2019年公開のアニメ映画はスパイダーマン:スパイダーバースを参照。
概要
MARVEL COMICS(マーヴェルコミック)発祥のアメコミ「アメイジング・スパイダーマン」の一大イベント。平行世界のスパイダーマンが全員集合して天敵「インヘリターズ」に立ち向かう。
出てくるスパイダーマンは本家や未来、過去のスパイダーマンやイギリス、インドそして日本のスパイダーマン、更にブタやクモザル、馬や生きたバギー「スパイダー・モービル」のスパイダーマンなど、その数なんと86名(シリーズ全体では100名以上)!
- しかも、版権の関係で登場させられなかっただけで本来はもっと多くのメンバーが登場する予定だった。例:イタリアのスパイダーマンは版権の所有者が不明である。
日本語翻訳版はヴィレッジブックスから2016年5月30日に、その前日譚の「エッジ・オブ・スパイダーバース」は6月30日に、メインエピソードと同時進行の時系列を描いた「ワールド・オブ・スパイダーバース」は7月30日に発売された。
2018年12月にアニメ映画「スパイダーマン:スパイダーバース」が公開された。
そして、原作コミックの続編が決定した。タイトルは『SPIDER-GEDDON』スパイダーギデオン。
ちなみに、村田雄介が担当した日本版のカバーイラストは3冊繋げて一つの絵になる。
あらすじ
蜘蛛の眷属=スパイダーマンを捕食する「インヘリターズ」が平行世界のスパイダーマン狩りを開始した。次々にスパイダーマンを倒していくインヘリターズに対抗するため平行世界のスパイダーメンが大集結!
スパイダーアーミー
詳細不詳のスパイダーメンが不特定多数いるため、ここでは主だった人物のみに限る。
本イベントで初登場したスパイダーメンも数多く、中にはそのまま新シリーズを始められそうな設定の者もいる。
だが、他のスパイダーに合流できなかったスパイダーの多くは、戦列に加わることすらなく散って行ってしまった…。
スパイダーマン(アース-616)
コミックの基本世界であるアース-616のスパイダーマン。以前に、インヘリターズの一人モーランを2度倒したことがある事から「選ばれし者」としてスパイダーメン(スパイダーフレンズ)のリーダーとなる。
シルク(アース-616)
スパイダーマンのパートナーで、本作のヒロインの一人。本名:シンディー・ムーン。
ピーターを噛んだのと同じクモに噛まれたことから、彼と同じ能力を得た。そのため互いの発するフェロモンに惹かれあっている。
インヘリターズからは「ブライド(花嫁)」と呼ばれて狙われている。
スパイダーウーマン(アース-616)
アベンジャーズの同僚で女性版スパイダーマン。本名:ジェシカ・ドリュー。
中盤でインヘリターズの本拠地である「ルームワールド」(アース-001)に単独潜入する。
スパイダーガール(アース-616)
スパイダーウーマンの妹分。本名:アーニャ・コラソン。
白黒のコスチュームを着た金髪ポニーテールの女の子。物語のラストである決断をする。
スパイダーマン2099(アース-928)
アース-616と地続きの未来世界アース-928のスパイダーマン。本名:ミゲル・オハラ。
物語開始時点では、現代のアース-616で未来世界に戻る手段を探している最中であった。インヘリターズの謎を解くため一度2099年に帰還、同行者のレディ・スパイダー(スチームパンク世界のスパイダー)と共にあるものの修理と強化改造も行った。
スパイダーUK(アース-833)
イギリスのスパイダーマン。本名:ビリー・ブラドック。
スパイダーマンであると同時にアース-833におけるキャプテン・ブリテンであり、平行世界のキャプテン・ブリテン達が集うキャプテン・ブリテン・コァの一員。コァの指導者レディ・ローマに与えられた護符の力で次元移動が可能であり、インヘリターズに対抗するために各世界のスパイダーマンを集めていた。ピーターが留守にしている間に代理でスパイダーマンたちの指揮をする。
スパイダーガール(アース-982)
