2019年 アベンジャーズ が終わる―
概要
『アベンジャーズ』シリーズの第4作。2019年4月26日に日米同時公開された。
MCUの映画22作目にして、当初から始まるインフィニティ・ストーンを巡る物語「インフィニティ・サーガ」の結着について描かれるとともに、これまでアベンジャーズを牽引してきたヒーロー達の1つの区切りとなる作品。
製作側からは「これからのアベンジャーズは未知の領域に入る」と言われており、以降はいわば新世代のヒーローの話になる。
ストーリー
時系列は『アントマン&ワスプ』及びシリーズ前作『インフィニティ・ウォー』直後。
※以下、前作を含めたネタバレを含みます。閲覧注意。
『インフィニティ・ウォー』の戦いでアベンジャーズはサノスを止める事が叶わず、インフィニティ・ガントレットによって全宇宙の生命の半数が消滅する。アベンジャーズのヒーローも例外ではなく、その半数が消滅した。
タイタンでの戦い後、宇宙を漂流していたトニー・スターク / アイアンマンとネビュラはキャロル・ダンバース / キャプテン・マーベルに救助され地球へと帰還したが、『シビル・ウォー』の遺恨を引きずるトニーはスティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカにきつく当たり、衰弱していた所為で倒れてしまう。
トニーを除くヒーロー達は辺境の惑星でひっそりと農園を営むサノスを発見、インフィニティ・ストーンを奪還し消された生命の復活を狙うが、目的を果たしたサノスは結果を覆らせない為にストーンをそれ自体の力で消滅させていた。
ソーはやり場の無い怒りに任せ、サノスの首を切り落とすが、消えた人々が戻ることはなかった。
メンバーたちは何とか人々を甦らせる方法を模索するが、成果が得られないまま5年もの歳月が経過、ヒーローたちにも諦めのムードが漂い始め、それぞれの傷を抱えたまま敗戦後の世界を生きていた。
しかし『アントマン&ワスプ』のミッドクレジットシーンで描かれた事故にて量子世界に閉じ込められていたスコット・ラング / アントマンが帰還したことで事態は一転する。
ピム粒子を利用してタイムマシンを作り出せるかもしれないというスコットのアイデアはトニーの技術によって現実のものとなり、残ったメンバーは再集結しストーンが存在していた時代へとそれぞれ飛ぶが、そこで大きな代償を払ってしまう。
それでも、再び6つのインフィニティ・ストーンを集めたアベンジャーズは、トニー、ブルース・バナー / ハルク、ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーの唯一の生き残りロケット・ラクーンの技術によって、インフィニティ・ガントレットに代わる新たな「ナノ・ガントレット」を作成、遂に消滅した全宇宙の半分の生命を復活させることに成功する。
しかし、そこへ滅びた筈のサノスの軍勢が襲来する。
それは2014年の過去の歴史から分岐した同位体だった。現在のネビュラを捕え、その記憶から計画失敗の未来を知ったサノスは、邪魔者を排除しなければ自身の計画の成就は無い事を悟り、集まったストーンを強奪し、アベンジャーズとその世界を破壊しにやって来たのだ。
サノスに対峙するビッグ3であるが、サノスの力に返り討ちに合ってしまう。さらにサノスは自身の軍団を呼び寄せ、追い詰められたアベンジャーズ。
傷つきながらも立ち向かおうとするスティーブだが、彼の元に通信が届く。同時に開いたスリングリングの無数のゲートから、ブラックパンサーやDr.ストレンジ、スパイダーマンなど復活したヒーロー達、ワカンダやニューアスガルド、ラヴェジャーズなど多くの者たちが加勢に現れた。
かくして、宇宙中から結集したヒーロー達。スティーブの「アベンジャーズ・アッセンブル!」の号令と共に、アベンジャーズとサノスの軍勢との真の最終決戦の幕が開く。
キャラクター
- トニー・スターク / アイアンマン
- スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ
- ソー
- ブルース・バナー / ハルク
- ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ
