概要
【真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ】は2000年から発売されたゲッターロボOVAシリーズ第2弾。全4話。この全4話(約2時間)の短い尺の中に多くの見せ場が用意されている。
リアルロボット路線に進みつつあった【漫画版ゲッターロボ號】をベースにしつつも、【漫画版ゲッターロボ】の要素を数多く取り込み、そのストーリーも復活した恐竜帝国と新生ゲッターチームの戦いを明快に描く娯楽性の高いスーパーロボット作品に仕上がっている。外連味のある演出とド派手な動きを重視した作画も見応え十分で、【世界最後の日】とはまた違った魅力に溢れている一作品に仕上がっている。
元々は【真ゲッターロボ世界最後の日】の続編の企画だったが、企画変更により現在の形になった。
状況は違えど【漫画版ゲッターロボ】での巴武蔵の最後の活躍シーンをほぼ忠実に映像化した第一話冒頭のシーンはゲッターファン必見との声も高い。
【ゲッタロボーサーガ】の知識の履修が必要な面もあれど、短い尺の中でも十二分にゲッターのアニメのアツさと爽快なアクションとシナリオ、そして原作者の一人の石川賢ゲッターの良さを感じさせる為、初心者や時間が無い人にとってはお勧めできる作品である。
ストーリー
5年前、地上に一大攻勢を掛けてきた『恐竜帝国』にたった一人で立ち向かう巴武蔵。
死闘の末に彼はゲッターロボ諸共、自爆を決行し、『恐竜帝国』は大被害を受け地上から撤退した。
しかし、その代償に決戦の舞台となったニューヨークは壊滅。またこの事が原因となり政府からは『ゲッター線』を危険視され研究や『新たなゲッター』の開発も禁止されてしまう結果となってしまった。
そして時は現在。着々と復活の兆しを見せる恐竜帝国に対し、嘗てのゲッターパイロット神隼人が参加した組織『NISAR』が新たな対策を練っていた。
その一環として開発された『ゲッター線を使用しない新たなるゲッター:ネオゲッターロボ』。新生ゲッターチームとして『NISAR』所属の橘翔と大道剴、その最後のパイロットに選ばれたのは闇プロレスの覇者・一文字號であった。
こうして再び始まる、地上の覇権を巡る『人類』と『爬虫人類』の壮絶な戦い。果たして、勝利の女神はどちらに微笑むのか…?
関連イラスト
メカニック
ネオゲッターロボ(ネオゲッター1 ネオゲッター2 ネオゲッター3)
神隼人が所属する組織『NISAR』が開発した新たなるゲッター。デザイン的には「ゲッターロボG」と「ゲッターロボ號」の折衷に近い。
武蔵の特攻でニューヨークが壊滅した事により脅威と看做されたゲッター線の研究が禁止された影響で、動力には『プラズマエネルギー』を代替品として使用している。
プラズマエネルギーによる安定した稼働が持ち味だが、その分エネルギーに限りがあるのが弱点。
真ゲッターロボ(真ゲッター1 真ゲッター2 真ゲッター3)
5年前、恐竜帝国との決戦の為に開発された新型のゲッターロボ。
従来のゲッターを大幅に上回る力を持つが、5年前の決戦には起動が間に合わなかった。
その後ゲッター線研究禁止に伴い凍結・封印・されていたが、恐竜帝国復活に応じて早乙女博士と隼人が凍結を解除。
乗り込んだ號の叫びに応え、地竜一族に奪われたプロトゲッター軍団(後述)のゲッター線を吸収して起動し、危機に陥った翔と剴を救った。
その後は新生ゲッターチームの乗機となり、恐竜帝国との最終決戦まで闘い抜いた。
テキサスマック