平行世界のピーターとメリージェーンの間に生まれた女の子。本名:メイ・"メイデイ”・パーカー。
父を殺害され、母とボーイフレンドも手に掛けられた事からインヘリターズを激しく憎んでいる。同じく父からスパイダーマンの力を受け継いだベンジー(ベンジャミン・パーカー)という赤ん坊の弟がいるが、インヘリターズからは「サイオン(嫡子)」と呼ばれて狙われている。
スパイダーハム(アース-25)
喋るブタが住む世界のスパイダーマン。本名:ピーター・ポーカー。
スパイダーハムといえば「放射能ブタに噛まれたクモ」ことアース-8311のハムが有名であるが、それとはまた別の世界、アース-25のハムである。ハードボイルドな性格で、小柄な体格を活かして最終決戦時に逆転のカギとなる。
オールドマン・スパイダー(アース-4)
平行世界のスパイダーマン。本名:エゼキエル・シムス。
アース-616のエゼキエルはかつてピーターにインヘリターズの一人モーランのことを教えた人物であるが、それとは別世界のエゼキエルである。今回の事件について全ての謎を知っていたが、インヘリターズに倒された。
スカーレット・スパイダー(アース-616)
スパイダーマンのクローン。本名:ケイン・パーカー。
洗脳され長年ヴィランとして活動していたが、近年の事件で洗脳が解けピーターと和解。
ニューヨークを離れ、2代目スカーレット・スパイダーを襲名。
マンスパイダーへの変身能力を持ち、インヘリターズからは「アザー」と呼ばれて狙われている。同じクローンであるスパイダーマン(ベン・ライリー)を倒されたことに激怒してルームワールドに単身乗り込む。
スパイダーマン(アース-616)
スカーレット・スパイダーと同じくスパイダーマンのクローン。本名:ベン・ライリー。
ピーターと区別するため髪を金髪に染めている。インヘリターズのクローン施設を破壊するため、壮絶に自爆したが、後に生き返る。
スパイダーグウェン(アース-65)
ヒロインの一人で、ピーター・パーカーが人生で最も愛した女性。本名:グウェン・ステイシー。
クモにかまれたのが、ピーターではなく彼女だった為にスパイダーマンの能力を手にした。シルク、スパイダーウーマン(ジェシカ)と共に行動する。
本イベントで初登場したキャラクターながら瞬く間に人気を博し、個人誌も創刊された。
コズミック・スパイダーマン(アース-13)
エニグマ・フォースを持ったスパイダーマンでキャプテン・ユニバース。本名:ピーター・パーカー。
膨大なコズミック・パワーにより、インヘリターズですら圧倒する力を持つが、彼が住むアース-13でしか力を使えない。
そのため、アース-13を「安全地帯」と呼んでスパイダーズの拠点としていたのだが、インヘリターズ最強のソラスの襲撃により、安全地帯は脆くも崩れ去る。
「この宇宙で最強」のコズミック・スパイダーマンであったが、「あらゆる世界の全存在を上回る」と豪語するソラスには全く歯が立たず、エニグマ・フォースを全て吸収されて死亡した。
2代目アルティメットスパイダーマン(アース-1610)
アルティメットの大事件でピーターが倒された事で2代目を襲名した黒人少年。本名:マイルス・モラレス。
今回はアニメ版のアルティメットスパイダーマンとコンビを組んで平行世界のスパイダーマンを集める。
年齢的には高校生である。
ブラックウィドウ(アース-1610)
アルティメット世界のスパイダーウーマン。本名:ジェシカ・ドリュー。
ピーター・パーカーの女性化クローン。アベンジャーズのブラックウィドウとはコードネームが同じだけで無関係。
同じくクローン人間であるケイン、ベンらと共にインヘリターズのクローン素体の破壊任務を請け負う。
アルティメットスパイダーマン(アース-12041)
アニメ版「アルティメット〜」の世界のスパイダーマン。本名:ピーター・パーカー。
基本世界のピーターより若く、マイルス・モラレスと同年代の高校生。第四の壁を認識し、読者に話しかける事ができる。
