概要
平成モスラシリーズの第三作にして最終作。モスラと人気怪獣キングギドラが激突する。
エリアスのトライアングルや原始モスラが作るピラミッド型の繭など、「3」がキーワードとなっているのが特徴。
エリアス姉妹のロラを演じる女優が変更されており、モルとベルベラに視点が当てられている。
初めてモスラとキングギドラが1対1で対決した作品であり、特に成虫モスラとキングギドラとの空中戦が最大の見どころ(これまでのモスラは、キングギドラと対決する時はいつも幼虫ばかりだったため)。
あらすじ
インファント島の宝物殿からベルベラがエリアスのトライアングルの一つである「愛」のメダルを奪い、恐怖の大魔王がやってくることを告げて去っていった。
それは1億3千万年前に恐竜を滅ぼした恐怖の怪獣キングギドラが、再び地球に出現する預言であった。キングギドラは隕石に乗って地球に飛来し、新たなエネルギーとして日本中から子供たちを連れ去り、青木ヶ原樹海に出現させたドームの中に閉じ込めた。1億年前に恐竜を滅ぼしたように、今度は現地球の上位生物である人間を捕食し、滅ぼすことが目的だったのだ。
エリアス姉妹はモスラを呼ぶが、キングギドラの力の前に敗北。その上妹のロラがキングギドラにマインドコントロールされてしまった。
この危機に対し、モスラは過去の時代に飛び、若いキングギドラを倒すという。だがそれは二度と帰ってこれない危険な賭けだった。
モルは後の事を生き残った少年、園田翔太に託し、キングギドラを倒すためモスラをタイムスリップさせる。
モスラ最後の戦いの行方は……
主要キャスト
補足
本作は前2作とはやや異なる設定が多く見られる。
①前2作は環境問題がテーマでメッセージ性の強かったのに対し、本作は勧善懲悪を押し出した娯楽作品。
②前2作は新怪獣なのに対し、本作は過去作に登場した人気怪獣。
③前々作は「寿命」、前作は「不利なバトルフィールド」というハンデによる敗因に対し、本作は完全に実力差。
④田中友幸氏が本シリーズの中で唯一制作に関わっていない(本作の前年に死去されたため)。
余談
- 派生種でない純粋なキングギドラは、この後長い間映画に登場しておらず(『大怪獣総攻撃』に登場したキングギドラはまた別の存在なのでノーカウント)、この21年後にハリウッドで製作された『GODZILLA:King of Monsters』まで待たねばならなかった。
- 前々作は「木」、前作は「水」をテーマにしていたのに対し、本作のテーマは「火」であり、当初はそれをテーマにした新怪獣が登場する予定だったが、後に新怪獣からラドン、そしてキングギドラへと、人気怪獣へとシフトされていった(ラドンとの直接対決に至っては、後にゴジラ キング・オブ・モンスターズで実現している)。また、タイムスリップする先も、当初は恐竜時代ではなく、江戸時代だった。
- 本作は新造形されたレインボーモスラを含む計4種のモスラ、通常の怪獣の着ぐるみの2倍の費用が掛かると言われるキングギドラ2体に加え、更に恐竜や原始モスラの造形物まで作ったために、ミニチュアの建造物を作る予算が無くなってしまった。その為、都市の破壊シーンは石膏板を爆破する映像に実景を合成するデジタル合成がメインとなっている。
関連タグ
ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃:本作と同様、成虫モスラとキングギドラが共演する作品。ただし、こちらの二体は味方同士で共闘している仲である。
ゴジラ キング・オブ・モンスターズ:こちらも成虫モスラとキングギドラが共演する作品(こちらに至っては対決シーンはほんの一瞬しかなく、しかも敗北している)。前述の通り、本作で叶わなかったラドンとの直接対決が実現している。
アルセウス 超克の時空へ:三部作最終章繋がり。現代において暴れまわる強敵を解決するため、過去にタイムスリップするという共通点がある。
モスラ2←モスラ3