概要
MARVELコミックのスーパーヒーロー「スパイダーマン」の、ピーター・パーカーに次いで有名であろう変身者。
ピーターより年下であることから、アニメ・ゲームなどの派生作品でも彼の後継者的ポジションを担うことが多い。
名前
コミック版のフルネームは"Miles Gonzalo Morales"。
公式作品含め一部では「マイルズ」表記が見られる。
なお「アフリカ系のスパイダーマン」「黒人のスパイダーマン」と呼ばれる事があるが、正確にはアフリカ系とヒスパニック(中南米系)の両方の血を継いでおり、名前自体もアフリカ系アメリカ人男性に多い名前+ヒスパニックに多い名字の組合せとなっている。
余談だが両親は夫婦別姓で、父親が「デイヴィス」姓。
コミック版
2011年8月の『ULTIMATE FALLOUT』でデビュー。
'00年から始まった、それまでの正史世界【アース616】とは異なる「アルティメットユニバース」【アース1610】において、2代目スパイダーマンを襲名した。
オリジン
オズボーン・インダストリーに盗みに入った叔父が持ちかえって来てしまった、遺伝子操作をされた蜘蛛に噛まれ能力を得る。
最初はヒーローになることに否定的であったが、とある事件でこの世界のピーター・パーカーが死亡し、自分も偶然そこに居合わせた事から「自分が能力を使っていれば死ななかったのではないか」と苦悩する。その後、ピーターの葬式で出会ったグウェン・ステイシーにピーターがヒーローになった理由を聞き、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」との言葉を告げられ、ピーターの跡を継ぐことを決意する。
最初はピーターのスーツを使って活動していたが、マイルスの活躍を聞いたニック・フューリーから新スーツを、そしてメイおばさんからウェブシューターと蜘蛛糸の化学式を贈られた。
活躍
【アース616】のピーターとは何度か顔を合わせており、2014年のイベント『スパイダーバース』ではアニメ版『アルティメットスパイダーマン』のピーターや初代アニメ版のピーターと共に行動した。
さらに2015年の一大イベント『シークレットウォーズ』では結果的に【616】と【1610】が統合されたため、本来の歴史にスパイダーマンが「2人いた」ことになり、しばらくは【616】のピーターとともに活動。
その後アベンジャーズにも加入したがすぐに脱退し、同年代かつ共に抜けたカマラ・カーンやサム・アレキサンダー、そのほかティーンヒーローたちと共にヒーローチーム「チャンピオンズ」を結成した。
世間に向けてメッセージをSNSで訴えかけるなど、如何にも若者らしい活動もしている。
その後、【616】では一時期マイルスの方がピーターより有名になった事も有り……ハロウィンの際にスパイダーマンのコスプレをしたピーターが、マイルスが有名になる以前の事を知らない世代の子供から「偽物」扱いされるという事件まで発生した。
能力
オリジナルに加えて以下の能力を(一時的なもの含めて)持っている。
- ヴェノム・ストライク / ヴェノム・ブラスト
電撃で触れた相手を感電させる。電撃ビーム、雷の衝撃波など様々な技に応用できる。
なお、電撃の色は作品によって違う。
- スパイダーカモフラージュ
身体を透明にする。敵に自分の存在を気付かれずに攻撃が可能。
- エネルギースレッド / ゴールドオーガニックウェブ
現状はコミック限定。指先から生体電気の糸を発射する。
- エニグマ・フォース
『スパイダーゲドン』にて一時的原始宇宙の力を用いる「キャプテン・ユニバース」となり、ソードビッカーを操った。
別アース
『ホワット・イフ...?』では超人兵士計画によりキャプテンアメリカになったりウエポンX計画の被験者となったり、多量のガンマ線を浴びたり、異世界のアスガルドで雷神になったりしている。…さらにクモに噛まれなかったら、叔父の跡を引き継いだりしたマイルスがいる!?
