概要
MARVELコミックのキャラクター。
1963年の"Sgt. Fury and His Howling Commandos #1"でデビュー。
1965年の"Strange Tales #135"にて秘密組織「S.H.I.E.L.D.(シールド)」のエージェントとして登場。後に同組織の長官として活躍する。
人物
フルネームはニコラス・ジョセフ・フューリー。階級は大佐。
合衆国軍人であった父:ジャック・フューリーの長男。第二次世界大戦当時からの兵士であるが、老化防止血清「インフィニティ・フォーミュラ」により年をとらない。
大戦当時、荒くれ部隊ハウリングコマンドーズを率いて枢軸国軍を相手に大暴れした超軍人であり、後に秘密結社ヒドラを結成するバロン・フォン・ストラッカー大佐とは、この頃からの宿敵。また、当時のキャプテン・アメリカやその相棒のバッキーと共闘した事もある。
創設間もない頃の「S.H.I.E.L.D.」に参加し、その後長官に就任した。しかし、「シークレット・ウォー」事件での独断によるラトベリアへの介入及び紛争から地位を追われ、地下に潜る。
現在、「S.H.I.E.L.D.」のエージェントだったダム・ダム・デュガンに飛行空母:ヘリキャリアを奪取させ、3000人の「H.A.M.M.E.R.」離反者を率いて独自活動を行った。その後は完全に第1線から退く。
そして近年、黒人女性との間に隠し子のマーカス・ジョンソンがいたことが発覚。
なんやかんやあって、息子はフューリーJr.を名乗る事となり、「S.H.I.E.L.D.」の一員となった。
後述する【アース1610】版やMCU版のニック・フューリーにそっくりなのは御愛嬌。
外見
左目に眼帯をした壮年の男性。
正史世界【アース616】では白人だが、「アルティメッツ」や「アルティメット・スパイダーマン」などで知られる作品群「アルティメット・マーベル」の舞台である【アース1610】での彼は黒人であり、以降の実写映画(MCU)やアニメ版等でも黒人として登場する事が多い。
ちなみにアルティメッツ版のモデルになったのは、MCUで同役を演じたサミュエル・L・ジャクソン(本人の認可済み)で、映画のキャスティングもMARVEL側の要望にて実現した、という特殊なケースである。
「フューリーの眼帯は、千葉真一が『柳生一族の陰謀』で演じた柳生十兵衛からインスパイアされた」という説があるが、これは誤りである(フューリーが眼帯をつけ始めたのは1975年、千葉が十兵衛を演じたのは1978年)。
これはジャクソンが「フューリーの演技は、千葉が演じた十兵衛を参考にした」と発言したのが曲解されたために生まれたデマと思われる。
なお、ジャクソンは千葉を敬愛しており、また長年の友人でもある。
MCU版
日本語吹替:手塚秀彰(『アイアンマン』~『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』)
→ 竹中直人(『アベンジャーズ』~)・立木文彦(『ホワット・イフ…?』のみ)
上にもあるように、黒人である。
主役を張っていないキャラクターの中では、登場数は最も多い部類に入る。
初登場時点から「S.H.I.E.L.D.」の長官として様々な場所で活躍したが、『ウィンター・ソルジャー』での「S.H.I.E.L.D.」崩壊後は姿を消しており、『エイジ・オブ・ウルトロン』に登場した際も、本人曰く「一般人」らしいが、マリア・ヒルを始めとする元メンバーとともに独自の行動を続けている。『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』ではスクラル人と行動を共にしている。
『キャプテン・マーベル』では、90年代が舞台となり、両目だった頃のニック・フューリーが登場する。
アイアンマン
エンドクレジットにて登場。戦いを終えたトニー・スタークに、「アベンジャーズの話をしに来た」と現れる。
アイアンマン2
準メインキャラとして登場。ナターシャ・ロマノフをトニーの秘書補佐として侵入させた。さらに、スーツ依存症に陥ったトニーに厳しめのアドバイスをしつつ、最終的にはアベンジャーズとして不適格と判断をした。
マイティ・ソー
キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー
エンドクレジットにて登場。現代で目覚めたスティーブ・ロジャースの前に現れ、現状を説明しようとする。
アベンジャーズ
四次元キューブを兵器転用しようとしながらロキに邪魔されたため、アベンジャーズ計画を始動。元からS.H.I.E.L.D.のエージェントだったナターシャやフィル・コールソンなどと協力し、トニー、スティーブ、ブルース・バナーを招集。
しかしロキの謀略により、キューブの兵器転用計画がヒーローに知られ、信用を無くす。が、コールソンがロキに殺されたのをきっかけに、結果的にアベンジャーズは結成された。
キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
S.H.I.E.L.D.長官としてインサイト計画を進行させるが、旧友である理事アレクサンダー・ピアースがヒドラだったため、裏切られてウィンター・ソルジャーに暗殺される。
が、実は薬を使って仮死状態になっており、生きていた。
ピアースを含めたS.H.I.E.L.D.内のヒドラを倒すも、代償としてS.H.I.E.L.D.とヒドラの関係を世間が知ったため、姿を消す。
