ブラックスパイダーマン
ぶらっくすぱいだーまん
スパイダーマンことピーター・パーカーが文字通り黒いスーツを纏った姿である。
1984年~1985年に展開したクロスオーバー企画『Marvel Super Heroes Secret Wars』にて、それまで用いていたスーツが激しく損傷。異星人のマシンによる修復を試みた結果、黒を基調とした新しいデザインのスーツが生成された。
この直前のエピソードにて、黒(濃紺)と白のツートンカラーのコスチュームを纏った二代目スパイダーウーマンが初登場しており、これがピーターの心理に影響を及ぼしたことで黒いスーツが生成された、と当初は思われていたのだが…
黒いスーツの正体はシンビオートという寄生生物が本家のスパイダーマンを模して生成した生体スーツであり、纏った途端にスパイダーマンとしての能力を向上させ、瞬時に装着できたり蜘蛛糸を無限に生成できたりするため、ブラックスパイダーマンとなったピーターは黒いスーツを気に入っていたが、やがてシンビオートが装着者を凶暴化させるという危険性に気づいてシンビオートを脱ぎ捨てた。
だが、ピーターとの一体化でスパイダーマンの能力をコピーしたシンビオートはのちにヴェノムやカーネイジ等の怪物を生み出す事となった。
シンビオートと決別した後、ピーター自身は布製の黒いスーツ(デザインは同じ)を着用していたが、ヴェノムが登場したために破棄する。
※当時ピーターとMJは結婚していたが、MJは初対面したヴェノムのあの面相に脅かされ、恐怖を感じてしまった。ピーターはMJを怖がらせまいと、ヴェノムを連想させる自分の黒いスーツを暖炉に入れて燃やしてしまう。そしてMJから、以前の赤と青のデザインのスーツを送られ、それを着用する。
サム・ライミ版の3作目で初の実写化。
誕生の経緯やシンビオートの性質が原作に近いが、ブラックスパイダーマンとなったピーターはベンおじさんの仇であるフリント・マルコをはじめとした様々な要因で闇落ち寸前にまで追い込まれた。
本編後半では原作と同様にシンビオートを引き剥がした後にヴェノムが誕生していた。
大まかな設定こそ原作を準拠しているが、戦闘では無数の触手を放つ攻撃が追加されている等、クリーチャー染みた描写となっている。
終盤で登場。
こちらもピーターであるが、とある理由で正気を保っている。
なお、登場シーンでは本家のスパイダーマンスーツを着た主人公尾ノ前侑がその場に居合わせており、結果的に本家のスパイダーマンとブラックスパイダーマンが共闘する展開となった。
余談
CAPCOMの対戦格闘ゲーム『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』(1997年)には、キャラクターセレクト時に隠しコマンドを入力することで使用できる隠しキャラクターがおり、その一人である「アーマースパイダーマン(Armored Spider-Man)」は一部資料で「原作におけるブラックスパイダーマンである」と記述されていた。
しかしこれは誤りで、正しくは『Web of Spider-Man』#100(1993年)で初登場した「スパイダーアーマー Mk-Ⅰ」である。