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アストロガンガー
13
ナック・宣弘社制作のロボットアニメ。

概要

1972年10月から1973年3月にかけて、日本テレビ系列局(ただし一部系列局除く)に加えてフジテレビ系列局約2局で放送された。

国内におけるロボットアニメとしては『鉄人28号』に次いで2作目。さらに、あの『マジンガーZ』よりも2ヶ月早く、それも「初のカラー放送されたロボットアニメ」でもある。

それゆえ、ロボットアニメ史の中でそこそこ重要な作品に当たる。


現在では、第25話のワンシーンを切り抜いた走るガンガー、並びに止まらないオルガの元ネタとして一部の人にはお馴染みとなっている。


あらすじ

生物の住む惑星の酸素と緑を奪い、死滅させる宇宙の侵略者ブラスター星人の手によって数多くの惑星が滅ぼされた。

ブラスター星人に滅ぼされたカンタロス星の女性科学者マヤ博士は自身が開発した「生きている金属」を持って地球に亡命。地球人の星博士と結ばれ、カンタローと言う息子を授かった。

やがてブラスター星人の魔の手が地球に迫っていることを察知したマヤは、生きている金属を海底火山のエネルギーで成長させ、スーパーロボット・ガンガーを完成させた。しかし脱出する際に追った光線の後遺症によって、マヤは地球とカンタローの未来をたくし絶命した。


カンタロス星が滅びてから10年後、遂にブラスター星人は地球に狙いを定め数多くの怪事件を引き起こす。マヤの遺志を継いだ星博士は地球人にブラスター星人の侵略を警告するも、世間の理解を得ることは出来なかった。

成長したカンタローはガンガーと共に、ブラスター星人の侵略から地球を守るために戦い続ける。


登場人物

地球人とガンガー

星カンタロー(CV:東美江)

ガンガー(CV:飯塚昭三)

星博士(CV:吉沢久嘉)

マヤ(CV:鈴木弘子)

早川リエ(CV:小沢かおる)

早川次長(CV:大宮悌二)

国際科学警察部長(CV:緑川稔)


ブラスター星人

ブラスター1(CV:寺島幹夫)

ブラスター2(CV:鈴木泰明)

ブラスター3(CV:清川元夢)


バッドスノー(CV:渡部猛)

ブラックフェアリー(CV:京田尚子)

コルヒドラ(CV:加藤精三)

レンズマー(CV:丸山詠二)

ブラスターデビル(CV:小林清志)


キャラクターとしてのガンガー

出生・設定

身長40m、体重2t。

カンタローの母「カンタロス星人・マヤ」がブラスター星人の侵攻に対抗するため、カンタロス星で開発された「生きている金属」を戦闘形態へと成長させることで誕生した。

自らの意志を持ち自律行動も可能だが、カンタローが融合していないと真価を発揮できない(カンタロー自身がセーフティーロックになっているためで、暴走しないための抑止力ともいえる)。


カンタローの持つペンダントにより呼び出され飛来、カンタローを光と化し、胸部の円盤状のエンブレムの中へ吸い込み融合することで本来のパワーを引き出す。

融合した状態でもカンタローとガンガーの意思は双方とも健在し、会話も可能。一体となったあとの体のコントロールはガンガー側の意識が行う。


巨大ロボットというより巨大な金属塊の生命体ともいうべき存在であり、中身も機械的なものは一切なくエネルギーの渦がうごめいている状態(ブラスター星人がガンガーをスキャンした時に判明)。厳密に分類するなら『ウルトラマン』をはじめとする巨大ヒーローに近い。武器は一切有しておらず、その巨体と怪力、徒手空拳で戦う。

また、背中にあるエネルギージェットを噴射することで飛行が可能。宇宙空間を航行し、別惑星で活動する事すら可能。

弱点は錆と急低温。劇中でもこの点を突かれ、何度もピンチに陥った。特に低温は熱をエネルギーにしているガンガーにとって致命的な弱点となっていた。しかし生きている金属の特性により熱を帯びることで成長し、さらに攻撃への耐性を持つ事で、なんとか乗り切っている。

