概要
バンダイが1995年から1997年にかけて展開したプラモデルシリーズ。
大量生産しても収益が見込めないとされたものを限定(リミテッド)生産させるというコンセプトであることや、生産及び管理にコストがかかる金型ではなく簡易金型を用いた簡易インジェクションキットであり、プラモデルというよりは大手企業生産による廉価のガレージキット(キャストキット)の側面もあった。
一部の商品はアサフレックスと言う軟質樹脂で作られていたために曲面造形ではプラモデルに勝ったものの、基本的にムク素材、型の抜きの関係上シャープさには欠ける他、改造もしづらい構造・素材である。更にはガシャポン並みの可動域で、色分けも一切ない。その出来は当時の目線でも割高としか言えなかったが、発売されただけでも有り難いと言えるラインナップなので仕方がなかったとも言える※(そもそも、そういうシリーズとして誕生したもの)。
※当時のバンダイは『機動戦士Vガンダム』でVガンダム・V2ガンダムといった主役機以外のモビルスーツが売れなかった(敵MSがそれほどカッコよくなかったのも原因だったが)事から、ガンダム以外のMSのプラモ化に及び腰であった。その結果登場したのが全機がガンダムの『機動武闘伝Gガンダム』である。
とはいえ、パーツの精度などは同様に簡易インジェクションを採用した海外製のスケールモデルなどよりは優れており、最低限バンダイの技術力の面目は保っている……のかもしれない。
ラインナップはロボット作品だけでなく、漫画・ゲーム作品のキャラクタープラモデルもあり、その辺においても後に色々と影響を与えている。
なお、簡易インジェクションは当時のボークスやウェーブ、コトブキヤも行っており、中でもボークスではバンダイでも発売していた「エヴァンゲリオン」各機を発売していた。現在でも簡易インジェクション技術は使用されてはいるが、大手企業よりはアマチュア企業で使われているケースがほとんどである。
ラインナップ
- 先行量産型ボール
- 『機動戦士ガンダム第08MS小隊』でシロー・アマダが使用したもの。なお通常型は初代の頃からプラモとして発売されている。のちにMGやHGでも発売。
- リーオーカスタム、トーラスカスタム、ジェニスカスタム、ドートレスカスタム
- 『新機動戦記ガンダムW』『機動新世紀ガンダムX』に登場した量産機。
- リーオーは陸戦仕様、トーラスはサンクキングダム仕様、ジェニスはジェニス改、ドートレスはアルタネイティブ社仕様でリリース。
- 2018年、遂にリーオーがHG化。当時では考えられないほどの人気商品となったのが時代の移り変わりと言えるだろう(その人気を受けてか『ガンダムビルドダイバーズ』にリーオーNPDが登場、発売される)。これに続いてはライバルともいえるマグアナックもHG化された(なお放送当時はプラモ化自体されていない)。
- 『ガンダムビルドダイバーズRe:RISE』にドートレスの改造機・エルドラドートレスが登場(プレミアムバンダイ限定だが)HG化された。後に本家ドートレスもHG化されたが、リーオーと違いプレバン限定アイテムとして登場。
- Gファルコン
- 『ガンダムX』のサポートメカ。コアファイター自体は非変形で合体のための変形後のものが付属、これによってダブルエックスとの合体が可能。なお、1/100は正式なプラモとして(ダブルエックスとのセットで)当時から発売されている(LMは1/144)。1/144で合体できる貴重なGファルコンの立体物だが現在では絶番。
- 強化外骨格
- エスカフローネ、シェラザード、アルセイデス
- 『天空のエスカフローネ』登場するガイメレフ(パワードスーツ)。
- アルセイデスはディランドゥ・アルバタウ機がリリース。
- クラウド・ストライフ、エアリス・ゲインズブール
- 『ファイナルファンタジーVII』の登場人物。
- 神霊騎士
- 『VS騎士ラムネ&40炎』登場のメカ。
- エヴァンゲリオン各機、使徒他
- 『新世紀エヴァンゲリオン』本放送時の玩具のスポンサーではなかったが、このブランドで多くの商品を出している。
- また、「LMHG」と称して当時のハイグレード(HG)に近い仕様の高品質なキットも展開されており、こちらは2021年現在に至るまで度々再販されている。
関連タグ
ポセイドンX:こちらはタミヤ製の限定ミニ四駆。こちらもリミテッドモデルと同じ軟質樹脂を金型に使用したため限られた生産数しかなく、幻のモデルと化している(かつてはプロトエンペラーも同様の扱いだった)。