- ジェームズ・ローズ / ウォーマシン
- ロケット
- ネビュラ
※ネームドキャラだけで約60名が登場する。
反響など
公開されるや否や『インフィニティ・ウォー』を上回る勢いの記録的ヒットを記録。『スター・ウォーズ フォースの覚醒』や『TITANIC』はおろか、前人未到と言われた『アバター』の累計興行収入をも抜き去り、見事に世界累計興収歴代1位にまで上り詰めた(現在は2位)。
『インフィニティ・ウォー』と合わせて、足掛け10年にも渡って続いたインフィニティ・ストーンとの関係が強い過去作を振り返る内容であり、ユニバース作品の真骨頂とも言える超大作となっている。
また数々の冒険と戦いを繰り返したことで、多くのヒーローが精神的に大きく成長している姿が描かれており、特にアベンジャーズの初期メンバーである6人については、ファンなら感涙必至である。
そしてそのうちの2人である二大看板キャラクターとなっていたアイアンマンとキャプテン・アメリカが同時に卒業したことも、大きな衝撃を与えた。
一方、過去作との繋がりの多さなどから、この作品だけを見た人間は何が何だか分からない、"一見さんお断り"的な作品でもある。
余談
上述の通り一度は世界累計興収歴代1位となったが、2021年に『アバター』が中国で再上映された結果、現在は2位に付けている。
スティーブがナターシャとの会話で述べた「ハドソン川に戻ってきたクジラ」は、本作が公開される数年前から実際に確認されてきた現象であり、今ではニューヨークでホエールウォッチングが可能となっている。
作中の5年間でソーがデブになったことで、部下にして友人だったヴォルスタッグを思わせる姿になったが、コミックでは彼が一時的にソーの力を得た事が有る。
なおその源となったムジョルニアは、MCU版ストームブレイカーの外見の元ネタの1つであるアルティメッツ版のものだったりする。
出演者について
撮影中には徹底したネタバレ対策が敷かれており、ダミーのシーンを撮影したりどこのシーンなのかほとんどの演者に知らせていなかった(「お漏らし」癖のあるマーク・ラファロやトム・ホランドは特に徹底されていたとか)。
ストーリーの全てを知るキャストは二大看板を演じてきたロバート・ダウニー・Jrとクリス・エヴァンスの2人のみだったという。
また本作は、複数人の遺作という側面もある。
いくつものMARVELヒーローを生み、MCUを含めた映画に何度もカメオ出演してきたが、公開半年前に死去。
- チャドウィック・ボーズマン(ティ・チャラ / ブラックパンサー役)
厳密には生前に収録を済ませていたアニメ『ホワット・イフ...?』が遺作。
公開翌年に死去し、製作陣は彼に敬意を表して代役を立てず、作中でも本作からしばらくして病死したことになった。
- 藤原啓治(トニー・スタークの吹き替え)
MCU第1作『アイアンマン』から担当していたが、同じく公開翌年に死去。
ただ前述の通り本作でトニーも退場しており、現状唯一の登場作である『ホワット・イフ...?』では、他作品でも氏の持ち役をいくつか引き継いだ森川智之が担当した。
ちなみに同作の原語版も、ダウニー・Jr.ではなく声優のミック・ウィンガートが演じている。
関連タグ
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キャプテン・マーベル | 公開順 | スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム |
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー | シリーズ | アベンジャーズ/ドゥームズデイ |
| 時系列 |
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※『ブラック・ウィドウ』など、アニメ作品含め全てではない。
『インフィニティ・ウォー』と『ブラックパンサー』、本作と『キャプテン・マーベル』は同時並行で撮影・製作が行なわれており、まだ完全にキャラが固まっていない登場人物に重要な役割を担わせるという、結構な暴挙が行なわれていた事になる。