マイルスと組んで名コンビぶりを発揮する。
スーペリア・スパイダーマン(アース-616)
自称"より優れた”スパイダーマン。本名:オットー・オクタビアス。
正体は自身の死期を悟ったドクター・オクトパスが、ピーター・パーカーの肉体を乗っ取ったスパイダーマン。肉体を返却する前の時間軸で参戦した。物語のトリックスター。
アサシン・スパイダーマン(アース-8351)
殺し屋のスパイダーマン。本名:ピーター・パーカー。
グウェンの死をきっかけに敵を殺すことを厭わなくなったスパイダーマンで、ウルヴァリンに師事していた。スーペリア・スパイダーマンと行動を共にするが、急襲したインヘリターズに倒された。
スパイダーパンク(アース-138)
パンクロッカーのスパイダーマン。本名:ボビー・ブラウン。
ロックの力でオズボーン大統領と戦う反政府主義者達のリーダーで、トゲトゲの頭と袖の破けたベストが特徴。ギターをかき鳴らすことでオズボーンらの人工共生体「V.E.N.O.M.」を無力化できる。
マイルスの危機にスーペリア・スパイダーマンやアサシン・スパイダーマンと共に駆けつける。
スパイダーマン・ノワール(アース-90214)
黒ずくめでトレンチコートを着たスパイダーマン。本名:ピーター・パーカー。
禁酒法時代(1930年代)のスパイダーマンで銃火器で戦う。
スーペリア・スパイダーマンからタートルネックと呼ばれている。
スパイダーマンインディア(アース-50101)
インドのスパイダーマン。本名:パビトル・プラバカー。
ピーター・パーカーと出自が似過ぎているため、自身はピーターのバリエーションの一つにすぎないのではないかと悩む。
SP//dr(アース-14512)
クモの力と某人型決戦兵器に似たパワードスーツで戦うスパイダーマン。本名:ペニー・パーカー。
搭乗者であるペニーは中学2年生の女の子であり、死亡した先代SP//drの一人娘。ベジタリアンらしい。「SP//dr」はヒーローとしての名前であるだけでなく、パワードスーツや彼女に力を与えるクモの名前でもある(発音は「スパィダー」)。本来はデアデビルとコンビで活動する。
ちなみに彼女の世界には新世紀エヴァンゲリオンや攻殻機動隊など日本アニメの登場人物にそっくりのモブが多数登場するが、これは彼女のエピソードを手掛けた作家陣が大の「マンガ」マニアである事に由来する。彼女のスーツもプラグスーツがモチーフらしい。
東映版スパイダーマン(アース-51778)
最強のスパイダーであるコズミック・スパイダーマンの敗死によるスパイダーメン全滅の危機にレオパルドンと共に駆けつける。コズミック・パワーを奪い取ったソラスによって初黒星を喫したが、スパイダーメンを撤退させることに成功した。その後修理されたレオパルドンと共に最終決戦を戦い抜く。
特徴的な名乗り口上も健在であり、特に邦訳版書籍では「スパイダーマン」の「ン」を小さな文字にする事で「スパイダーマッ!」と書かれているように見せかけるなど、徹底した再現が為されている。
スパイダーマンJ(アース-7041)
日本のスパイダーマン。本名:天野翔。
小学四年生でベンジーを除けば最年少。東映版スパイダーマンと共に駆けつける。同じ日本人同士ということもあり、レオパルドンを失った山城拓也を励ましたりした。元はコミックボンボンで連載された漫画なので一人だけ白黒のトーンカラーで表現されている。
スパイダーマン(アース-2301)
「マンガ」の世界のスパイダーマン。本名:ピーター・パーカー。
日本の「マンガ」をオマージュしたイベント「マンガ・バース」で誕生したスパイダーマンであり、東映版スパイダーマンやスパイダーマンJと共に「日本のスパイダーマン」の一人として駆けつける。日本で忍者の修行を積んでいるので、日本のスパイダーマンとは日本語で会話をする。
スパイダーベン(アース-3145)
ピーターではなくベンおじさんがクモに噛まれた世界のスパイダーマン。本名:ベン・パーカー。
