ」とダメ出しをされると言う一種のメタネタがある。
ゲーム中での初登場はαだが、実はその前に発売された「F完結編」(セガサターン版のみ、PS版は登場しない)のFの主人公の誕生日を祝う隠しイベントで登場しているのだが、普通にプレーしていた場合は1年に1日しか出会う機会(セガサターン本体の内臓時計と連動のため、なお本体の日づけを弄ればいつでも見ることは可能)が与えられないという、非常にレアな存在となっている。
名前の由来は、村上龍の小説『愛と幻想のファシズム』の主人公・鈴原冬二から。
トレードマークのウインドブレーカーであるが、なぜか一度だけ普通の制服を着ていたことがある。また実はかなりの運動音痴と言う裏設定があり、普段ウインドブレーカー姿なのはコンプレックスの裏返しである。パイロットに選出された後、グラウンドでバスケットのシュートを決める場面があるが、これは本来運動音痴のトウジがシュートを決めた、つまり日常と違うことが起こることを暗示した不吉なシーンである。(ただし中の人はこの裏設定を知らないのか忘れていたのか、運動部系と語っていた)
また、TV版でも当初は漫画版同様トウジが死ぬ予定だったのだが、「子供を殺さない」というスターチャイルドレコードの大月俊倫プロデューサーと庵野秀明との約束があったため、左脚切断に留めたのこと。
新幹線変形ロボ_シンカリオン_THE_ANIMATIONのコラボ回にて名前は出なかったものの、委員長の想い人として語られており、姉妹の間で噂になっている。
中の人である関智一は東京出身であり、当然ながらトウジの関西弁は全国共通のステレオタイプを投影した「俺弁」だと称している。TV版では関西圏出身の庵野秀明監督から直々に「演技しづらいようなら無視してくれて構わない」と諭されていたが、新劇場版の頃では格段に演技力が向上しており、今やネイティブスピーカーと聞き間違えるほどの流暢な関西弁で話す。(「序」における第四の使徒戦で、撤退を指示されたながらも必死に立ち向かうシンジに対して憐憫と同情と注意喚起が混じった微妙なニュアンスを含む『逃げろいうとるで』は必聴)
コメント
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