説明
職業軍人とは志願兵や、下士官、士官など「自らの意思で軍に在籍している者」を指す言葉である。
かなり広い意味合いがある一方で、実際問題として定義が難しく、「他の例では職業軍人といえるが、同じような状況でもこの例では職業軍人と呼ぶのは不適切ではないか」など、使いどころが難しい言葉である。
志願兵の場合
徴兵制が敷かれた国家において、国家が人民を兵士として徴用する他に、自ら志願して兵士となる場合がある。
これは、志願兵が「国家の義務ではなく職業の一環として”兵士”」という職業を選んだ訳であるから職業軍人と言えるのではないか、という意見である。
一般的に徴兵制が確立されて以降の兵士は、兵役期間が定められており、所定の任期を満了すると辞めさせられる(戦況や充足率によっては継続して勤務することになる)事が殆どなのだが、志願兵の場合は継続して長期間勤め上げることが多い為、「兵士を職業としている」と言えるので職業軍人と言える、とする考え方である。
下士官の場合
下士官は、勤続年数が長い兵士から所定の試験を経た上で任ぜられることが殆どである。
故に、「志願兵」の延長線上とも言える。
特に下士官の場合は、任期制ではなく定年制であることが殆どなので、より職業と名乗りやすいことも大きい。
大日本帝国海軍の飛行予科練習生や、自衛隊の一般曹候補学生など、「実戦部隊に着任してから下士官(曹)として活躍する前提の育成制度」によって下士官(曹)になった場合も「自ら志願して軍に在籍している」ため、職業軍人と言える。
士官・将校の場合
軍の内部では(学歴や職種、功績によって差こそあれ)エリートコースなので「無理やり士官にでっち上げる」ことは殆どない(皆無とは言えないが割愛)。
故に、生粋の「職業軍人」ではあるものの、「数年後に辞めることが決まっている兵卒」からの対義語としての「職業軍人」という言葉のニュアンスを考えると、士官・将校に対して「職業軍人」という言葉を積極的に使うべきかどうかは微妙なところである。