メイおばさんやピーターをグリーンゴブリンに殺害されて失意の日々だったが、スパイダーマンやスーペリア・スパイダーマンの激励で再び起ち上がる。
インヘリターズ
太古から存在する吸精鬼の一族。動物の力を得た眷属=トーテムを捕食することで生命を繋いでおり、死んでもクローンとして復活する。服装や言動など全体的に中世貴族じみており、征服した数々の世界を継ぎ接ぎしたアース-001(ルーム・ワールド)の宮殿を拠点としている。
インヘリターズとは「相続者」という意味で、自分たちを「万物の相続者」だと豪語する。
モーラン以外は本イベントが初登場である。
ソラス
インヘリターズの父にして家長。巨体とそれに見合ったパワーの持ち主であり、根源的な創造の力であるコズミック・パワーを食料とする。
コズミック・スパイダーマンを殺してコズミック・パワーを吸収し、駆けつけたレオパルドンをも大破させた。
ディモス
インヘリターズの長兄。傲慢な性格で食欲旺盛。かつてはハンマーを武器としていたが、ウィーバーとの戦いで消滅させられたため以降は父譲りの体格とパワーで戦う。
モーラン
インヘリターズの次兄。かつてアース-616のスパイダーマンと戦い深手を負わせたが、再戦の末敗北。その後は死亡したと思われていたが、家族を連れて再びスパイダー狩りを開始する。
ある意外な人物(の平行世界の同一人物)と恋人関係にある。
ジェニクス
インヘリターズの三男。クローン技術やグレート・ウェブなどの研究者であり、インヘリターズ随一の知性派。一方直接戦闘はやや劣り、スパイダー3人がかりなら互角に渡り合える程度。
ヴァーナ
インヘリターズの長女。平行世界のグリーンゴブリンやライノなどのヴィラン達を猟犬として従えている。
ブリックス
インヘリターズの末弟であり、ポーラの双子の兄。一度スーペリア・スパイダーマンと交戦したが取り逃がしている。
ポーラ
インヘリターズの末妹であり、ブリックスの双子の妹。基本的にブリックスと行動を共にするが、仲は悪い。
カーン
インヘリターズの一員だが、家族と違い殺戮を愛する心を持たなかったために母の死を招き、その罪で一族を追放され、ウィーバーの力で各世界を転々としながらスパイダー狩りをさせられている。
家族からは顔も見たくないと思われており、外すことのできない潜水服じみた仮面を装着している。
マスター・ウィーバー
インヘリターズに仕える仮面の男。その名は「織師の長」を意味する。
アース-000の出身であり、あらゆる次元を管理するグレート・ウェブの織り手である。
存在の糸を解くことで、無機物でも生物でも瞬時に分解できる。
仮面の下の素顔はある人物に酷似しており……。
その他
- 名前や特徴のみの言及で直接の登場はないが、設定上は小森ユウ(池上遼一版スパイダーマン)やサム・ライミ版やアメイジング・スパイダーマンなどの映画版も参戦しているらしい。ソニー・ピクチャーズとの権利関係があと1年早く解決していたら映画版の二人は出演していたかもしれない。
- カプコンが発売した格闘ゲーム『MARVEL SUPER HEROES』時空の(ゲーム筐体の中の)スパイダーマンも出ているが、PERFECT KO負けを喫した。
- スパイダーマム、ピーターではなくメイおばさんがクモに噛まれた世界のスパイダーマンも一応は登場してくれた。
- シナリオライターのダン・スロットはあのイタリアンスパイダーマンも参戦させようとしたが、権利者が不明のため断念したらしい。
- 日本語翻訳版のタイトルロゴは東映版スパイダーマンのオマージュ。また表紙は漫画家村田雄介の描き下ろしで、3冊分を繋げる事で1枚の絵になる。
- 蜘蛛の力を持つベノム(ヴェノム)やカーネイジらシンビオート関係のキャラクターは人気に関わらずいずれも登場しない。これは恐らく、シンビオートはスパイダーマンの力を学習したに過ぎず、シンビオート自体は蜘蛛とは関係ないために、インヘリターズの標的にされなかったのだと思われる(ベノム化した異世界のスパイダーマンというのは僅かに登場している)。