胸のエンブレムは分離して緊急時の飛行艇として使用でき、それを利用してリエやカンタローを保護している。


非戦闘時に関しては描写されていなかったので、普段はどこで何をしているかは不明。マグマの中で成長していたので、通常はその中にいるのかもしれない。


性格

自分の意思を有しているため、ブラスター星人や、ブラスター星人に雇われた助っ人などに対し、舌戦を挑む事も多い。しかも結構口が悪い


15話、「オーロラの秘密」にて、宇宙の魔女ブラックフェアリーと相対し、


ガンガー「そうか、お前は太陽の黒点の怪物だな!」

ブラックフェアリー「おや、レディに向かって怪物とは何だい、怪物とは!」

ガンガー「ハハハハ、うまく化けていても、お前の正体は醜い黒点の化物さ!」

ブラックフェアリー「おだまり!」

ガンガー「ほーらほらほら、正体を現しだした!(中略)お前なんか太陽からはじき出された嫌われ者じゃないか。もっとも、太陽の側になんか近づけるもんか」


16話「ブラスター宣戦布告」では、ブラスターの助っ人コルヒドラに対し、


コルヒドラ「ファハハハハ、ブラスターではない、ブラスターの助っ人だ」

ガンガー「(にやりと笑いつつ)ブラスターの助っ人をするなんて、お前もよっぽどおめでたい奴だな」

コルヒドラ「なに! 誇り高いコルヒドラをよくも侮辱したな!」


ただし、口が悪くなるのはブラスター星人とその協力者に対してのみであり、カンタローにはその限りではない。むしろカンタローに対しては常に優しく接しており、兄弟のような関係にある。

カンタローが及び腰の時には厳しく言い放ち、戦いに巻き込まれ落命した人間に対しては苦悩し葛藤するなど、人間同様に知性と感情を有した、まさに生きている存在なのだ。


ロボットアニメ史的な評価

概要でそこそこ重要な作品だと紹介したが、ロボットアニメの先駆者の1人(1作)として語られる機会はごくわずか。これにはガンガーのメカニズムと、純粋な見どころの無さが関わっている。


メカニズム

「キャラクターとしてのガンガー」で解説したとおり、本作は巨大ヒーローもののニュアンスで、逆に言えば主人公は融合して力を引き出すだけで直接操縦するわけではない。現代のアニメファンには『SSSS.GRIDMAN』のグリッドマンを例に出すと分かりやすいだろうか。

当時のロボットアニメといえば、やはり「人が乗りこんで操縦してなんぼ!」な風潮が圧倒的。同じロボでも意思が宿っており、合体や変形は非搭載、ましてや人が融合してても操縦はしないとなれば完全に別物扱いである。

80年代、90年代、00年代と時が経つにつれロボットアニメも多様になったが、本作を再評価する動きがあったかは定かではない。


純粋な見どころの無さ

70年代のヒーローものといえば、なにより必殺技・必殺武器がメインターゲットたる子供達に訴求するうえで欠かせない。それは数十年の時代が下った今日も変わらない。

一方ガンガーはといえば武器や技が肉弾戦のみ。マジンガーZのブレストファイヤーや、ウルトラマンのスペシウム光線といった絵的に映える要素を持ち合わせていなかった。このことがロボットアニメとしてはもちろん、ヒーローものとして地味な印象を与えてしまった。

そもそもロボットアニメ制作のノウハウも乏しい時代の産物なせいか、肝心の近接戦闘すら描写がわかりにくいのも痛手。例えば、パンチやキックの瞬間の描写がなかったり、敵とガンガーが接近して絵が切り替わると、いきなり敵が落ちていることも。


また、ロボットアニメはメカニズムだけでなく人間ドラマも重要である。

しかしガンガーは人間と同じように人格と意志を持ち、不自由なく会話もこなしたに関わらず、非戦闘時の描写が皆無であった。この設定をうまく活用できず、物語に厚みを持たせられなかったのも残念な点。

様々な欠点を抱え、設定を活かせぬまま終了した『アストロガンガー』だったが、その存在は下記に述べている『ゴールドライタン』をはじめとする人格を持つロボットと少年との邂逅ドラマを生み出すきっかけを作ったといえる。



余談

UFO戦士ダイアポロン』より先に合身を達成し、こちらこそ元祖合身なはずだが、一応触れておく程度なのもこういった事情がある。


初期稿では、カンタローが合身するのではなく、彼が操縦するヘリコプターが変形し、そのまま操縦席になる予定だったがスポンサーの横槍が入り、変身ヒーローテイストに変更せざるを得なかった経緯がある。

もしこれが採用されていればホバーパイルダーを先取りするかたちとなり、先駆者の箔がついたことは想像に難くない。


海外人気

韓国シリアなどでは日本を遥かに上回る人気を博しているらしく、最終回はシリア中の国民を大号泣させたという。『チャンガの宇宙戦争』というタイトルで放映した韓国ではマジンガーZと並ぶ人気アニメとして知られる。


