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概要編集

MARVELコミックを代表するアンチヒーローの1人。

1974年に初登場、'87年からは単独タイトルが刊行された。


正面に大きく白い髑髏を描いた漆黒のコスチュームが特徴で、"Punisher"=「断罪者」の名の通り、非情の私刑執行人。


人物編集

オリジン編集

本名:フランク・キャッスル(Frank Castle)。元アメリカ海兵隊所属の軍人

家族と共にセントラル・パークでピクニックを楽しんでいたが、突然勃発したギャング同士の抗争に巻き込まれ、その流れ弾によって最愛の妻と子ども2人が帰らぬ人となってしまう。


暗黒街のギャング達への復讐を固く誓った彼は一切の過去を捨て、クライムファイターとして法の裁きを逃れている犯罪者たちを断罪するべく、主にニューヨークを中心に活動を始める。


初登場は『the Amazing Spider-Man #129』。

当時ノーマン・オズボーンの殺害容疑をかけられていたスパイダーマンを狙うジャッカルというヴィランに唆され、雇われ狙撃手として交戦した。


特徴編集

MARVELのヒーローは基本的に、相手がどんな極悪人でも故意に殺すことはないが、彼の場合は悪人ならば老若男女容赦せず冷徹に殺害する

そのため彼自身が犯罪者として警察に追われる身であるのはもちろん、他のスーパーヒーロー達とも対立しがち、あるいは軽蔑されがちである。現実のアメリカの治安の悪化という背景事情がこうしたヒーロー像を求め、許容するようになったと見られている。


とは言え決して残虐な人物ではなく、本来は温かな家庭人であり(だからこうなったとも言える)、彼自身も自分の行いを決して良いものとは考えておらず、それ故に苦悩することもある。

スパイダーマンやデアデビルなど、ニューヨークを中心に活動するヒーローとは一応の親交がある。

それに加え、パワーパックのような子供のヒーローたちや、フランクリン・リチャーズのようなヒーローの子息たちなどとも親交があり、その際にはかつての家庭人らしい一面を見せる事も。

ただしライター(脚本家/ストーリー担当)によっては「一応、本人は善き市民・家庭人になろうと努力はしていたが、基本的に妻子を失なう前からある種の異常者」という性格設定がされる場合も有る。(特にパニッシャーがファンから英雄視されるのを避けようとする作風のライターの場合)


また、パニッシャーほど苛烈では無くとも場合によっては殺人も辞さないウルヴァリンとは、ある種の共感を持ちあっている様であり、同じく被害者の復讐を代行するゴーストライダーともよく共闘している。

コミックスには3人が共演して共に戦うエピソードも存在しており、今やMARVELコミックを代表する三大ダークヒーローの1人に数えられる。


能力編集

超人ではないが、元海兵隊員という経歴から銃火器を初めとした様々な武器類を自在に使いこなすことができ、格闘術(武術による白兵戦の腕前も超一流で、他のヒーローに決して劣らない戦闘能力を誇る。

また『Deadpool』誌では(恐らく"処理"した)ヴィラン達の武器も回収し使用したり、『シビルウォー』ではアイアンマンことトニー・スタークの会社の倉庫に忍び込み、ハイテク装備を盗み出し使用していることも判明している。


さらに相手を倒すためには躊躇もなく、手段も選ばない。そのため、たとえスーパーパワーを持つヒーローであっても真っ当に戦おうとすれば、あっという間に裏をかかれて痛い目に遭わされてしまう。この事から、クロスオーバー作品においてパニッシャーは油断ならない相手として認識されている。


関係者編集

  • ライナス・リーバーマン / マイクロチップ

武器を提供している武器商人で、数少ない友人の1人。

同様にギャングに家族を殺された過去を持つ。


  • マーティン・ソープ

警察署の「パニッシャー対策本部」を統括する刑事として、表向きはパニッシャーを追う立場だが、本当は協力者の1人であり、法の処罰を逃れている犯罪者たちの情報を提供している。


宿敵。元はイケメンの暗殺者であったが、フランクに顔を傷つけられてしまい、以後フランクを付け狙うようになる。


活躍編集

  • スパイ組織「S.H.I.E.L.D.」のニック・フューリー長官を亡き者にしようとする輩による「ニックが家族を殺した」というニセ情報を鵜呑みしてフューリーを狙撃。フューリーは死を偽装し数年間身を隠している。

