軍隊における役職の一つ。
「謀に参ずる」という語意の通り、当該軍隊の作戦立案・遂行において指揮官を補佐する職である。
後方参謀、情報参謀など担当する職務によっては軍官僚としての性格を持つ場合も多く、作戦立案のみに従事するわけではない。
日本軍における悪例
なお、戦後日本では、旧軍の最末期の暴走からか、軍国主義の権化と見なされ、とかく有能、あるいは意欲のある指揮官の邪魔をする、尊大で鼻持ちならない中間管理職の輩と見なされているが、実際には、流石の日本軍においても、戦後日本の戦争映画のように躊躇なく上官を陥れ、自分の思い通りにならないと、周囲の人間にヒステリックに喚き散らす子供のような精神状態の者は実際にはごく少数に過ぎなかった(ただし、本当にそうだった例として辻政信や、彼とほぼ同類の神重徳が該当する)。とはいえ、太平洋戦争当時の日本軍参謀は源田実がそうであったように、ある部分で有能でも、大局的には影響を及ぼせなかったので、陸の辻政信、海の神重徳の越権行為がとかく悪目立ちした面は否めない。
フィクションでの参謀
なお、日本軍の事例が大いに誤解を招いているが、彼等は参謀の本来の職責の範囲を逸脱した悪例である。フィクションでいえば、銀河英雄伝説でのヤン・ウェンリーの幕僚時代、映画ドラえもんのドラコルルがそうであるように、指揮官に助言し、彼等を上手く動かし、彼等に手柄を立てさせる立ち位置が本来の想定任務なのである。また、戦後、日本軍を批判的に論じるにあたって言われだした常に安全なところから、兵隊に指示を飛ばすだけの立場でもない。例えば、ベルサイユのばらのオスカルの恋人であり、副官であったアンドレ・グランディエはオスカルを凶弾から庇って戦死したし、銀河英雄伝説のジークフリード・キルヒアイスもラインハルト・フォン・ローエングラムを庇い、身代わりに死を遂げているのだ。
ちなみに、マクロスFの名言「ご存知、ないのですか!?」の発言者であるゼントラーディ人の参謀も参謀の一人である。
つまり、参謀は責任を負わされる危険もあり、戦場での死亡率も高いが、その代わりに補佐した将校が出世すれば、棚からぼた餅で自分も出世できる見込みがあるポジションというのが正確なところなのだ。
スポーツなどでの用例
転じて、スポーツチームや企業・団体における指導者や経営者に助言をしたり、作戦を組んだりする知恵袋的な存在を”参謀”と言い習わすことがある。