【注意】この記事には『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』序盤に関するネタバレを含んでいます。
概要
鈴原トウジはTV版・漫画版において退場ないし死亡しており、新劇場版においても『Q』に直接出演することはなく、ただ彼の制服が碇シンジの着替えとして利用されるという、名前だけの出演にとどまった。
『Q』の世界自体が、ニアサードインパクトの発生後の世界であったことから、生死不明であった彼の生存はほぼ絶望視されていた。
しかし『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』にて、トウジはケンスケや委員長と共にこの惨劇から無事に生きぬいていたことが判明した。
従来作において登場した彼の最高年齢は『エヴァンゲリオンANIMA』における17歳であるため、20代に成長した姿が描かれたのはこれが初めてのことになる。
経歴
フォースインパクトを阻止したアスカに導かれるまま、L結界密度の高い土地を放浪していたシンジとレイ(仮称)は、やがて防護服に身を包んだ人物に保護される。カットは変わり、何度目かの見知らぬ天井を見上げるシンジに、主治医らしき男性が話しかける。
妙に馴れ馴れしい態度、どこか聞きなれた関西弁。
シンジの目の前に居たのは14年が経ち、立派な大人になったトウジだった。
トウジをはじめとする生存者たちは、その後封印柱によってインパクトの影響を免れた地域に集まり第3村と呼ばれる集落を形成していた。バラック小屋の狭くも暖かい家屋を並べ、廃棄された線路や車両を何とか活用しながら流通網を確保し、ケンスケのサバイバル知識や修復可能だった現行技術をフル活用して稲作や農耕などに携わり、なんとか明日生きる知恵と力を獲得していた。
しかし全員が全員無事だったわけではなく、ある人物のように親族を失った者は多いらしい。詳細は不明だがトウジにしても妹のサクラ以外の親族の安否は一切描かれておらず、後にサクラの口から父が死亡したことが語られた。
トウジ自身、「お天道さんに顔向けできへんようなこともした。全部生きるために仕方なくしたんや」とも語っており、ここに到るまですべてが順風満帆とは行かなかったことがうかがえる。
また、寝言で「分配長! あんたが気に病むことないでぇ…」とこぼしており、第3村での生活や仕事についても、あまり余裕のあるものではないことが暗示され、同時に、それに対しても他人に当たったりすることない普段の様子が描かれている。
トウジは第3村にて医者の役割を受け持ち診療所まで設けているが、当然ながら正式な医師免許等を発行する行政や自治体などがヴィレ以外に残っているはずもなく、実際の所闇医者である。本人も自重しており「医者なんてたいそうなモンやあらへん、医者のマネゴトや」と口にするが、それと同時に「死んで逝った家族の恨み言を受けるのも医者のツトメやと思うとる、そうせえへんとケジメがつかんのや」とも語り、苦い経験を何度も重ねたことでシンジよりも遥かに大人となっていた。
少年時代にシンジがエヴァで苦しみながら戦っている場面を間近で目撃していたこともあり、シンジにはエヴァにはもう乗らずに第3村で平和に暮らして欲しいと願っているが、前述のトウジ自身の医者としての矜持が却ってシンジを最終決戦の場へ向かわせる原動力の一つとなる。
空白の14年の間にヒカリと結婚し、このたび一児の父となった。これについては「ニアサードがキッカケになったので、ある意味シンジのお陰」とケンスケがこぼしている。
関連タグ
鈴原サクラ - 妹。兄妹ともに医療関係者。
冬月コウゾウ…TV版でセカンドインパクト後の一時期闇医者をやっていた過去がある。
ソーラ・アシン…中の人繋がりだけでなく医者をやっており妹がいるという点で共通。
パンダ…中の人繋がり。同年12月24日に公開された『劇場版 呪術廻戦0』で碇シンジと中の人が同じ登場人物・乙骨憂太との仲を深め、こちらも大人トウジと同じくフレンドリーに接していた。