キング兄妹の駆るアメリカ軍所属のスーパーロボット。TV版から大幅なアレンジが施されており、もはや原形を留めていない。
メイン兵装は2丁拳銃だが、これとは別に特殊兵装として世界中のアメリカ大使館の敷地内に格納されたハイパワーライフルも扱える。ただし余波が大き過ぎて地上の標的には使用できない。
最終話でも支援メカ『パスチャーキング』を引っさげて参戦している。
プロトタイプ・ゲッター軍団
第3話に登場した早乙女研究所が過去に開発したゲッターロボの試作機(隼人曰く亡霊)。
廃棄されていたものをゲッター線に耐性を持つ地竜一族の戦士であるニオンとその配下が奪取。搭乗して無尽蔵のエネルギーを使った物量戦に持ち込み『ネオゲッターロボ』を追い込んだ。
神ゲッターロボ
帝王ゴールとの決戦でボロボロにされた真ゲッター1が號・翔・剴を取り込んで進化した姿。
青色の鎧を纏ったような姿をしており、貫手(スーパーロボット大戦シリーズでは「ゲッターファイナルクラッシュ」と呼ばれる)の一撃でゴールを屠った。
初代ゲッターロボ(ゲッター1 ゲッター2 ゲッター3)
物語冒頭で武蔵が単独で駆っていたゲッターロボ。それぞれに変形して対抗するがメカザウルスの圧倒的数の前に機体に限界が来てしまい、覚悟を決めた武蔵が自爆を決行してそのまま消滅した。
メカザウルス
本作では以下の6機が登場した。またノベライズ版には偵察用の小型の飛行型メカザウルス等も登場している。
メカザウルス・ドバ
第1話に登場したネオゲッター初陣の相手。人型に近い形状。トカゲの尾の鞭、ロケットパンチ、胸部ミサイル、口腔からの火炎と多彩な武器を持つ。
しかし、『ネオゲッター1』の攻撃に追い込まれ「プラズマサンダー」で撃沈された。尚、漫画版『ゲッターロボ』登場時にはマジンガーZそっくりだった顔の形状も、無難な形状に改められた。
メカザウルス・ブル
第2話に登場した野牛に似たツノが特徴的なメカザウルス。アメリカへの隕石爆撃の際に、隕石に偽装して侵入を果たす。パワー戦法と胸部ミサイルを使い『テキサスマック』を苦戦させる。最終的に『ネオゲッター2』の「プラズマソード」に両断された。
メカザウスル・モバ
同じく第2話に登場した亀型メカザウルス。武器は口からの火炎と甲羅から放つビームトカゲ(ヤモリ)。アメリカと日本の同時攻撃を仕掛けるが、ドバ撃破後に日本に戻った『ネオゲッター2』が『ネオゲッター3』にチェンジし、パワー勝負に追い込まれ裏返された所を「プラズマブレイク」で倒される。
メカザウルス・ギガント
同じく第2話に登場した人工衛星型メカザウルス。隕石を生成し降らせて地上への隕石爆撃を実行。テキサスマックの地上からの狙撃で破壊された。
メカザウルス・ボア
第3話登場のバット将軍専用機。遮光器土偶を思わせる眼とアクアラングのようなホースが特徴の人型メカザウルス。腕から延ばした鞭が武器でエネルギー切れ寸前の『ネオゲッター3』を追い込む。しかし、新生ゲッターチームが『真ゲッターロボ』に乗り換えた事で形勢が逆転し、ゲッタートマホークで両断され追い込まれ最終手段として自爆を試みるが、ゼロ距離のゲッタービームを浴びバット将軍諸共、撃破された。
メカザウルス・ゲラ
最終話登場のガレリィ長官専用機。巨大な培養カプセルの中に収められたクラゲのようなものが本体。カプセル筐体のメカ触手からも電撃を放つ。しかし、最大の武器は巨大なクラゲの本体が持つエネルギー吸収能力。水中戦を得意とする『真ゲッター3』でさえ海中で圧倒する程のパワーを持つまで成長したが、偶然、翔にミサイル吸収では無く触手で払い落とした事から、エネルギー吸収能力の限界量と言う弱点を見抜かれ、内部に突入した後ミサイルストームを受けエネルギー吸収が追い付けずガレリィ長官と一緒に爆死した。