関係者
- ジェファーソン・デイヴィス
マイルスの父親。警察官であり、少々堅物だが、マイルスを愛している。
- リオ・モラレス
マイルスの母親。夫同様、マイルスを愛している。
ジェフの弟であり、マイルスにとっては叔父に当たる。マイルスの趣味にも理解を示してくれる優しい叔父だが、実は泥棒。
アニメ
アルティメットスパイダーマン
原語版:ドナルド・グローヴァー → オギー・バンクス / 日本語版:朝比奈拓見
シーズン3から登場。
別アースにおいてコミックと同じ経緯でスパイダーマンを襲名し、舞台となる世界に来て戻れなくなってしまったため、チーム「ウェブ・ウォーリアーズ」に加入した。
名前が同じだと分かりづらいので自ら「キッド・アラクニッド」と名乗っている。
マーベルスパイダーマン
原語版:ナジ・ジェター / 日本語版:鈴木晴久 → 地蔵堂武大
ピーターの同級生。頭がかなり良く課題でAIロボットを作ったりするほど。
途中から特殊なクモに噛まれて能力を得、コスチューム等はコミックと同じだが成長スピードがかなり早く(本人曰く覚えるのが早い)、メガ・ヴェノム・ブラストで巨大なスパイダースレイヤーを破壊する等高い戦闘能力を持つ。
スパイダーバースシリーズ
原語版:シャメイク・ムーア / 日本語版:小野賢章
スパイダーバース
初の主人公となり、ピーターからスパイダーマンの役目を引き継ぐところから始まる。
頭はいいがグラフィティを描いている方が好きなイマドキの少年。抽選によりエリート校に通うも他の生徒と打ち解けられず居心地の悪さを感じている。両親のことは嫌いではないが、(特に父親が)自分の意見を聞いてくれないため少し壁ができてしまっている。反対に叔父のアーロンにはとても懐いており、女子にモテるテクニックを伝授してもらったり一緒にグラフィティを描いたりと、関係はとても良好である。
寮のルームメイトにガンケという男の子がいるが、お互い不干渉気味。
ひょんなことから能力を手に入れ、突然の体の変化に戸惑う最中、ある事件に巻き込まれたことで彼は自身の運命と対峙することになる。
コスチュームはピーターの死後に市販されていたものを着用していたが、サイズが合わず(しかも返品不可)背中のファスナーが半開き、パンツは丈が膝までと短めでスニーカーを履き、マスクは目と鼻に穴が開けられているという簡素なものだった。
しかし『スパイダーバース』終盤、ピーターの遺品のスーツのうち一つをリメイクして、トレードマークの黒地に赤のアクセントが入った自分用のスーツを入手している。
アクロス・ザ・スパイダーバース
前作から1年4か月が経ち、新たなスパイダーマンとして世間に浸透し、充実した日々を送っていた。
しかし、ヒーローと学生の二重生活が原因で両親との関係がギクシャクしており、更には余計にショックを与えるのを恐れて秘密を打ち明けることもできず苦悩し、かつて共に戦ったグウェンをはじめとした同胞のスパイダーたちに会えう手段も無く、寂しさや孤独感にも苛まれていた。
そんな時、前作での戦いが原因で生まれたヴィランのザ・スポットとの遭遇によりグウェンと再会し、彼女を追って様々な世界のスパイダーマンたちが集まり平行世界の秩序を守っている「スパイダーソサエティ」に辿り着き、自分がスパイダーマンになった真相やマルチバースへの影響を知り、ヒーローとしての決断を迫られていく。
成長期真っただ中のためコスチュームは再度新調。唯一正体を明かしたガンケに補助ツールの製作を任せている。
スパイディとすごいなかまたち
原語版:ジャカリ・フレイザー / 日本語版:あさのそら
ゲーム
MARVEL ULTIMATE ALLIANCE 3: The Black Order
インフィニティストーンを巡る宇宙をも巻き込む壮大な戦いに巻き込まれていく。
ブラックオーダーやサノス、セイン等の凶悪ヴィランを仲間と共に撃破し宇宙を救った。
ピーターと比べるとやや好戦的な台詞が多く見られる。
必殺技は全てに雷の付加効果有。
ウェブ・シューター:前方にウェブを連続で発射する。連打で攻撃回数を調整可能。
サプライズストライク:透明になって敵に接近し、電撃を放つ。
ヴェノム・ストライク:両腕を地面に突き立て、雷の衝撃波で周囲を攻撃する。
ハイボルテージウェブ:前方広範囲に敵を感電させるウェブを設置する。
メガ・ヴェノム・ブラスト:パワーを体全体に溜め超巨大な雷の衝撃波を放出する。
PS4版
「マイルズ・モラレス」名義で登場。
年齢 | 15歳 |
---|---|
身長 | 172.7cm |
