曖昧さ回避
- 本来は英語で『大虐殺(Carnage)』の意味。
- 『サガフロンティア』T260G編のラスボス・ジェノサイドハートが使用してくる攻撃。ジェノサイドハートの項目を参照。
- 『逆転検事』の登場人物・カーネイジ・オンレッド。
概要
本名:クレタス・キャサディ。'90年代版アニメ等では「クリータス・キャシディ」と、転写ぶれしているが同じスペルの名前である。
スパイダーマン、ヴェノムに次ぐ、いわば『第3のスパイダーマン』。ヴェノムに劣らない人気のあるヴィランである。しかし好敵手、ダークヒーロー的立ち位置にあるヴェノムとは異なり、シンビオートの力を持って積極的に殺戮に走る『完全な悪のスパイダーマン』である。
グリーンゴブリンがスパイダーマン最大の宿敵、ヴェノムがスパイダーマン最大のライバルであるのに対し、カーネイジはスパイダーマン最大の天敵と言える程の危険な存在。
宿主のキャサディ自身が凶悪なサイコキラーであり、殺人事件を重ねて刑務所に投獄されていた所を、同房であったエディ・ブロックがヴェノムに変身して脱獄した場面に遭遇、彼に寄生しているエイリアンであるシンビオートの一部の寄生を受け、カーネイジが誕生する事になった。
人物
ただ愉しむためだけに人を殺す生粋のサイコキラー。目的意識が薄く、気の向くままに殺戮を繰り返す。
これから殺す相手をからかったり、自分が両親から虐待されていた可哀想な子供だったんだとうそぶいたり(事実かは不明)、どこか飄々として掴みどころがない。
自身を歩く不可能存在だと言い、ルールや論理に縛られたり、他人に理解を示される事を嫌う。
シュリークという音波を操る女性ヴィランをパートナーとしていた時期があり、彼女のことは大分気に入っていたようで、シュリークを傷つけたデッドプールには復讐しようとしていた。
共生しているシンビオート自体も意思を持ち、キャサディとシンビオートは互いを最適な相棒だと感じており、キャサディはシンビオートを「二人で一つ、一心同体」だと断言し、シンビオートは引き離されてもは寄生を繰り返して再びキャサディの体へ戻ろうとする。
カーネイジの台詞は赤い枠に白い字で表現される。
戦闘能力
殺人鬼だけあって、宿主の攻撃性や凶悪性を増幅させるシンビオートとの相性は恐ろしく抜群であり、単体での戦闘力はスパイダーマンはおろかヴェノムすらも凌ぐ。正義のヒーローであるスパイダーマンはもちろん、自分なりの美学と良心を持ち合わせているヴェノムと比べても、凶暴性と狡猾さにおいて大きく上回っている。
シンビオートとの融合は、細胞レベルにまで至っている等、ヴェノム以上に深刻化しており、一人称が「オレ(I'm)」になっている等、文字通り完全な共生関係にある。
また、彼らにはない新たな能力も手に入れている。たとえば、発射する糸がより強靭になっており、身体の一部を斧や槍、ムチ等の武器に変形させて攻撃することが出来る。更には身体の一部を飛ばし寄生させた対象の人間をコントロールする事も可能であり、これらの能力を使ってカーネイジが事件を起こす度に文字通り「大虐殺」が展開され、尋常ならざる数の犠牲者が出てしまう(少なくとも100人は軽く超えている)。
ただし、シンビオートから生まれたスパイダーマンに共通する弱点である熱と高周波は彼にもまた有効であるが、その凶暴さからも簡単に倒せないという事実に変わりはない。
活躍
初登場時にはスパイダーマンを圧倒し、彼とヴェノムとヒューマントーチが協力したことでようやく倒された。ヴェノムがスパイダーマンに協力するのはこれが初めてであった(ヴェノムはカーネイジの誕生に関して責任を感じており、彼を倒すためなら、憎むべき敵であるはずのスパイダーマンとの同盟結成も惜しまないようになった)。
