赤木リツコ
あかぎりつこ
「大丈夫、1秒近く余裕があるわ」
CV:山口由里子
年齢30歳。特務機関NERV技術開発部技術局第一課所属、E計画担当・エヴァンゲリオン開発責任者。同時に、同組織のスーパーコンピューターシステム「MAGI(マギ)」の管理・運営担当者でもある。
戦術作戦部の葛城ミサト、特殊監査部の加持リョウジとは大学(松代の第二東京大学)時代からの親友同士であり、劇中でも彼等と絡むシーンが多い(ただしミサトとは、その立場や思想の違いから対立する事も多かった。詳しくは後述)。また、同じ技術開発部所属のオペレーター・伊吹マヤからは、単なる敬意や憧れを超えた感情を寄せられている。
使徒殲滅作戦における科学的・技術的支援を一手に担う重要な存在であり、その優秀な頭脳をもって勝利に多大な貢献を残す。
しかしその一方で、NERV総司令にして主人公シンジの父・碇ゲンドウの押し進める謎の計画に加担しており(彼とは愛人関係も築いていた)、作戦指揮官のミサトすら与り知らぬところで暗躍を続けてもいた。
外見はセミロングの金髪(地毛ではなく染めている)にタイトミニ、黒ストッキングにピンヒールパンプスと実にセクシーな出で立ちだが、職務中は科学者らしくその上から白衣を羽織っており、その徹底してクールな性格と相まって見る者に厳粛な印象を与える。また結構なヘビースモーカーであり、仕事場の灰皿には吸殻が山積している。一方、実は大の猫好きで、趣味で猫の小物を集めているなど可愛い一面もある。
左目の下には泣きぼくろがあり、劇中で加持から「涙の通り道にほくろのある人は一生泣き続ける運命にある」と評された。
果たして、彼女はその通りの運命を辿る事になる……。
旧ゲヒルン(NERVの前身組織)の科学者で「MAGI」の開発者・赤木ナオコの娘。しかし数年後のMAGI完成直後、とある事件によりナオコが自殺を遂げてしまい、組織がネルフへと再編されるのと時を同じくして、彼女がその管理・運用を引き継いだ。
ゲンドウとの“関係”が始まったのもこの頃と推察される。
かつて自分を祖母に預けて研究に没頭し、(今の自分と同様に)ゲンドウとの関係をも持っていた母ナオコに対し、リツコは「科学者としては尊敬しているが、女としては憎んでいる」といった愛憎入り混じった複雑な感情を抱くようになる。MAGIにはナオコの「科学者としての人格」「母親としての人格」「女としての人格」という三つの人格が移植されているが、それゆえ彼女はMAGIを「母さん」と呼ぶなどMAGIをどこか母と同一視しているフシがある。
熱血直情タイプな作戦指揮官のミサトとは対照的に、こちらは冷静沈着かつ徹底した現実主義者。当作品きってのクールビューティーキャラである。
親友同士ではある二人だが、作戦の方針を巡っては劇中幾度となく意見を衝突させる様が見受けられた(特に物語後半は、リツコの暗躍に感付き始めたミサトが不信感を露わにし、相当に険悪な空気を生む場面が多々あった)。また己の仕事においては一切の妥協を許さず、常に完璧にこなしてゆくタイプ。その姿勢は時に冷徹とさえ思えるほど。
しかしリツコ自身、そんな自分の性格をどこか醒めた視点から捉えているフシがあり、ゲンドウとの関係も含めて己の在り様を自嘲するような描写もまた多い。
上述の通り、碇ゲンドウの忠実な部下にして愛人。しかし結局、彼はそんなリツコすらも単なる目的達成のための捨て駒の一つとしてしか捉えていなかったようである。
また、綾波レイがかつてEVA初号機のコアの中に消えたゲンドウの妻・碇ユイの情報を元に作られたクローン人間である事実を知る数少ない一人。
ゲンドウの寵愛を受けるレイに対しては、終始事務的に接しつつも内に眠る負の感情を隠し通せなかった模様。第弐拾参話にてゼーレの尋問を受けた際、レイの身代わりとして自分が召喚された事を知るとそれは決定的となり、彼女を「ダミーシステムの元たる“綾波レイの容れ物”(レイの予備のクローン体)全てを破壊する」という破滅的な行動へと走らせてしまう。
