概要
一部の動物で見られる一面の外骨格または殻状の部位。英語は「carapace」(ケラペース)。カメやアルマジロ、カニなどの背面で見られる硬い殻が代表的。
背部に持つことを強調して「背甲」とも言う。
節足動物の場合は頭部背面から幅広く発達した外骨格を指し、正式ではもっぱら背甲と呼ばれる。鋏角類(クモ、サソリ、カブトガニなど)と甲殻類で多く見られ、後者はカニやエビが有名だが、微小なミジンコや貝虫は全身を覆い被さるほど立派な甲羅を持つ。
カメの場合は背腹2枚の甲羅を兼ね備え、それぞれ背甲と腹甲という。面白いことに、オドントケリスなどカメの祖先に近い古生物は腹甲しか持たず、カメの背甲は腹甲より後で進化したことを示している。
同じ爬虫類だがカメとは別系統である古生物板歯類の中には、ヘノドゥスのように、カメと似た甲羅を収斂進化した種類がいる。
なお、巻貝や二枚貝などの軟体動物の殻は一般には甲羅ではなく、貝や貝殻と呼ぶ。