しかし、以後幾度となく脱獄しては殺戮を行い、その度にスパイダーマンたちが制圧するという堂々巡りが現在まで続いている。現時点では、スパイダーマンがひとりで彼を制圧できたことはない。ヒーローの力をもってしても投獄がやっとな一方、宿主となったキャサディの異常なまでの殺人・破壊衝動の影響によって、シンビオートの殺戮への執念としぶとさが異常なまでに強くなってしまったのである。仮にキャサディと引き離されたとしても、カーネイジのシンビオートはすぐさま他の人間達に寄生する行動に出ており、寄生された事があるのは、ベン・ライリー、JJJ、シルヴァー・サーファーとかなりの数である。それでもカーネイジのシンビオートは、やはりキャサディをもっとも宿主として好んでいる。
セントリーによって一度は宇宙で倒されたかに思われたが、キャサディ・シンビオート共に仮死状態で生きており、後に高性能な義手製作にて、カーネイジのシンビオートが利用された際に暴走、下半身をサイボーグ化する形で生き延びていたキャサディと再度融合し、完全復活を果たす事になった。
これ以降は飛行能力や小型カーネイジの分身といった次々と厄介な新能力を身に付けており、より手強い存在となっている。
こうして彼は、現在もスパイダーマンたちにとってもっとも厄介なヴィランとして活躍し続けている。スパイダーマンのゲーム版では、ほとんどラスボスとして扱われることが多く、ドクターオクトパスといった他の強力なヴィランにシンビオートが寄生する展開もあった。
特にEarth-TRN461では、ノーマン・オズボーンと融合してレッド・ゴブリンとなっていた。
DCコミックとのクロスオーバーにて、バットマンの宿敵ジョーカーと共演した。
この作品では「ジョーカーを狂人として尊敬している」という設定で、彼を助けたのだがカーネイジとジョーカーでは同じ狂人でも狂気の方向性が違ったらしく、すぐに仲違いした(カーネイジがジョーカーの狂気に参ってしまった)。
バットマンには「単なるチンピラ」と言われたが、バットマンのトラウマである『両親を撃ち殺したチンピラ』を思い起こさせた。
アルティメットスパイダーマン
2012年から放送されているテレビアニメ『アルティメットスパイダーマン』では、シンビオートが「スパイダーマン本人から抽出した組織をグリーンゴブリンがDNAを改変して作り上げた寄生生物」という設定もあり少々ややこしいことになっている。
初めてカーネイジという名前のヴィランが登場したのはシーズン2で、この時はスパイダーマンがグリーンゴブリンによって強制的にシンビオートへ寄生させた結果変異したもので、ピーターの意志はなく、ただ獣のように叫んで暴れまわる存在だった。(その後、シンビオートはハリーによってはがされた)
シーズン4に登場した個体は、ヒドラの科学者マイケル・モービウスが自らの身体へ蝙蝠由来のなにかを注入された仕返しとして、ドクター・オクトパスへDNAをさらに改変したシンビオートを寄生させた結果オクトパスから分離する形で誕生したものである。
日本語版担当者はハリーやアイアンフィストの声を当てた倉富亮で、しわがれた甲高い声でしゃべることが特徴。
世界を混乱に陥れることしか考えておらず、スパイダーマンとエージェントベノムを苦戦させた。
また、衝撃波によって肉体が四散したことを逆手に取り、周囲の一般人に寄生して仲間を増やしてしまう(なお、「中の人」がいないのは前述通りだが、この時寄生された一般人の中にはキャサディを連想させる赤毛の男がいた)。
シーズン4は地上波でも放送されたため、カーネイジの蛮行が多くの視聴者の心にトラウマを植え付け、一時はツイッターのトレンド入りした。
LEGO
『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム』と、
『LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ 2 ザ・ゲーム』の2作に登場。
しかし無印ではラフトから脱走してから全く出番無し、2ではグウェンプールミッション限定と、いずれも本格的にストーリーに関わって来る事は無い。
ただし2では彼とヴェノムのシンビオートエネルギーが融合して生まれた、カーノムと言うキャラクターがストーリーボスとして登場している。