偵察機
ノベライズ版において一文字號の回想内で登場した飛行型の小型メカザウルス。当時『ゲッターロボ』の奮戦で小康状態にあった日本に潜入し偵察活動を行っていた。食欲に駆られるまま一文字號の家族が乗った自動車を襲撃、號以外の全員を捕食する。小型機故にレーダー等にも探知されにくい。
その他
漫画版『ゲッターロボ』に登場した『メカタイフーン』(全身にプロペラのある蛇のような形状)や百鬼帝国の縄張りに踏み込んで惨殺された名無しのメカザウルス(ドリル装備)等、漫画版に登場した有象無象も登場。またゲッターロボサーガでは百鬼帝国ブライの過去編で登場した円盤も恐竜帝国の戦力として登場している。
キャラクター
一文字號
CV:櫻井孝宏
闇プロレスの覇者として生活費を稼ぐ毎日を送っていた所を隼人にスカウトされ、なし崩し的に『ネオイーグル号』のパイロットになった。
強靭な肉体と野性味溢れる性格から「山猿」とあだ名にされる事もあるが、仲間を思う気持ちは人一倍熱い持ち主。
ゲッター線との融和性も高いようで、帝王ゴールとの最終決戦においてボロボロの真ゲッターロボを神ゲッターロボに進化させた張本人。
橘翔
CV:浅川悠
元アメリカ軍のトップガンで、現在は『ネオジャガー号』のパイロットを務める女性。
冷静沈着なクールビューティーで、直情径行型の號とはよく対立する。
しかし、仲が悪い訳では無く良き仲間である。
大道剴
CV:桜井敏治
気さくで真面目なネオベアー号のパイロットで、歴代ゲッター3号機パイロットの中でも髄一の巨漢。
よく衝突しがちな號と翔を窘める事も多い苦労人である。號を「山猿」と揶揄った張本人。
アニメ最終回のEDで尋常ではない量のラーメンを平らげている所から、見かけ通りかなりの大食漢である模様。
流竜馬
CV:石川英郎
嘗てのゲッターパイロットだったが、恐竜帝国に拉致され一時的に廃人となってしまった。
真ゲッターロボ起動の際に起動させる事が出来なかった後悔から、現在は流浪の旅に出ている。
しかし、アニメ第3話において早乙女博士の危機に胴着姿で駆けつけ、得意の空手で恐竜兵士を蹴散らしたり、高空から飛び降りて子供を救う活躍を見せた。
本作では引退しているためゲッターに乗って活躍する事は無いが、高い身体能力は健在。新生ゲッターチームのサポート役を務める事になる。
神隼人
CV:内田直哉
特務機関NISARの最高責任者。また新生ゲッターチームの指揮官で通称は「大佐」。嘗てのゲッターパイロットでもある。
常に冷静沈着、時に目的の為には手段を選ばない非情な面をも見せるが、他の作品の隼人よりは控えめな印象。早乙女博士と共に市民の避難誘導も行う面もあった。
ゲッターからの強力な負荷や衝撃に耐えられない体になっている為、竜馬らと共にサポート役に回っている。
早乙女博士
CV:富田耕生
旧早乙女研究所の所長。今回は政府により軟禁されているが後半は、隼人らと共に帝王ゴールの暗躍を阻止する為に奔走する。性格は【TVアニメ版ゲッターロボ】に近く比較的優しめ。
敷島博士
CV:八奈見乗児
NISAR所属の研究員。マッドサイエンティストでマシンガンを乱射、ヤバイ発言が目立つ。
ジャック・キング メリー・キング
『テキサスマック』のパイロットを務める兄妹。TV版では普通の口調だったがこちらはスパロボ等から逆輸入された英語訛り(カタコト)で喋る。
おどけた口調とは裏腹に実力は本物。