劇中、スティーブに「(眼帯で隠した目を指して)信じていた者に裏切られたときにつけられた」と話した。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
ウルトロンのせいで窮地に陥ったアベンジャーズの前に現れ、士気が落ちていた彼らを激励する。
終盤、かつてのS.H.I.E.L.D.職員らとともにヘリキャリアでソコヴィアに現れ、人命救助活動を行った。
ラストではニューヨークの北部に再建されたアベンジャーズ基地にいたが、『インフィニティ・ウォー』まで登場しなかったところを見ると、再度姿を消した模様。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
エンドクレジットにて登場。マリア・ヒルとともに街中を車で移動中、サノスによる大量虐殺が発生。混乱する状況の中、手にした通信機でいずこかへ緊急信号を送るが、自身も指先から消えていき、「Motherf×××…」と言いかけながら消滅した。
地面に落ちた通信機の画面には、赤と青と金のカラーリングの星のマークが表示されていた。
キャプテン・マーベル
主要人物の1人として、1995年当時のフューリーが登場。サミュエル自身が演じ、最新のデジタル技術で若くなっている。
S.H.I.E.L.D.のエージェントとして、新人のコールソンを連れ、地球に訪れたキャロル・ダンバースと出会う。2010年代の寡黙な性格と違い、冗談も口にする明るい性格。
最後、グースを可愛がろうとして、左目を引っ搔かれた。
アベンジャーズ/エンドゲーム
すべての戦いが終わった後、とある人物の葬儀に参列した。
スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
全編を通して登場。ピーター・パーカー / スパイダーマンに、異世界のヒーローミステリオと協力して怪物に対処するよう命じ、サポートする。
が、実は『キャプテン・マーベル』で登場したスクラル人のタロスが擬態しており、本物は大勢のスクラル人がいる宇宙船のような場所にいた。
ホワット・イフ...?
第1話では、クリント・バートンとともに『アベンジャーズ』序盤の四次元キューブ研究施設におり、1970年代からタイムスリップしてきたペギー・カーターに対し、「剣を置いてくれないか」(これは『アベンジャーズ』でのロキに対する「杖を置いてくれないか」のオマージュ)といい、狼狽するペギーに「戦争は終わったんだ」と告げた。
第3話では主人公。
『アイアンマン2』『マイティ・ソー』『インクレディブル・ハルク』の時期において、アベンジャーズのメンバー候補が次々と不審死を遂げていき、ソーまでもが死んでしまったことでロキ率いるアスガルド軍に対処。最終的にロキと協力し、真犯人であるハンク・ピムを逮捕するも、アベンジャーズがいないためロキの地球侵略を許してしまう。だが、「アベンジャーズとは概念だ」と諦めてはおらず、北極でスティーブを見つけ、またかつての戦友であるキャロルを呼び寄せ、ロキへの抵抗を示す。
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
直接登場しないものの、ダメージコントロール局のクレイアリー捜査官とピーターとの会話で名前が挙がっており、フューリーが宇宙にいること、それをダメージコントロール局が把握していることが示された。
シークレット・インベージョン
初の主人公となるドラマシリーズ。
コミックの同名タイトル同様、地球に潜入した悪のスクラル人との攻防が描かれる。
※ネタバレ注意!
『キャプテン・マーベル』終盤に旅立ったタロスたちは、数年後には諦めて地球に帰還しており、彼らの新たな母星を引き続き探す代わりに、その擬態能力を活かして世界各国でスパイ活動に従事させていた。
その内の1人であるヴァーラことプリシラ・フューリーと結婚していたことも明らかになったが、指パッチンも含めて家を空けがちであったため、夫婦仲は良好ではない。
そして現代、自身が約束を破ったと考えたグラヴィクたち過激派がテロをきっかけとした地球乗っ取り作戦を開始したため、『エンドゲーム』以降久々に地球に帰還。人類を守るために行動する。
テロ事件を解決した後は、妻を伴って再び宇宙へ戻った。
マーベルズ
おそらくS.W.O.R.D.の所管である宇宙センター「S.A.B.E.R.」の監督として登場。
『キャプテン・マーベル』で知り合ったモニカ・ランボーが部下になっている。
余談
MCU以前の1998年に本国アメリカで、彼を主人公にしたテレビ映画『Nick Fury: Agent of S.H.I.E.L.D.』が放送されている。
演じたのはデビッド・ハッセルホフ。日本には輸入されていないため、知名度は皆無に近い。
大人の事情
1990年代に、パニッシャーに殺害されてしまうという展開があった。しばらくの間で出番なしのままであったがアメコミファンの不評を買うことになってしまった。
とにかくそれはコピーアンドロイド、影武者だったとかそういうことにして「実は生きていました」という形で2000年代『シークレット・インベージョン』、スクラル人の地球侵略騒動で再登場した。
現代は、上述したとおり原作アメコミの展開であるが、正史世界、本編ではアース1610版(アルティメッツ)を連想させてくれるニック・フューリーJr.が代わって活躍している。
とにかく世代交代という形で原作を強引に、映画版に合わせて黒人に設定変更したと思われる?
(2016年6月時点の表記)