その後旧劇場版にて、戦略自衛隊によるNERV本部襲撃の最中、計画を最終段階に移行させんとするゲンドウをリツコはセントラルドグマ最下層で待ち受け、心中(MAGIによる本部の自爆)を図ろうとする。しかし皮肉にも、MAGIの中にある「女としてのナオコの人格」がそれを拒否。ゲンドウに言葉(制作者の意図で無音声)をかけられ、それに「嘘つき」と返した後に撃たれ、衝撃で飛ばされてL.C.Lの海に沈み死亡する。
漫画版では、上記の言葉が「愛していた」だったことが明示された。何も返せないままに撃たれるが、その場で倒れただけであったため、まだ息があった。最後の力で、レイが去り絶望しているゲンドウの喉(=嘘を発する器官)を撃ち抜き致命傷を負わせ、「嘘つき」という言葉を残して死亡する。
「29歳だけど可愛い性格」というある種のギャップ萌え(?)が魅力のミサトとは異なり、リツコはあくまで正統派の、年齢相応のアダルティな魅力が詰まったキャラだと言える(こうした立ち位置のキャラは、『エヴァ』という作品においては非常に貴重である)。
人気や知名度に関してはレイ・アスカという二代美少女ヒロインには及ぶべくもないが、その「女として生きることを理性で否定しつつも、最期まで女であり続けた」生き様に共感を覚えるファンは多い。
また、直属の部下であるマヤからの百合感情はほぼ版権元公認となっており、これを題材にしたイラスト・SS等のファンアートが数多く作られ、人気を博している。
ゲンドウとの関係に置いて彼から陵辱及び調教されたとファンに捉えられており、ミサト同様にヘイトも多いが、上記のイメージから同情されている部分も多い。能力面での優秀さと合理的ではっきりとした考え方から偽善者・無能と蔑まれる事が多い親友よりは嫌われていない。
新劇場版の『序』・『破』においても基本的なキャラ造形や立ち位置は大きくは変わらず、ゲンドウの思惑の下、シンジとレイが密に接触するよう仕向けるべく裏で画策するポジションである。
彼との愛人関係についてはまだ明確になっていないが、それを若干匂わせるような描写は存在する(『序』にて、ミサトがゲンドウの話題に触れた瞬間、リツコの煙草の灰が落ちるカットがある)。
ただ、レイの身辺の世話(指の傷の手当やアスカへの電話の取り次ぎなど)をリツコが焼いているのを見るに、仮にそうであったとしても旧作ほどドロドロした関係には至っていなかったとも推測される。
『Q』では『破』時点より14年の歳月が経由しているため、彼女も44歳となっている。
ミサトら旧ネルフ職員を中心に結成された反ネルフ組織「ヴィレ」の幹部として空中戦艦「AAAヴンダー」の副長となっておりゲンドウとは袂を分つ格好となっている。
髪型はベリーショートになっており、シンジにも冷徹な態度を見せるが、ミサトの心中を思い遣るような様子も見せる。しかしシンジが脱走した時には真っ先にDSSチョーカーの起動を呼びかけており、ミサトとは違いシンジに対しての情は全く残っていないと思えるような面もあるが、「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」では打って変わって彼のヴンダーへの帰還を容認していることから、あくまで「インパクトのトリガーとなる危険性」故に半分情を捨てていたものの、割り切れなかった可能性がある。
「シン」では、シンジが持つ可能性に全てを託し、艦内に保存していたプラグスーツをマヤに取って来るように指示していた。
三十路のリツコ
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コメント
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