概要
1996年にプレイステーションで発売されたスーパーロボット大戦シリーズの1作である。
1997年にPSでフリーバトル、カラオケモード、設定資料集、おまけマップなどが収録された「新スーパーロボット大戦スペシャルディスク」が発売された。
過去作から登場作品が大幅に変更され、シリーズとしては珍しく戦闘画面のロボットがリアル頭身で表示されるなど野心的な試みの作品だったが黒歴史扱い気味。
ただし今作が初出となったSRXチームだけはスーパーロボット大戦αシリーズならびにスーパーロボット大戦OGシリーズで大活躍している。
シナリオはウィンキーソフトの社長でもある高宮成光氏が担当したのだが、効果音を文字で表示したりキャラクターの扱いに粗が多く、残念ながら評判がよろしくない出来栄えになってしまっている。特に話題になるのは、『機動武闘伝Gガンダム』の東方不敗が遠い星から来た異星人という設定。プロデューサーの寺田貴信氏は阻止しようと開発中に大喧嘩になったらしいのだが、力及ばなかったとのこと。
本作より敵・味方すべてのパイロットに音声が付くようになった。後の作品では原作の担当声優が引退・故人などの事情のため、後任をキャスティングする場合があるが、本作では原作での担当声優が現役であるにもかかわらず代役を立てているキャラがいる。この点もあまり評判がよくなかったのか、次作の『スーパーロボット大戦F』では、ほぼ全てのキャラクターにオリジナルキャストを起用する方針がとられた。
あらすじ
人類が宇宙へ進出してから1世紀経った時代。公国と名乗ったコロニーが起こした独立戦争を被切りに地球連邦政府と宇宙コロニーの戦争は幾度無く起こり、更に地球の国々やコロニー間の勢力争いなども多発し、宇宙戦国時代が始まった。しかし地球と月、そして各コロニー群のそれぞれが独立国家としてお互いに干渉しないようにするルナ条約が締結される。この条約は将来的に世界を統治する地球圏統一連合の樹立を狙ってのものであった。こうして世界は平和の道を歩み始めたかに見えたが地球連邦政府は弱体化した地球連邦軍を地球防衛軍へと再編・増強し、更に宇宙コロニーでも独裁国家であるザンスカール帝国やネオ・ジオンが軍備を蓄え初め、世界は緊迫した状況へと陥る。
そんな中、謎の宇宙船がコロニーを破壊すると言う事件が発生する。それが新たなる戦い「スーパーロボット大戦」開戦の狼煙であった。
参戦作品
★マークはシリーズ初参戦作品。
☆マークは据え置き型ゲーム機初参戦作品。
真ゲッターロボ(原作漫画版)
その他
『新スーパーロボット大戦2』という続編が制作される予定だったが、諸事情により中止された(本作の攻略本でも「次回作に期待だ」と言った記述のパイロット・ユニットが多くいたことから続編を想定していたという噂は昔からあったが、近年になって寺田氏が当時の資料を公開した)。
配信番組の生スパロボチャンネルではプロデューサーを務めた寺田貴信氏が、当時の思い出を語ったり、シナリオにつっこみながら実況プレイする企画が行われている。
寺田氏は当初は「(Fと並行で行われていた作業量や上記したシナリオ関係のトラブル等から)この当時のことは思い出したくない」とすら語っていたが、現在はある程度軟化している。
- 特に物議を醸し出した「東方不敗は宇宙人」という設定については「1ヶ月ほどずっと反対していた」とのこと。現在では『T』でこの設定をネタにしている程度には受け入れている。
また没データが歴代スパロボの中でも非常に豊富であり、カラオケモードでだけ登場しているムゲ帝国やロボット帝国はパイロットも含めてデータ上は存在。
用途が不明ながらわざわざ原作に準拠したナレーションを収録した音声データといったものもある。
一方その没データの陰で、容量不足でリュウセイのカットインがお蔵入りになってしまった。
ウィンキー製スパロボは「バランスが大味」という評判だが、本作に関しては非常に良好に仕上がっており、意外な機体が最後まで使えるほど強くなることも。