  • 自分の過ちを恥じて自殺したものの神の使いによりゾンビのごとく蘇った?後に元の人間に戻ったとの事(当時の人気低迷による編集部のテコ入れ)

  • 『シビルウォー』事件で(元の人間として)再び姿を現す。数々の事件を得てノーマン・オズボーン率いるダークアベンジャーズとの対戦により死亡。その亡骸はマッドサイエンティストにより「フランケンシュタインの怪物」のごとく蘇ったとの事
  • ・・・と思いきや、元の人間に戻ったとか色々忙しい人物である。


  • 2020年代前半では色々有って、悪の忍者軍団「ザ・ハンド」の首領となる。「ザ・ハンド」の守護神である悪魔「ザ・ビースト」の加護を受け、神様クラスの相手とも互角に戦えるほどの戦闘能力を得るが……実際は、ザ・ビーストの力で生き返った妻を人質に取られているも同然の状態だった。
  • そして、ついに、妻に自分が今までやってきた事を知られ、以下のような三行半を叩き付けられる。
    • あんたは悪人とは言え数知れない人達を無慈悲に殺してきた。頼んでもいないのに私と子供達の復讐という名目で
    • あんたとは離婚する。
    • あんたの隠れ家に有った武器は全部売り払った。その金の半分は離婚の慰謝料として私がもらった残りの半分は子供の名前で慈善団体に寄付した
    • まだ私を愛してるのなら、頼むから、ずっと死んでてくれ
  • 絶望の中、ザ・ビーストの力で文明が崩壊した平行世界に転移し、その世界の子供達を守るヒーローになろうとするが……?

メディア展開編集

単独ゲーム編集

1993年にカプコンから発売。『ゲーメスト』読者には「パニシ」でお馴染みの存在である。


センシティブな作品

pixivではミズキを始めとしたオリジナル女ザコ忍者のイラストが多い。


アニメ編集

  • アベンジャーズ コンフィデンシャル:ブラック・ウィドウ&パニッシャー

日本語版:玄田哲章


マッドハウス制作の中編アニメでは主人公の1人。

アベンジャーズのメンバーであるブラックウィドウにも引けを取らない戦いぶりを見せ、ニック・フューリーに腕を見込まれて任務の協力を依頼されている。


単独映画編集

これまでに3作あるが、どれも繋がりは無い単発作品。


1989年版編集

演:ドルフ・ラングレン、吹替:大塚明夫


オーストラリアの会社主導で制作、日本では翌年に公開。

「以前の経歴は刑事で、犯罪者の逆恨みで家族を殺害された」「ドクロマーク入りのコスチュームを着用していない(代わりに犯罪者を処刑する際に使うナイフの意匠として盛り込まれている)」など改変が多く、コミックファンからは不評。


2004年版編集

演:トム・ジェーン、吹替:小山力也


ハリウッド制作の第2弾。フランクの父を演じた名優ロイ・シャイダーの遺作でもあった。

パニッシャーとなるまでの経緯が描かれているが「前職は湾岸戦争への従軍経験やCTUに所属した経歴を持つFBI捜査官」「舞台もニューヨークではなくフロリダ州のタンパ」と、こちらも設定変更がある。

公開時は反響が少なかったが、ビデオやDVDのヒットから続編製作が決定し、これが紆余曲折の末、次回作となった。


2008年版編集

演:レイ・スティーヴンソン、吹替:大塚明夫


詳しくは⇒『パニッシャー:ウォー・ゾーン』を参照。

一番バイオレンスな描写が濃く、また比較的コミックに忠実な設定で、協力者であるマイクロやソープ刑事が登場するのも本作のみ。


MCU編集

演:ジョン・バーンサル、吹替:坂詰貴之


Netflixにて配信のスピンオフドラマデアデビル』のシーズン2にて初登場。

単独主演ドラマも2シーズン製作された。


家族を犯罪者集団に殺害された際に自身も頭部を負傷し死にかけるも、謎の人物達によって蘇生され以後処刑人としての活動を開始。法で裁けぬ悪と戦うという共通の目的を持ちながら、(表の顔が弁護士という理由もあるが、超えてはならない一線として)殺人を絶対否定するデアデビルとは激しく対立。悪党ではないがヒーローでもない、という位置づけである。