また、2021年に中東の有志クリエイターの手で48年越しの続編が制作された。

  • 本編から約10年後
  • ブラスターの生き残り「ブラスター0」が古代文明の魔神を復活させて侵攻
  • 星博士は既に死去し、カンタローは青年に成長
  • 行方不明だったガンガーは生存が確認された
  • ガンガーは新たに光線を使う必殺技を実装

といった内容。やはり現代では肉弾戦オンリーでは流石に苦しかった様である。

そして、ガンガーの中でカンタローはコードと連結した生体ユニットとなる設定に変わった。まるでイクサーシリーズを連想する設定である。


関連イラスト

大半が走るガンガー、あるいは止まらないオルガなので、適宜マイナス検索を推奨。

マイナス検索結果

  • いたって普通のイラスト
  • 走るガンガーとそうでないもの両方含む

関連動画


関連タグ

ナック 70年代 ロボットアニメ 巨大ヒーロー 合身

走るガンガー 止まらないオルガ


関連・類似作品

魔神ガロン……手塚治虫原作のSF漫画で、本作の決定稿はガロンから影響を受けたのではと噂されている。なお、最終回の結末はガンガー以上のバッドエンドであった。


UFO戦士ダイアポロン……アストロガンガーの4年後に放送されたロボットとの融合繋がり。このダイアポロンで、人間とロボットとの融合・一体化は「合身」と命名された。


勇者指令ダグオン……アストロガンガーから24年後、ダイアポロンからピッタリ20年後に放送された人間とロボットとの融合・一体化の完成系。ロボットとの一体化は融合合体と命名された。


勇者エクスカイザー……少年とロボットとの邂逅という意味で共通。少年(コウタ)とロボット生命体(エクスカイザー)がともに戦い、ともに考える姿はアストロガンガーを彷彿させる。ちなみにガンガーの中の人は本作では敵の大ボスを演じていた。


黄金戦士ゴールドライタン……上記のエクスカイザーより10年近く前に少年とロボットとの邂逅を演出。ガンガーと異なり、ゴールドライタン自身が縮小することで身近な存在感を描いた。友として少年と対話するシーンが毎回のように描かれたのも利点で、ガンガーで活かせなかった設定を改めて活かすことに成功している。


ヤマトタケル……生きている金属を用いて誕生したロボット生命体と主人公の少年との邂逅、主人公が乗り込むことで真価を発揮できると言う点が共通だが、ロボットの生みの親が敵側の組織という点が異なる。


太陽の牙ダグラム / ゲッターロボ號……本作と同じく、ヘリをコックピットにする企画がボツとなったロボットアニメ。

概要

1972年10月から1973年3月にかけて、日本テレビ系列局(ただし一部系列局除く)に加えてフジテレビ系列局約2局で放送された。

国内におけるロボットアニメとしては『鉄人28号』に次いで2作目。さらに、あの『マジンガーZ』よりも2ヶ月早く、それも「初のカラー放送されたロボットアニメ」でもある。

それゆえ、ロボットアニメ史の中でそこそこ重要な作品に当たる。


現在では、第25話のワンシーンを切り抜いた走るガンガー、並びに止まらないオルガの元ネタとして一部の人にはお馴染みとなっている。


あらすじ

生物の住む惑星の酸素と緑を奪い、死滅させる宇宙の侵略者ブラスター星人の手によって数多くの惑星が滅ぼされた。

ブラスター星人に滅ぼされたカンタロス星の女性科学者マヤ博士は自身が開発した「生きている金属」を持って地球に亡命。地球人の星博士と結ばれ、カンタローと言う息子を授かった。

やがてブラスター星人の魔の手が地球に迫っていることを察知したマヤは、生きている金属を海底火山のエネルギーで成長させ、スーパーロボット・ガンガーを完成させた。しかし脱出する際に追った光線の後遺症によって、マヤは地球とカンタローの未来をたくし絶命した。


カンタロス星が滅びてから10年後、遂にブラスター星人は地球に狙いを定め数多くの怪事件を引き起こす。マヤの遺志を継いだ星博士は地球人にブラスター星人の侵略を警告するも、世間の理解を得ることは出来なかった。

成長したカンタローはガンガーと共に、ブラスター星人の侵略から地球を守るために戦い続ける。


登場人物

地球人とガンガー

星カンタロー(CV:東美江)

ガンガー(CV:飯塚昭三)

星博士(CV:吉沢久嘉)

マヤ(CV:鈴木弘子)

早川リエ(CV:小沢かおる)

早川次長(CV:大宮悌二)

国際科学警察部長(CV:緑川稔)


ブラスター星人

ブラスター1(CV:寺島幹夫)

ブラスター2(CV:鈴木泰明)

ブラスター3(CV:清川元夢)