性能はヴェノムとほぼ同じだが、カーネイジは変身が出来ないので、総括すると変身が出来ないヴェノムとなる。
2では退屈モーションも差別化されたが、カーネイジは何故かクマのぬいぐるみを抱いて牛乳を哺乳瓶で飲むと言ったイメージ大崩壊の退屈モーションになっている。
LEGO系のゲームはかなりコミカル要素が満載だが、カーネイジもそれに巻き込まれた形になってしまった。
ゲーム版
『Marvel's Spider-Man 2』ではキャサディらしき人物が登場しており、シンビオートを強奪して退場する等、カーネイジ誕生のフラグを立てていた。
実写映画
※以下、『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』のネタバレ注意
演:ウディ・ハレルソン、ジャック・バンデイラ(少年期)
スパイダーマン・ユニバースでは、2018年の第1作目『ヴェノム』にて初登場、変身こそしなかったがその登場でファンを大いに歓喜させた。更に同作の大ヒットの結果2021年に放映された第2作目『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では、シュリーク(演:ナオミ・ハリス/吹:早見沙織)と共にメインヴィランとして活躍する。
劇中では連続殺人の容疑でサン・クエンティン州立刑務所に厳重に収監されており、看守達からは「レッド」という仇名で呼ばれている。
第1作ではエンドロールにて登場し、これまでサンフランシスコ市警やFBIの取り調べにも一切応じてこなかった中、ライオットを倒しフリーのジャーナリストとして再出発したエディ・ブロックに興味を示して独占インタビューを依頼する。そこで彼に
「ここを出たらカーネイジ(大虐殺)になる」
と不吉な発言を残し、物語は幕を閉じる。
第2作では、幼少期に祖母や母、飼い犬を殺した末に、激昂した父によってセント・エステス矯正施設に送られた過去が明かされる。そこで唯一自分を受け入れてくれたシュリークと恋仲になるも、彼女がその能力を危険視されてレイブンクロフトに移されたことで引き離されることになった。
本作でも引き続きエディに自身の独占インタビューを依頼していたが、ヴェノムの活躍で未発見だった自身の犯行の犠牲者達の遺体を発見されてしまい、保留中だった死刑が確定してしまう。この一件でエディを逆恨みし、死刑執行前日のインタビューで牢屋越しに取っ組み合いになった際に彼の指に噛み付いた結果、シンビオートに寄生されることになる。
そして死刑執行の最中、遂にカーネイジとして覚醒し、刑務所内を蹂躙した末に脱獄を果たすと、その能力でレイブンクロフトのことを調べ出してシュリークの救出に成功、血塗られた結婚式を挙げるため、自分達3人が最も恨むエディ、ヴェノム、パトリック・マリガンを付け狙うだけでなく、自身を「異常者」としてその存在を否定する世界への復讐を成し遂げようとする。「I am not crazy man.I am an avenger.」(私は異常者ではない。正当な復讐者だ。)という劇中のセリフがそれを端的に表しているといえる。
劇中での姿は、『細胞レベルにまで至っているシンビオートとの融合』の表現として肉体そのものが変異して何本も触手が出ているというグロテスクな形相を醸し出しており、カーネイジの中に眠る残虐性を遺憾なく表現している。触手や棘の発射の他、車やコンピュータを操ることも可能。
赤色のシンビオートの強さは、リーダー格だったライオットよりも高いようで、ヴェノムはカーネイジと対峙して早々に戦意を喪失しかけていた。
一方で原作とは異なりクレタスとカーネイジの息が合っておらず、シンビオートにも有効な音波を出すシュリークをカーネイジは終始疎ましく感じており、クレタスの制止も無視して彼女に暴力を振るっていた。
関連タグ
ヴェノム(MARVEL) シンビオート サイコキラー クレタス・キャサディ