グロイザーX
ぐろいざーえっくす
ダイナミックプロの企画作品で、原作に桜多吾作、監修に永井豪の名がクレジットされている。
東映ともめていたダイナミックプロから企画を持ち込んだとも、ナック独自企画をダイナミックプロに纏めてもらったとも言われる。
主人公の一人が同胞を裏切り最大戦力と共にもう一人の主人公側に付くケースは過去のダイナミック作品にもあったが、今作は自らの意思で裏切る(ガイラー側にも帝国に反感を持つ人物が多いため。そのため地球側に戦力を届けるため裏切り行為を起こした)点が異なる。
主人公機グロイザーXも敵側の「空爆ロボ」も同様に飛行形態が基本。タイトルの「グロイザーX」も飛行形態の名前である。
グロイザーXから変形してグロイザーロボになるが、飛行形態のまま胸から発射した「フライング・トーペドー」で敵を撃ち抜いて倒すことが多く(ロボ形態でトーペドーを発射したこともある)、出番は数えるほどしかない。最終話はラスボスであるガイラーVをグロイザーロボで迎撃し、破損した胸めがけての飛び蹴りで決着をつけている。
ちなみに「フライング・トーペドー」は「魚雷」を名乗っているが爆発する間もなく敵を破壊してしまうため、実際に爆発するシーンは数えるほど。
→ 詳細は下記参照。
BGMは『チャージマン研!』のものが使いまわされていることでも知られ、キチガイレコードも何度か使われた。
まあ、ナックではいつものことであるが。
主人公・海阪護役の古谷徹氏は本作の『スーパーロボット大戦』シリーズへの参戦を望んでいるようだが、あまりにもマイナーなためか実現していない。
また、『真マジンガー衝撃!Z編』では、グロイザーXがモデルの「爆撃獣グロイザーX10」及び「グロイザーX9・X11・X12」が登場しているが、名前の通り敵役である。
→『第2次スーパーロボット大戦Z』に参戦している。
スパロボには登場しておらず、真マジンガー以外の他作品への客演も無かったが、2000年にダイナミック企画の創立25周年記念として制作された『ダイナミック スーパーロボット総進撃』にゲスト出演している。
→ 詳細は「余談」を参照。
一部媒体では第1話のサブタイトルから「大空の王者 グロイザーX」や「空爆ロボ グロイザーX」とも呼ばれることがある。
全39話だが下記の通り本放送は全36話。残りの3話は再放送となる(当時のアニメではよくあること)。
東京12チャンネル(現在のテレビ東京)で1976年7月1日から1977年3月31日まで放映された。しかし当時の東京12チャンネルはローカル局であるため、他地方では宣伝として放送するケースを取っている(この状況は80年代後半まで続くことに)。しかしながらネット局はそこそこ多かったようである。
ナックにとって『アストロガンガー』に次ぐ2作目のロボットアニメで、東京12チャンネル初のロボットアニメである。
系列 | 放送局 | 放送日時 |
---|---|---|
(独立局) | 東京12チャンネル | 1976~1977年、木曜19:30~20:00 |
日本テレビ系 |
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TBS系 |
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フジテレビ系 |
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TBS、フジテレビ、NET | テレビ山口 | 水曜17:30~18:00 |
事故によって、地球に不時着したガイラー星の探検隊の副長ゲルドンは隊長を暗殺して自らを皇帝と名乗り、「ガイラー帝国」として地球侵略に乗り出す。
平和主義の科学者ヤン博士は地球侵略用と偽り建造した空爆ロボ(超爆ロボとも)「グロイザーX」で日本へ亡命しようとするが失敗、娘のリタのみが亡命に成功した。
リタは飛島パイロットチームの海阪譲と知り合い、彼とともにグロイザーXを駆り、ガイラー帝国から裏切り者と罵られながらも戦う。
(Wikipediaより引用)
飛島パイロットチーム
バク(声:龍田直樹)
サブ(声:沢田和子)
一平(声:沢木郁也)
協力者
吉田局長(声:岡田道郎)
四村大吉(声:岡田道郎)
四村みどり(声:高木早苗)
ゲン(声:山下望)
ガイラー帝国
ダガー元帥(声:岡田道郎)
ゴーレン科学長官(声:沢木郁也)
X
上記にあるように、機種部分にロボットの頭部を有する「空爆ロボ」が基本形態。両腕が翼、下半身が推進器および尾翼になっており、完全な人型であるグロイザーロボへと変形可能。
