この記事は池上遼一版『スパイダーマン』の重大なネタバレを含みます。未見の方は注意!
文字通り実体もなく突然現れる虎。
終盤で登場した尾関ミキの自覚無き超能力であり、後述の理由で最終的にスパイダーマンこと小森ユウがその力を受け継いだ。
アイドルであったミキは芸能プロの卑劣な手口で人生を台無しにされ、復讐のために見えない虎で関係者達を次々と殺害したが、途中で被害者の共通点に気付いた標的の1人に襲われて死亡。
「ちくしょう! 弱者はいつだって強者によって ふみにじられ しいたげられ 殺されるんだ いつの時代だって!」
「弱者の怨念が牙をもち 爪をもち 虎と化したところで なにがわるいんだ 虎よ暴れろ! 非道な強者どもを咬み殺せ!」
「弱者をむさぼり食らって こえふとった強者に 血の支払いをせまれ 殺して殺しまくれーっ」
ミキの悲惨な境遇に同情したユウは度重なる不遇でほとほと世間に愛想が尽きていたこともあって上記の台詞を口にして強者によって踏みにじられた弱者たちの無念を晴らさんとばかりに見えない虎を操り、元凶であった芸能プロの女社長を殺害した。
その後、彼の行方を知る者はいない。
そして、最後にその「見えない虎」は読者に向けて言う。
「おれをみろ!」
「これが人間の真の素顔だ…血まみれの凶獣」
「それはおまえ自身だ!」
備考
本作最終章に登場した「見えない虎」は、『常人に見えない』『宿主の意のままに動く』といった点から、早い話がこれと同じような存在とも言える。
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Earth-21205…本家スパイダーマンであるピーター・パーカーが闇堕ちした世界。
パニッシャー(MARVEL)…当初から悪人を私刑で抹殺しているMARVELヒーロー。