俺は通称「ボス」。本名は俺も、作者も概要も知らない
漫画・アニメにおけるスーパーロボットの金字塔『マジンガーZ』に登場するロボット。
主人公・兜甲児の親友にして悪友である ボス が三博士を脅迫して造らせたもので、彼が搭乗し、マジンガーZと共にDr.ヘル率いる機械獣軍団を相手に戦いを繰り広げた。ちなみに、設計もボス自身が行ったらしい。
本来の名称は「ボスロボット」だが実際には「ボスボロット」と呼ばれ、以後は公式名称もそれで定着している。
TVでの初登場は全92話中第48話からなのだが、OVAやスパロボなど他作品では軒並み序盤から登場する。
コメディリリーフとして多彩な表情や装備(マントやスキー板等)を度々見せるのも特徴で、コメディロボットの元祖というべき存在。
『ゲッターロボ』の浅太郎、『勇者ライディーン』のボインダー、『鋼鉄ジーグ』のメカドン1号・2号、 『超電磁ロボコン・バトラーV』のケロット、『未来ロボダルタニアス』のガメロット、『光速電神アルベガス』のゴリロボなど後の作品への影響は大きい。
当然のように人気があったため、テレビシリーズ三部作では唯一(主役ロボを差し置いて)皆勤している。劇場用作品『マジンガーZ対暗黒大将軍』や 『グレンダイザー ゲッターロボG グレートマジンガー 決戦!大海獣』でも結構重要な役割を担うなど、扱いはすこぶる良かった。
俺様の華麗なるボロットの性能を見て驚けだわさ
『マジンガーZ』では全高12m・重量95tだが、『グレートマジンガー』では20mに増量されている。
その素材はスクラップ(東映アニメ版では廃車などが材料として描写されており、後に描かれたKCデラックスでの改訂版マジンガーZの4巻の追加ページなどの棒体では機械獣の残骸)であり、ハンドルで操縦、操縦席は畳張りでトイレ付きというかなり無茶な機体。
縄梯子などで頭部に登り、格子状の口から搭乗する。
ちなみにこの口部分の格子には風防などが付いておらず、ダイアナンA同様に外気に晒されている。そのため、ボロットが転倒した時の衝撃で、ボスたちがここから外に放り出される事がよくあった。また、冬場は外の寒気がもろに入ってくるため、とても寒い。
燃料はガソリン…なのだが、光子力の動力にも対応しており、資料によっては「どんな燃料でも動く」という記載があるものも……。
「マジンガーZ」73話では(オイルショックのために)ガソリンが手に入らず、ヌケとムチャがジェットパイルダーから盗んだ光子力エネルギーを入れる事で動けた……というシチュが描かれている。
戦闘メカとして見た場合、性能は当然ながらお世辞でも決して良いとは言えず、敵の攻撃は愚か何か行動しただけで破損することもあるなどかなり脆い。また、碌に武器を搭載していないため(当初はマジンガーZの武装を搭載しようとしたが、どれも発動と同時に自壊するため)、近付かなければ何も出来ないなど戦闘力は低い。
ジェットスクランダーに影響され、自身も空を飛ぼうと試みた事があったが、当然ながらそれも失敗続きだった。
ただし、パワー「だけ」はマジンガーZに勝るとも劣らない程高く、格闘戦に限れば侮れない。
実際、ボスボロットがいなければ マジンガーZが負けていた可能性が高いような戦いも非常に多く、そういった意味ではアフロダイA・ダイアナンAと並ぶマジンガーZの相棒と言える存在である。
もちろんパイロットであるボス本人は、その完成度に絶対の自信を持っているようであるボスボロット。
しかし、スーパーロボットとして見た場合の性能だが、お世辞でも決して良いものとは言えない。
TVアニメ版を例にして抜粋しただけでも以下の有様である。
- 敵の攻撃はおろか、何か行動しただけで破損することもあるほど脆い。両方が複合した時はさらに悲惨である。敵の攻撃で錆びてしまい、歩くだけで壊れていき、しまいにゃ光子力研究所の面々が見守る前で「たすけてくれ~、もうだめだ~」と悲鳴を上げながら崩壊してしまったこともある。