ただし、グロイザーロボ形態は全36話中、第1話、3話、5話、8話、10話、13話、22話、32話、34話、36話の計12話しか登場していない(それでも1/3は出ているが)。話によっては2回も本形態に変形するケースもあった。
ロボ形態への変形は「ファイト・アップ!」、空爆ロボ形態へ戻る時は「リターン・エックス!」とコールする。
動力源はタキオン動力炉から発生するタキオンエネルギー、機体を構成している材質は「ミラクルシリコニウム」と呼ばれる特殊金属であり、小規模の破損ならば戦闘中でも自己修復が可能(ただし応急措置なので、基地での修理は必須)。また、各部に自動消火装置も搭載、飛行中に被弾しても自動で出火場所を消火できる。
タキオンをエネルギー源にすることで無尽蔵のエネルギー供給を実現しており、グロイザーXの莫大な戦闘力の源となっている。そしてそれを応用しての宇宙空間での長期航行や次元跳躍も考慮していた。しかしそれらの機能は本来宇宙船に搭載されるものであり、空爆ロボクラスの機体では必要のない機能である。ヤン博士は本気で母星帰還を考えていたようある。
内部には戦闘機「Gジェット」、ドリル戦車「Gタンク」、潜水艇「Gシャーク」の三機の小型メカを収容。それとは別に修理用マシンも搭載し、自力でメンテナンスや修理・改造を行うこともできる。それらのマシンはグロイザーXの体内工場で生産することができる。
コクピットは頭部で、左右の目の部分から直接外を見る有視界型(巨大な機体のためサブモニターも完備)。右目に譲、左目にリタが搭乗する。
しかし有視界型であるがゆえにその部分はウイークポイントとなってしまっており、第23話ではWA銃によって、目のガラスを撃ち抜かれ操縦不能に陥り敗北。そのため第24話では対弾強度を3倍に強化した防弾ガラスを風防に取り付け、WA銃を無力化させた。
空爆ロボ形態で胸部から放つ特殊魚雷「フライング・トーペドー」が必殺技。
また、頭部アンテナから放つ「タキオン光弾」など、多彩な武装を有する。多くが空爆ロボ形態での使用を想定されているためか、ロボット形態になると使用可能な武装が少なくなる(ロボット形態のみ使用可能な武装もあるが)。また、後方からの攻撃に対応できる武装が少なく、そこを敵に狙われたこともあった。
原案とアニメではカラーリングが異なり、やまとから発売された「群雄」の鋼シリーズ 第1弾として発売された際にはアニメに準拠した「通常版」と、数量限定で原案と同じカラーの「原作版」が用意された。また、エヴォリューショントイズの「ダイナマイトアクションGK」からもリリースされている。他にもカプセルトイでも立体化されている。
ガイラー帝国の主力兵器で、グロイザーXと毎回戦う敵ロボット。
ゴーレン科学長官によって製作され、ガイラー帝国空中要塞・ゲルモスによって(後期は北極基地から直接)目的地に運ばれ、破壊活動を行う。「隊長」と呼ばれる帝国コマンダー(または大幹部)が操縦する。
グロイザーX同様に、飛行モード(空爆ロボ形態)と、バトルモード(ロボット形態)の二形態を有し、変形して状況に応じ戦う事が可能(ただし後述のように劇中未登場や存在しない機体もある。下記も参照)。
ネーミングは、第15話のハイビッキーまでは搭乗する隊長の名をそのまま、あるいはアレンジしたものが主流だったが、第16話のカイジュウからは、ベーゴマ(第17話)やコロシヤ(第23、24話)といった、ユーモラスな名前の空爆ロボが主流となる。
空爆ロボは変形の有無によって、次の4つに分類される。
1:設定でも劇中でも、飛行モードとバトルモードが登場(ダイガン、デスダガー、デビルゴス、ガイラーVなど)
2:設定ではバトルモードがあるが、劇中未登場(アタッキンガー、ガロンガー、バギラス、デスダーガン、にせグロイザーXなど)
3:バトルモードの設定および登場は無し(ゴードン、ハリケント、バイキング、ハイビッキー、コロシヤなど)
4:設定では飛行モードがあったが、劇中未登場(ダイバッカス)
話数 | サブタイトル | 登場空爆ロボ |
---|---|---|
第1話 | 大空の王者 グロイザーX | ダイガン |
第2話 | 宇宙人美少女の秘密 | デビル |
第3話 | 恐怖の気象兵器 | デーモン |
第4話 | 熱血!ヒコーキ野郎の涙が燃える | アタッキンガー |
第5話 | 悲しみは大空の彼方に | スパイダー |
第6話 | 悲劇のマッハ3.5 大作戦 | ゴードン |
第7話 | リタの心を取り戻せ | ハリケント |
第8話 | 消えた空爆ロボ | ガロンガー |
