概要
マジンガーZのコックピットを兼ねる、赤一色の小型VTOL機。コックピットを兼ねた戦闘機兼脱出ユニットの元祖。
両翼の端にダクテッドファン形式のローターが付いた形状であり、最高速度は320㎞/h、最大上昇高度は9000m。
全長3・1m、翼長5・8m、全高1・4m。1人乗りのマイクロカーくらいの大きさで、重量は320㎏。後述の武装を備えるほか、一度しか使われなかった装備として、救命ボートや煙幕、赤外線サーチライトを備えている。
操縦席はオートバイマニアの兜甲児に合わせて、バイクに似た仕上がりになっている。元より十蔵はパイルダーの操縦を念頭に置いており、その操縦に慣れさせるために甲児に何台ものバイクを買い与えていた。何と漫画版では、緊急時に小学生の兜シローが操縦した事もある。
航空機にも拘らずシートベルトが無いのはこの為で、アニメ版ではコックピット内壁に激突して何度も出血している。
操縦する度に死にかけては元も子もないという事で光子力研究所でパイロットスーツが作られることになった。兜博士…。
マジンガーZの頭部にパイルダーオンする際には両翼が折りたたまれて垂直に持ち上がり、そのままガッシャンとマジンガーZにドッキングすることで、マジンガーZが操縦できるようになる。しかし、当然ながらマジンガーZを操縦するのはパイルダーの比ではない程に難しく、アニメ版第1話では危うくシローを踏み潰しかけている他、漫画版第1話でも甲児は扱い切れず町を滅茶苦茶に破壊してしまい自衛隊とアフロダイAからテロリストと勘違いされて追い回されている。
漫画版ではDr.ヘルとの最終決戦まで戦い続けたが、アニメでは第68話で破壊されてしまい、ジェットパイルダーにその座を譲ることとなる。
TV版の後日談となる「劇場版マジンガーZ/INFINITY」では復元されたようで、再びホバーパイルダーが戦場に舞い戻った。ジェットパイルダーは背景に、部品が抜かれ、半分解体された状態で置かれているのが見える。
こちらが選ばれたのは、
- 「ジェットパイルダーは法的に戦闘機になってしまうので、運用に問題がある」…ただ同作だとそもそもZの運用自体無許可なので、無理があるが。
- 「リサを同乗させるスペースが無い」
という設定なのだが、実はホバーパイルダーのCGが先に出来上がっていたという事情でジェットパイルダーを出せず、そのため無理やり背景に入れたというのが真相らしい…。
メタ的には超合金魂の設計が先、という説も。
白いパイルダー
今でこそ「パイルダーといえば赤」という事がファンの常識だが、漫画版連載当時は白かった。
これは後のOVA「マジンカイザー」で再現されている。
破壊されることはなかったが、拘束されたマジンガーZから強引に引きはがされ、甲児もろとも投げ捨てられてしまった。その後、自動操縦でマジンカイザーの眠る秘密の格納庫に飛んでいった。以降は甲児がマジンカイザーに乗るようになったため、登場しない。
なお、「パイルダー」という名称は造語であり、「パイロット」から取られている。
武装
パイルダーミサイル
機体下部に内蔵された小型ミサイル。
アニメ版ではメガロンP3を撃墜、漫画版ではマリオN7を撃墜している。
パイルダーレーザー
正面に搭載された小型レーザー砲。第41話以降使用。
威力は低いため、機械獣には決定打とはならず、主に牽制目的で使用。
原案
元々永井豪は「バイクが巨大ロボットの操縦席として合体する」と言うアイデアで推し進めていたが、これを東映側に見せた所、「あんたの師匠が描いたうちの看板とカブっとるじゃないか」と言われ、「なら飛行機でどうだ」ということでこれを思い付いたらしい。この辺の事情は自伝漫画「激マン!」に詳しい。
バイクが操縦席として合体するという案は後にダイアナンAに受け継がれている他、初期案だったアイアンZやエネルガーZも、リメイク作品やスピンオフなどでは、マジンガーZの試作機・同系列機扱いで日の目を見ている。
さて、某ヒーローと被っているというわけで飛行機に変更されちゃったパイルダーであるが、シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバースのヒーローたちが合体してロボットになるというとち狂った発想(褒め言葉)のロボ「シン・ユニバースロボ」にてその某ヒーローが(初期案の)パイルダーと同ポジに収まるという奇妙な現象が発生している。
関連項目
他作品におけるコックピットを兼ねるスーパーマシンの例
厳密に言えばちょっと違うもの(合体・収納されるのでコックピットは別)