- コクピットである頭部が分離しやすく、衝撃を受けると宙に舞い上がること多々。
- 碌な武装を積んでおらず、近付かなければ何も出来ない。
などなど、そのボロット振りは枚挙に暇が無く、基本戦闘に参加しても足手まといにしかならない。
しかし、前述のようにパワーだけは凄まじいため、格闘戦はそれなりに有効打と成り得る(パンチでアームが破損するなど自滅することも多いが)。初登場時のエピソード(48話)では、マジンガーZを一度は圧倒した機械獣カジモフT7と交戦。倒すまでには至らずとも、左腕をもがれた片腕の状態でカジモフの左腕をもぎ取っている。
他に、マジンガーZ劇中では妖機械獣サーペンターΙ6や機械獣ブラッキーF7、グレートでは戦闘獣ギュラソスを葬っており、『マジンカイザー』では、自身の二倍程の体格を持つ妖機械獣を蹴り飛ばしている。『マジンガーZ/INFINITY』では、光子力3Dプリンターで作った爆弾類を蹴り込んだり投げつけたりと八面六臂の大活躍を繰り広げた。
また、それ故に普通の力作業などでは大活躍であり、戦闘後の瓦礫撤去等の復興作業で役に立つことは多い。
他、パワー以外にも侮れない一面はあるにはある。
- 構造が単純なためか改造しやすいのも特徴で、脚にロケットを取り付けて即席の高速移動手段にするなど、何気に汎用性が高い。これを使って戦闘獣ダンテを倒した。
- スクラップを材料にしているためか、修理が容易で復活速度はゾンビ並み。
- 他の箇所はともかく頭部ユニットは異常なほど頑丈。ドラゴノザウルスの胃液で身体が殆ど溶けて尚、頭部だけは無傷でありそのまま活動できていた。
- 機械獣ら敵のロボット兵器相手には分が悪いものの、それでも戦車程度ならば複数機を相手に十分戦い抜けるだけのポテンシャルは持っており、ブロッケン伯爵配下の鉄十字軍団の戦車の大軍をダイアナンAとの連携で多数撃破したこともある。
- 時々意思を持っているかのように動くことがあり、ボスたちがパニックになって操縦を放棄しても勝手に動いてくれる。
- 切り札の自爆はボロットのお家芸とも言えるネタであり、スーパーロボット大戦シリーズなどでも精神コマンドや武装としてなど何らかの形で再現されていることが多い。
- 寸胴ボディの中にパイルダーやら何やらを隠し持っておくことができる。一体どういうメカニズムで動くのかがわからなくなるレベル。
この僅かな利点を活かし、意外な活躍を見せることもある。
コメディリリーフだからと決して侮ってはいけない。
人はもちろん、ロボットも見かけに寄らないのである。
グレートマジンガー
続編である『グレートマジンガー』にも引き続き登場し、主人公・剣鉄也の操縦するグレートマジンガーをサポートした。この作品でも風船で空を飛んだり、ボロットプレッシャーパンチや催眠ステッキなどの新兵器開発にも余念がなかった。
相変わらず足を引っ張ったり活躍したりと、その落差は話によって激しい。
UFOロボグレンダイザー
そのまた続編の『UFOロボグレンダイザー』にもゲスト出演とはいえ、二回登場している。この時はボロットを発見したベガ星連合軍の調査員がグレンダイザー側の新兵器と思い込んでしまった。ボスたちがいない隙にボロットに忍び込んで直接調べてみたもののテクノロジーの落差が酷すぎて理解不能のため「未知の新兵器」と誤認してしまった。その後、ボスたちと兜甲児が共同で操縦し円盤獣と交戦している。
2回目に登場した時は開発したボススペイザーで空を飛んで現れた。そしてやっぱりグレンダイザーの新兵器と間違われた。
また後年の『マジンカイザー』や『真マジンガー』にも当然の如く参加する等相変わらずの活躍ぶりを発揮した。
派生作品
もちろんスーパーロボット大戦シリーズでも登場する。が、性能の方は「お察しください」というレベルだった。