巴武蔵
CV:梁田清之
5年前の恐竜帝国との決戦において、その生命を散らしたゲッターパイロット。
第1話冒頭でその活躍が見られる他、竜馬が彼の墓を訪れる場面や隼人らが彼の名を口にしている場面がある。
帝王ゴール
CV:内海賢二
恐竜帝国皇帝にして黒幕。5年前に武蔵の自爆で瀕死の重傷となったが、部下らがサイボーグ手術を施して、再び地上侵略を開始する。
人類にとっては侵略者であるが、部下の大半が最期の断末魔に「ゴール」の名を叫ぶ等、恐竜帝国内部においては人望の厚い指導者である。
物語後半ではオーパーツである巨大UFOと融合、自身が巨大化して『真ゲッター1』を追い詰めていった。
バット将軍
CV:若本規夫
主に戦闘指揮を担当する幹部。『ジェネラルソード』を納刀しており、白兵戦も得意。『メカザウルス・ボア』に搭乗。
ガリレイ長官
CV:辻村真人
参謀・開発を担当し自ら前線に赴く事はないが、自ら設計した『メカザウルス・ゲラ』と共に最終話で遂に前線に立った。
何故か今作だけ名前が違っており、【TVアニメ版】での名称は『ガレリィ長官』だった。
ニオン
CV:檜山修之
ゲッター線に対して抵抗力を持つが、その為に同種族から差別・幽閉・迫害されてきた地竜一族の男。
一族解放の為、早乙女研究所内に保管されていた『プロトタイプゲッター』を駆って『ネオゲッターロボ』に襲い掛かる。
小説版では號のライバルとなり、帝王ゴールに対してクーデターを起す等、重要人物となっている。
楽曲
作詞:工藤哲雄 作曲:千沢仁 編曲:須藤賢一
歌:JAM_Project featuring 水木一郎、影山ヒロノブ
作詞:工藤哲雄 作曲:千沢仁 編曲:須藤賢一
歌:JAM_Project featuring 水木一郎、影山ヒロノブ
- 最終話ED『yeah!yeah!yeah!』
作詞:工藤哲雄 作曲:かまやつひろし 編曲:河野陽吾 歌:遠藤正明
オリジナルサウンドトラックには未収録。スタッフロールでは「テキサスマックのテーマ」と表記されている。アルバム『マジンガー対ゲッター』に収録されている。
余談
- OP映像ではネオゲッター1と真ゲッター1が拳をぶつけ合う場面があるが、本編では戦っていない。『対』と言いながら戦わないのはよくある事…と言うか伝統なのだが本作の場合は共闘すらもしない。まあ、『ネオイーグル号』と『真ゲッターロボ』で共演は一応果たしているが…。
- 原作者の一人である永井豪氏曰く、『対』は「戦うでは無く、並び立つ。」だそう。
- 【ゲッターロボサーガ】や【TVアニメ版ゲッターロボ】のセルフオマージュが多い。一例として。
- 非常に分かりにくいが、『ネオゲットマシン』が出撃する際の基地は早乙女研究所では無くNISARである。
- ゲッターロボ作品特有の不敵な笑顔は今作でも健在。
- 後にアニメ化されたゲッターロボアークでは號と翔の声優はこの作品から取られておりこの作品での声優が正式的な號チームのキャスティングとなっている。
ダイナミックスーパーロボット総進撃!!
【ダイナミック企画】創立25周年記念フィルムとして収録された映像特典。全3話。ダイナミック作品の主役ロボが集結する。
登場したロボット
敵組織
関連タグ
新ゲッターロボ:メインキャラの担当声優が続投しているOVA作品。
まさかの再注目
君は完璧で究極のゲッター: 2023年に突如としてゲッターを流行らせた張本人。本アニメの主題歌である『Jam_project』の【STORM】と『YOASOBI』の【アイドル】の合わせ技。