バッドスノー(CV:渡部猛)

ブラックフェアリー(CV:京田尚子)

コルヒドラ(CV:加藤精三)

レンズマー(CV:丸山詠二)

ブラスターデビル(CV:小林清志)


キャラクターとしてのガンガー

出生・設定

身長40m、体重2t。

カンタローの母「カンタロス星人・マヤ」がブラスター星人の侵攻に対抗するため、カンタロス星で開発された「生きている金属」を戦闘形態へと成長させることで誕生した。

自らの意志を持ち自律行動も可能だが、カンタローが融合していないと真価を発揮できない(カンタロー自身がセーフティーロックになっているためで、暴走しないための抑止力ともいえる)。


カンタローの持つペンダントにより呼び出され飛来、カンタローを光と化し、胸部の円盤状のエンブレムの中へ吸い込み融合することで本来のパワーを引き出す。

融合した状態でもカンタローとガンガーの意思は双方とも健在し、会話も可能。一体となったあとの体のコントロールはガンガー側の意識が行う。


巨大ロボットというより巨大な金属塊の生命体ともいうべき存在であり、中身も機械的なものは一切なくエネルギーの渦がうごめいている状態(ブラスター星人がガンガーをスキャンした時に判明)。厳密に分類するなら『ウルトラマン』をはじめとする巨大ヒーローに近い。武器は一切有しておらず、その巨体と怪力、徒手空拳で戦う。

また、背中にあるエネルギージェットを噴射することで飛行が可能。宇宙空間を航行し、別惑星で活動する事すら可能。

弱点は錆と急低温。劇中でもこの点を突かれ、何度もピンチに陥った。特に低温は熱をエネルギーにしているガンガーにとって致命的な弱点となっていた。しかし生きている金属の特性により熱を帯びることで成長し、さらに攻撃への耐性を持つ事で、なんとか乗り切っている。

胸のエンブレムは分離して緊急時の飛行艇として使用でき、それを利用してリエやカンタローを保護している。


非戦闘時に関しては描写されていなかったので、普段はどこで何をしているかは不明。マグマの中で成長していたので、通常はその中にいるのかもしれない。


性格

自分の意思を有しているため、ブラスター星人や、ブラスター星人に雇われた助っ人などに対し、舌戦を挑む事も多い。しかも結構口が悪い


15話、「オーロラの秘密」にて、宇宙の魔女ブラックフェアリーと相対し、


ガンガー「そうか、お前は太陽の黒点の怪物だな!」

ブラックフェアリー「おや、レディに向かって怪物とは何だい、怪物とは!」

ガンガー「ハハハハ、うまく化けていても、お前の正体は醜い黒点の化物さ!」

ブラックフェアリー「おだまり!」

ガンガー「ほーらほらほら、正体を現しだした!(中略)お前なんか太陽からはじき出された嫌われ者じゃないか。もっとも、太陽の側になんか近づけるもんか」


16話「ブラスター宣戦布告」では、ブラスターの助っ人コルヒドラに対し、


コルヒドラ「ファハハハハ、ブラスターではない、ブラスターの助っ人だ」

ガンガー「(にやりと笑いつつ)ブラスターの助っ人をするなんて、お前もよっぽどおめでたい奴だな」

コルヒドラ「なに! 誇り高いコルヒドラをよくも侮辱したな!」


ただし、口が悪くなるのはブラスター星人とその協力者に対してのみであり、カンタローにはその限りではない。むしろカンタローに対しては常に優しく接しており、兄弟のような関係にある。

カンタローが及び腰の時には厳しく言い放ち、戦いに巻き込まれ落命した人間に対しては苦悩し葛藤するなど、人間同様に知性と感情を有した、まさに生きている存在なのだ。


ロボットアニメ史的な評価

概要でそこそこ重要な作品だと紹介したが、ロボットアニメの先駆者の1人(1作)として語られる機会はごくわずか。これにはガンガーのメカニズムと、純粋な見どころの無さが関わっている。


メカニズム

「キャラクターとしてのガンガー」で解説したとおり、本作は巨大ヒーローもののニュアンスで、逆に言えば主人公は融合して力を引き出すだけで直接操縦するわけではない。現代のアニメファンには『SSSS.GRIDMAN』のグリッドマンを例に出すと分かりやすいだろうか。

当時のロボットアニメといえば、やはり「人が乗りこんで操縦してなんぼ!」な風潮が圧倒的。同じロボでも意思が宿っており、合体や変形は非搭載、ましてや人が融合してても操縦はしないとなれば完全に別物扱いである。