大きな変化はスーパーロボット大戦EXにおいてシュテドニアス軍に鹵獲されてしまった時のこと。この作品からあまりにも低い性能を補う為に補給装置が搭載された。
お陰で以降のスパロボ作品の殆どでボスボロットに補給装置(場合によっては修理装置も)が標準装備される事となった。
初のフルボイス作品となる「新スーパーロボット大戦」ではまさかのマップ兵器を装備したスーパーボスボロットなるモノがスポット出演。…したはいいが、同作には「本体の型番によっては、MAP兵器を使用すると100%フリーズする」という不具合があり、それによって初登場イベントでフリーズを起こしプレイヤーを嘆かせる恐ろしい存在になってしまった。
それ以降は、乗せ変え可能な上にほぼ全ての武器に専用セリフ(もちろん乗せかえ可能キャラの分も)+対地対空それぞれの回避用アニメーション&バリア用アニメーションと、主役機であるマジンガーZやグレートマジンガー以上の手間をかけている。
ただし、カイザー版と真マジンガー版ボスボロットはボスボロットと呼べないぐらいの強さを見せつけている。
『戦闘メカザブングル』のウォーカーマシンもボロットと同じくハンドルとガソリンで動く為、たまに比較される。スパロボで共演した際は、当然の如くネタにされた。 特にギム・ギンガナムのターンXと交戦させると『そんなガラクタでなあ、勝てるわきゃねえだろおお!』と怒られる。また素材がスクラップという設定を反映してか、撃破された際の修理費も破格の安さである。
スーパーロボット大戦Jではナデシコのホシノ・ルリがボロットを馬鹿にしていたが、ナデシコが強すぎるだけでカイザー版のボスボロットはトップクラスの実力を持つ機体である。というか、修理補給どちらもできるボロットがいるだけで他のサポートメカが霞むのに、さらに対空攻撃やマルチコンボも可能で射程もそこそこな多彩な武装が備わり、オマケに地形適応も良く武器の改造費用も安いという、本当にこいつボスボロットか?と言いたくなるレベルで強い(しかもボスを乗せるとサブパイロットにムチャとヌケがついてくるため精神コマンドにも困らない)。
(そもそもスパロボのナデシコはイデオンやゼオライマー、飛影、ウィンキー時代のビルバインに匹敵するレベルの最強クラスのユニットである。ちなみにそれもあくまでユリカがいる時のナデシコでありルリが艦長時代のナデシコはスーパーロボット大戦Vまでは戦艦の中では中堅ぐらいの強さだったのでルリの発言はただの嫉妬にしか聞こえない)
また、第2次Z破界篇ではマジンガーZが出ていながら参戦していないという珍しいことになった(えっ? メチャクチャカッコよくなって参戦している? 確かに似ているけど別人です)。
再世篇から本格的に参戦。くろがね五人衆の面々が同乗しているという事で、彼らに支援を頼む召喚攻撃が装備されている(何故かくろがね五人衆の精神コマンドは用意されていない)。
機械獣はもちろん、MSやKMF、次元獣やバジュラ、挙げ句の果てには使徒相手も果敢に立ち向かう、変な奴がいるぞ!
当然、強化パーツで補強すれば宇宙でも大暴れ。時獄篇では天元突破してグランゼボーマとも渡り合うことも。変な奴がデカイぞ!
そしてBXでは、くろがね五人衆withつばさ女将・feat.暗黒寺&ガミアという最高に派手な面々が集う事になった。しかも例によって宇宙だろうとトラックで乗り付けてくる(ある意味精神コマンドが無いのに納得するような描写となっている)。
変な奴が増えたぞ!
スピンアウト作品
ボスボロットを主役にしたギャグマンガ、いずれも原作:永井豪、作画:真樹村正とダイナミックプロ。
ジャーンジャジャ~ン!関連イラストだわさ
それじゃあ、関連項目の皆さん出番ですぜ!
ダイ・ガード:カッコよくなったボスボロット
バイカンフー:スーパーロボット大戦IMPACT攻略本ではボスボロット同様にどんなエネルギーも摂取可能と書かれていた