体重 | 59kg |
出身 | ニューヨーク市ブルックリン |
職業 | 学生 |
CV | 勝杏里 |
スパイダーマンに憧れる勇敢な少年で、5歳でテレビを解体し、モニターやドローンをハッキングできるハッキングアプリを開発するなど非常に優れた頭脳の持ち主。
ゲーム中では何回か彼を操作するステルスパートが存在する。
捜査において大きい功績を上げた父を讃える式典の最中、ミスターネガティブ率いる「デーモン」の起こしたテロに巻き込まれ、父ジェファーソンは命を落としてしまう。
尊敬していた父の死に悲嘆し落ち込んでいたところをピーターの紹介でメイおばさんが働いている慈善団体「F.E.A.S.T.」のボランティアとして働き始める。
終盤では、MJが連れてきてしまった実験クモに噛まれスパイダーパワーが発現。彼はおかしくなった身体をピーターに相談し、そこでピーターも彼に自身の正体を明かすことになる。
DLCではピーターからスパイダーマンの指導を受けているが、憧れが強すぎるあまり学業や基礎を疎かににしがちで度々ピーターにたしなめられている。
ピーターが用意したウェブシューターの最適化調整を独力でやってのけ、ピーターを感心させる場面も。
初期構想では然程出番は多くなかった模様。(参考)
スパイダーマン マイルズ・モラレス
PS4版の続編で、PS5のローンチタイトルの1つ。
タイトル通り主人公。前作から1年が経過した冬からストーリーは始まる。
物語冒頭でピーターがMJとの取材兼休暇で数週間海外へ出かけたため、その間を新米スパイダーマンとして単独でNYを守ることを任された。
今作から正式なプレイヤーキャラクターとなったことで、生体電気を放出する「ヴェノムパワー」や、自身の姿を周囲に溶け込ませ見えなくなる「カモフラージュ」と言った、コミックにもある特殊能力に目覚めていく。
MCU
『スパイダーマン:ホームカミング』にて叔父が登場。彼自身の存在も示唆されたが、おそらく普通の一般人である可能性が高い。
また『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、とあるシーンで「(マルチバースの)どこかに黒人のスパイダーマンだっているかもしれない」という彼の存在を匂わせる台詞が出てくる。
関連動画
『スパイダーマン:スパイダーバース』《マイルス編》
Marvel's Spider-Man:Miles Morales Trailer
関連タグ
尾ノ前侑:同じく、元は本家に憧れていた一般人であるスパイダーマン。
ブラックパンサー、サム・ウィルソン:黒人のMARVELヒーロー繋がり。
マザーファッカー:中の人(PS4・PS5版)が同じMARVELのヴィラン。
仮面ライダーキルバス:中の人(同上)が同じ蜘蛛モチーフのキャラ。カーネイジに近いサイコキラーである。
※以下『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』の重大なネタバレ注意
終盤、マイルスが迷い混んだのは『アース42』の世界。
前作『スパイダーマン:スパイダーバース』でマイルスが噛まれた蜘蛛は、後に本作のメインヴィランであるザ・スポットとなる前のジョナサン・オーンが、この世界から呼び寄せた存在である(そのため蜘蛛には『42』の焼印が施されていた上に、別アースから来たスパイダーマン達に起きていたのと同じ「体が崩壊しかける」現象が発生していた)。
そのため、本来なら蜘蛛に噛まれるはずだった人物にパワーが授けられず、アース42は数ある世界の中で唯一スパイダーマンが存在しない世界となってしまい、街を凶悪なヴィランたちから守る存在がおらず、酷く荒れすさんだ状況となっていた。
そこでマイルスは、この世界では叔父のアーロンが生きているが、父であるデイヴィスが殉職し帰らぬ人となっていることを知る。
アーロンに連れられた場所でマイルスは突如プラウラーの襲撃を受け、気がつけば鎖でサンドバッグに拘束されていた。
そして自分を襲ってきたプラウラーが目の前に現れ、彼がマスクを外すと…
その正体はアース42のスパイダーマンにならなかったマイルス本人だった。
主人公のマイルスがパンチパーマで陽気な性格であるのに対し、アース42のマイルスは長髪を三つ編みにしたコーンロウで(上述の環境が原因なのか)冷淡かつストイックに振る舞う等、別人のような雰囲気であった。
拘束されたスパイダーマンのマイルスとプラウラーのマイルスが対峙する場面で、物語は次回作へと続く事に………