概要
MARVELの作品に登場する架空の金属物質。「ヴィブラニウム」と表記されることも。
原産はブラックパンサーの本拠地である(同じく架空の)国「ワカンダ」と、南極にある島「サヴェッジランド」。
後者のものは近くの金属(ワカンダ産のビブラニウムを含む)を破壊する性質があり、「アンチメタル」とも呼ばれている。
また、コミックにおいては、地球外では産出されないか有っても極めてめずらしい存在らしく、スクラルによる地球への全面侵略を描いたクロスオーバー「シークレット・インベージョン」では、戦略物資としてのビブラニウムと、その産地であるサヴェッジランドが狙われるエピソードが有る。
劇中での用例
理論上破壊不可能という割にはどのようにやっているのか様々な形へと加工しやすく、様々な用途に利用することでき、作中でも様々なヒーローたちがこの物質のお世話になっている。
例を挙げると、
などがある。
ちなみに原作コミックのキャプテンアメリカのシールドはビブラニウム製ではない。
ビブラニウムと鋼鉄の合金で純ビブラニウムの数段上の強度を誇り、理論上破壊不可能とされる。
が、未来世界から来たウルトロンなどにより何度か破壊されたことはあり、盾を破壊できるほどの強大なヴィランとの戦いであると強調される演出になっている。
MCU
アイアンマン2
トニー・スタークが父:ハワード・スタークの残した原子図を元に粒子加速器を使ってその辺の金属をベルギーワッフルにして作ることに成功している(ちなみに完成した新リアクターの味はメタル&ココナッツ)。
だが、後に「バッドアシウム」という架空の元素に変更された(そもそも『ビブラニウム』という名称が出ていない)。
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
第二次大戦中、ハワードからスティーブ・ロジャースにビブラニウムのシールドが譲られた。
材料をどこからどうやって調達したかは語られなかったが、ビブラニウムがレアメタルであること、シールドにつぎ込んだ分で所有するすべてのビブラニウムを消費してしまったと言われる。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
ブラックパンサーの故郷であるアフリカ南部のワカンダ王国で産出される希少金属と、明確に語られる。
最強のボディを求めるウルトロンが、ビブラニウムの密輸業者ユリシーズ・クロウに接触。
電子データを改ざんして彼に多額の報酬を払い、彼が所有するビブラニウムを買い取った。
そして韓国のヘレン・チョ博士を脅して理想のボディを作らせるも、ワンダ・マキシモフに反乱されて失敗。
ボディにはトニーとJ.A.R.V.I.S.、そしてソーの干渉により、ヴィジョンの精神が宿ることとなった。
もう一つ、小国ソコヴィアの大地を浮かばせ、落とすための装置の材料として、大量のビブラニウムが使われた。
ソコヴィアの大地を隕石代わりにして人類を滅ぼすというとんでもない作戦の中核となったが、アベンジャーズの活躍により何とか作戦は阻止された。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
そのスーツがビブラニウムであるブラックパンサーと、キャプテン・アメリカのシールドが激突。
数々の戦いで無傷だったシールドだが、同じ素材でできたブラックパンサーの爪だけは例外であり、三本線の傷をつけられてしまった。
ブラックパンサー
遥か昔にこの地に衝突した隕石によってもたらされたもので、今なお王国の地下には大量のビブラニウムが埋蔵されていると言われている(劇中では、ユリシーズ・クロウが「ワカンダの連中が採掘した量など、掠り傷を付けた程度に過ぎないだろう」と発言している)。
上記のように加工のしやすさに加え、莫大なエネルギーを生み出す優れた資源であったことから、ワカンダ王国は科学技術がめきめきと向上し、現在ではアフリカ……は元より、世界でもトップクラスの生活水準を誇る豊かな国となっている(実際、劇中ではワカンダの都市部には中心部に超高層ビルが立ち並び、高速で走るモノレールやリニアモーターカー、さらにはビブラニウムから得られるエネルギーで飛行する飛行機が飛び交うという、未来都市をそのまま絵に描いたような光景が広がっていた)。