80年代、90年代、00年代と時が経つにつれロボットアニメも多様になったが、本作を再評価する動きがあったかは定かではない。


純粋な見どころの無さ

70年代のヒーローものといえば、なにより必殺技・必殺武器がメインターゲットたる子供達に訴求するうえで欠かせない。それは数十年の時代が下った今日も変わらない。

一方ガンガーはといえば武器や技が肉弾戦のみ。マジンガーZのブレストファイヤーや、ウルトラマンのスペシウム光線といった絵的に映える要素を持ち合わせていなかった。このことがロボットアニメとしてはもちろん、ヒーローものとして地味な印象を与えてしまった。

そもそもロボットアニメ制作のノウハウも乏しい時代の産物なせいか、肝心の近接戦闘すら描写がわかりにくいのも痛手。例えば、パンチやキックの瞬間の描写がなかったり、敵とガンガーが接近して絵が切り替わると、いきなり敵が落ちていることも。


また、ロボットアニメはメカニズムだけでなく人間ドラマも重要である。

しかしガンガーは人間と同じように人格と意志を持ち、不自由なく会話もこなしたに関わらず、非戦闘時の描写が皆無であった。この設定をうまく活用できず、物語に厚みを持たせられなかったのも残念な点。

様々な欠点を抱え、設定を活かせぬまま終了した『アストロガンガー』だったが、その存在は下記に述べている『ゴールドライタン』をはじめとする人格を持つロボットと少年との邂逅ドラマを生み出すきっかけを作ったといえる。



余談

UFO戦士ダイアポロン』より先に合身を達成し、こちらこそ元祖合身なはずだが、一応触れておく程度なのもこういった事情がある。


初期稿では、カンタローが合身するのではなく、彼が操縦するヘリコプターが変形し、そのまま操縦席になる予定だったがスポンサーの横槍が入り、変身ヒーローテイストに変更せざるを得なかった経緯がある。

もしこれが採用されていればホバーパイルダーを先取りするかたちとなり、先駆者の箔がついたことは想像に難くない。


海外人気

韓国シリアなどでは日本を遥かに上回る人気を博しているらしく、最終回はシリア中の国民を大号泣させたという。『チャンガの宇宙戦争』というタイトルで放映した韓国ではマジンガーZと並ぶ人気アニメとして知られる。


また、2021年に中東の有志クリエイターの手で48年越しの続編が制作された。

  • 本編から約10年後
  • ブラスターの生き残り「ブラスター0」が古代文明の魔神を復活させて侵攻
  • 星博士は既に死去し、カンタローは青年に成長
  • 行方不明だったガンガーは生存が確認された
  • ガンガーは新たに光線を使う必殺技を実装

といった内容。やはり現代では肉弾戦オンリーでは流石に苦しかった様である。

そして、ガンガーの中でカンタローはコードと連結した生体ユニットとなる設定に変わった。まるでイクサーシリーズを連想する設定である。


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関連タグ

ナック 70年代 ロボットアニメ 巨大ヒーロー 合身

走るガンガー 止まらないオルガ


関連・類似作品

魔神ガロン……手塚治虫原作のSF漫画で、本作の決定稿はガロンから影響を受けたのではと噂されている。なお、最終回の結末はガンガー以上のバッドエンドであった。


UFO戦士ダイアポロン……アストロガンガーの4年後に放送されたロボットとの融合繋がり。このダイアポロンで、人間とロボットとの融合・一体化は「合身」と命名された。


勇者指令ダグオン……アストロガンガーから24年後、ダイアポロンからピッタリ20年後に放送された人間とロボットとの融合・一体化の完成系。ロボットとの一体化は融合合体と命名された。


勇者エクスカイザー……少年とロボットとの邂逅という意味で共通。少年(コウタ)とロボット生命体(エクスカイザー)がともに戦い、ともに考える姿はアストロガンガーを彷彿させる。ちなみにガンガーの中の人は本作では敵の大ボスを演じていた。


黄金戦士ゴールドライタン……上記のエクスカイザーより10年近く前に少年とロボットとの邂逅を演出。ガンガーと異なり、ゴールドライタン自身が縮小することで身近な存在感を描いた。友として少年と対話するシーンが毎回のように描かれたのも利点で、ガンガーで活かせなかった設定を改めて活かすことに成功している。


ヤマトタケル……生きている金属を用いて誕生したロボット生命体と主人公の少年との邂逅、主人公が乗り込むことで真価を発揮できると言う点が共通だが、ロボットの生みの親が敵側の組織という点が異なる。


太陽の牙ダグラム / ゲッターロボ號……本作と同じく、ヘリをコックピットにする企画がボツとなったロボットアニメ。

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