概要
動物の胴体、主に腹部や肛門以降から後ろに伸長した部分のこと。尻尾(しっぽ)ともいう。英語は「tail」(テイル、テール)。
脊椎動物であれば後肢やお尻以降から背骨が続く部分で、イモリやトカゲ、哺乳類などが分かりやすい。
ただし、魚の場合はこれが体の大部分を占めて、肛門や腹鰭(魚の後肢)より前の部分と連続した形が一般的のため、尾の印象が薄く、一般で「魚の尻尾」と呼ばれる部分もだいたいその先端の尾鰭だけである。後肢が退化したヘビやウナギなどに至っては、どこから尾なのかすら分かりにくい。
現生の鳥の尻尾は短いが、羽毛が発達したため長く見える場合が多い。
節足動物の尾に該当する部分は「尾節」という。身近な例ではカブトガニの細剣のような尾が分かりやすい。
エビやサソリなど腹部が細長い種類では、腹部全体もしくはそのうち細い部分を尾と呼ばれることが多いが、正確には先端の部分(エビなら中央の棘、サソリなら毒針)だけが尾である。
三葉虫などでは後ろの甲羅を「尾部」と呼ばれるが、直前の胸部と同形の肢が生えており、正確には胴体後方一部の体節が合体した部分である。
昆虫には尾角や産卵管など、腹部の末端から突き出した部分を持つ場合があるが、これらは尾とは別器官である。
蛾や蝶に目立った尾はないが、後翅の末端から「尾状突起」という部分が伸びて、これが尾に見える場合がある。
巻貝などの腹足末端から伸びる部分は尾と呼ばれる場合もある。