第9話 | 傷だらけの友情 | バイキング |
第10話 | この命果てるとも | ダイダラス |
第11話 | 人間ロボット大作戦 | ダイッサム |
第12話 | 女神像を破壊せよ! | ビーナス |
第13話 | 恐怖の大飛行船 | デスダガー |
第14話 | 皆殺しの巡視船 | ドラキュラス |
第15話 | 悲劇の空爆ロボ・ビッキー | ハイビッキー |
第16話 | 日本全土を攻撃せよ | カイジュウ |
第17話 | 謎の飛行物体 | ベーゴマ |
第18話 | 果てしなき 大空の戦い | ギロチン |
第19話 | ゲンの命を救え | バギラス |
第20話 | さらば宇宙の友よ | ブラックパンサー |
第21話 | 秘密基地大爆破 | ダイバッカス |
第22話 | 奪われたグロイザーX | デスダーガン |
第23話 | ジョーとリタの命を狙え! | コロシヤ |
第24話 | マシーンW.A銃を防げ | コロシヤ |
第25話 | 恐怖の巨大戦車 | アポロン |
第26話 | 嵐を呼ぶ大空中戦 | ザンバラー |
第27話 | 大空に怒りをぶつけた涙の一撃 | ドカイザー |
第28話 | 恐怖!空飛ぶ鯨 | クジラ |
第29話 | 生きていたヤン博士 | にせグロイザーX |
第30話 | 死をよぶ電撃作戦 | ダイガー |
第31話 | 冷たく白い東京 | アザラシダー |
第32話 | 秘密前進基地をさぐれ | ドクロ |
第33話 | 茜基地に突入せよ! | ドクロ |
第34話 | リタよ! ジョーを撃て! | タートルガー |
第35話 | 総攻撃 ガイラー帝国 | デビルゴス、デーモン、サターン |
第36話 | 大空に平和の鐘が鳴る | ガイラーV、レッド、ブラック |
グロイザーX10
上記の通り、「真マジンガー」5話、6話に、機械獣の一種「爆弾獣」として登場した。
グールからの投下による、自己爆撃のみに特化された機械獣。そのため、格闘戦などは行えない。頭部を収納し、手足を折り畳んだ爆弾のような形状でグールから投下。空中で翼(両腕)を広げ、頭部と両足を伸ばして空爆ロボ形態に変形した。
自爆によって熱海の街ごとマジンガーZを消滅させることが目的だったが、落下途中にマジンガーZから発射された最大出力の光子力ビームを食らい、爆散した。
グロイザーX9、X11、X12
「真マジンガー」12話に登場した、グロイザーX10の兄弟機である爆弾獣。
サルードにとどめを刺すべく、ブロッケン伯爵がグールから投下。3体同時爆発を実行した。デザインはX10の没案3種を流用したもの。グールの機内で、人型で直立した状態から投下されている。
X9はX10に最も近いデザインで、両腕となっている翼に多くの爆弾を搭載している。
X11は翼の両腕の先端が、人間と同様に大きな五指のマニピュレーターになっており、平手にする事で翼端に。
X12は空爆ロボ形態ではなく、グロイザーロボ同様の人型。両腕も翼ではなく、グロイザーロボと同様のデザインになっている。ただし胴体部は卵のような丸い体型で、グロイザーロボとはプロポーションが異なる。
客演に関して
ナック社長の西野聖市によれば、「永井豪が当時『マジンガーZ』関連で、東映を相手に裁判をした事から、東映側が『今後一切、永井豪(ダイナミック)の作品をやらない』という姿勢を見せたため、ナックに持ちこまれた企画」との事。
一方、双葉社刊『永井豪TVアニメ大全』によれば、「発端はナックの独自企画だったものに、ナック側が企画の総纏めをダイナミック側に持ち掛けたもの」とされている。その裏付けとして、菊地忠昭の証言や、ダイナミックプロの名が企画書に登場したのが第2稿以後である点が示されている。
東映とのトラブルやマジンガーやゲッターロボなどの永井豪の他作品との共演機会がなく完全に独立していたためメディアへの露出は少なく、本放送後は殆ど顧みられなかった。現在まで、リメイクやスーパーロボット大戦シリーズなどへの登場例はない(真マジンガーのX10を除く)。
例外的に、2000年にダイナミック企画の創立25周年記念として制作された『ダイナミック スーパーロボット総進撃』には、新作画でゲスト出演している(同作には、同じナック製作の「サイコアーマー・ゴーバリアン」の主役ロボ・ゴーバリアンも共演している)。
無敵超人ザンボット3:民間人による防衛チーム繋がりで、此方は親族一同で地球を守る。
氷河戦士ガイスラッガー:敵が主人公達の基地を見つけるのが終盤というのが共通点だが、ガイスラッガーの方は遂に基地を見つけられず特攻と言う形で幕を閉じた。