しかし、このビブラニウムは一歩間違えれば恐ろしい兵器を生み出す可能性も秘めた物質でもあり、そのことを危惧した王国は、他国との接触を徹底的に避け、さらには世界中にスパイを送り込んで国際情勢を逐一監視させるという、一種の鎖国体制を取り続けていた。
さらには、国の周辺も特殊な装置を使ってジャングルにカモフラージュさせていたため、これ程の超文明を誇る国でありながら、他国にはその実態が一切知られておらず、国際社会では「アフリカの南部にある小さな農業国で、世界の最貧国の1つ」という程度の認識しか得られていなかった。
新たなアイテムとして、アイアンマンMk.50のように粒子状となってネックレスに収納できるブラックパンサースーツ、通信機能、粒子状となって相手の姿や任意のグラフィックを映し出す機能、傷に埋め込んで治癒する、任意の機械(劇中では自動車)に取りついて遠隔操作するなど万能の活躍を見せるキモヨ・ビーズなどが登場した。
ポストクレジットシーンにおいて、『シビル・ウォー』で義手を失ったウィンター・ソルジャーに、ビブラニウム製の義手が与えられた。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
終盤の舞台の一つがワカンダということもあり、大量のビブラニウム製の武器が登場する。
『シビル・ウォー』でシールドを失ったキャップにも、ティ・チャラの計らいで、新たなビブラニウム製の盾が与えられた。
尚、この盾は次作『エンドゲーム』では手放してしまった模様。
アベンジャーズ/エンドゲーム
2023年、傷を修復されたシールドがトニーからスティーブへ返還される。
そして、過去から来たサノスとの戦いの中、サノスの剣によって半壊させられてしまった。
ラストシーンにて、過去にタイムスリップし、そのまま過去にとどまったがために現代にいたって老人となったスティーブは、無事な状態のシールドを持って現れた。
シールドは彼からサム・ウィルソンに受け継がれ、彼が新たなキャプテン・アメリカとなった。
ファルコン&ウィンター・ソルジャー
盾を持つ責任の重さに耐えられなくなったサムによって、盾はスミソニアン博物館に寄贈されるも、アメリカ政府に接収され、ジョン・ウォーカーの装備となる。
しかしジョンが凶行に走ったどさくさで、盾は再びサムの武器となる。
更に、盾を手にしたことで正式にキャプテン・アメリカになることを受け入れたサムに対して、ワカンダから、ビブラニウム製の新たなキャプテン・アメリカのスーツが贈られる。
デザインはキャプテン・アメリカとファルコンを融合させたようなデザインで、コミック版のファルコンにも通じるカラーリング。
自慢の翼はビブラニウム製になったことで、墜落するヘリコプターから身を守ることさえ可能となった。
ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
ワカンダでティ・チャラ国王が死去したことに乗じて、強力なエネルギーを秘めているビブラニウムを各国から狙われるようになってしまい、それが大きな国際問題へと発展していた。
また、本作においてビブラニウムは地球上にワカンダ以外の場所にも存在していることが初めて明らかとなり(劇中では、ワカンダ以外の場所にもビブラニウムを含んだ隕石が落下していたためではないかと推察されている)、海底人の国家であるタロカン帝国がビブラニウムを利用して高度な文明都市を築いている様子が描かれている。一方で、タロカンの利用しているビブラニウムをアメリカが掘削しようとしたために、これに怒ったタロカンが地上文明(特に隣接していたワカンダ)に攻撃を仕掛ける要因ともなってしまった。
関連タグ
"Vibranium" のカナ表記としては『ヴィブラニウム』もあるが、2019年4月時点でのタグ用例は『ビブラニウム』も『ヴィブラニウム』もごく少数に留まる。