2023年3月、フェイズ5に含まれるドラマ『Daredevil: BORN AGAIN』にも登場することが発表された(後に、撮影現場のオフショットも公開)。

現状、Netflixドラマの主人公がメイン作品に合流するのはデアデビルに続き2キャラ目。


デッドプール&ウルヴァリン』でも名前のみ登場。上記の実写版3作のいずれかの個体の可能性があるが、詳細は不明。

劇中では既に死亡しているが、形見として愛用していたバズーカを遺しており、これがレジスタンスたちによるカサンドラ・ノヴァへの襲撃作戦の際に使われることになる。



その他編集

PUNISHER IN RAMADI

  • トレードマークのドクロは米国海軍特殊部隊"SEALs"が好んでボディアーマーやヘルメットに大きくトレードマークとして描いている。……MARVELコミックの登場人物の中でも遵法精神・人命尊重の考えの欠如に関してはヒーロー・ヴィランのどちらと見做してもトップクラスにマズい奴だけどいいのか?
  • また、当時これらが軍で流行っていた背景から元軍人の警官がパニッシャースカルのロゴを使用し「警官が法を逸脱する犯罪者のロゴを使用しているのは不適切」として問題になった例も存在し、現在ではカエルのペペと同じく過激・極右思想のアイコンとして無断使用される例が増え続けている。
  • 生みの親の1人であるジェリー・コンウェイは上記について「体制がパニッシャーを悪用している(大意)」として強く非難しており、ついには警官がパニッシャーのロゴを使うのを止めさせる募金までしていた。また、Netflix版でパニッシャーを演じたジョン・バーンサルもこの事態を非難していた。
  • マーベルも問題視したのかコミックでパニッシャースカルのデザインが変更されたり、警官がアイコンとしてスカルを使用したものをパニッシャーがビリビリに破いて否定するシーンがストーリーで描かれたりと対策を講じているが焼け石に水状態となっている。

クロスオーバー

  • あの耳のとがったマスクをつけた男とは、DCコミック版とMARVEL版の二作が存在するが、互いに同じ「ただの人間」であり、理不尽に家族を奪われたという同じ過去を背負うクライムファイターでありながら、感情を押し殺して犯罪者を殺さない彼と、怒りを隠さずに犯罪者を処刑するパニッシャーを対比させる形で描かれている点では両作とも共通。
  • ちなみに最初に出会ったのは、ある悪漢に背骨を折られて、その間にその名を襲名した方である。後に本来の彼の方とも対決した。

対するヴィランも、ジグソウとともによく笑うあいつが登場した。

  • また、パニッシャーの相棒のマイクロも、相棒であるとある少年と、コンピューターのハッキングで対決した。

  • DCとの一大クロスオーバー『アマルガム』では「bullets&bracelets」として、ワンダーウーマンことダイアナと夫婦になり、2人してクライムファイターになっていた。

関連イラスト編集

パニッシャー


関連項目編集

MARVEL ジグソウ(MARVEL)


銃始末

公式が病気

絶対殺すマン


クライムファイター


ロールシャッハ・・・DCにおける同族

ブラックラベル・・・同じく法で裁けぬ悪人を容赦なく抹殺する組織。

善悪の屑怨み屋本舗必殺シリーズ・・・被害者からの依頼を受け、法の裁きを逃れている犯罪者に復讐を遂げていく復讐代行業の物語。


小森ユウ・・・スパイダーマンの1人であるが、最終的にパニッシャーと同じ行動に走ってしまった。


二代目ビジランテ(DCコミック)・・・DCにおける、パニッシャーと同じ理由でクライムファイターとなった者。本名エイドリアン・チェイス。超能力を持っていない常人である事も共通。ただしこちらは現役の検事であり、フランク・キャッスルほどの戦闘能力は有していない(自力でトレーニングして、戦闘技術は習得してはいるが)。また、パニッシャーのように問答無用で悪人を殺害もしない(次第にパニッシャーと同じになるが)。元は、MARVELのパニッシャー人気を見て、DCコミック版パニッシャーとして創造されたキャラクター(なお、二代目とあるように、「ビジランテ」の名を持つクライムファイターは複数存在する。初代は西部劇におけるヒーローで、三代目以降も存在している)


外部リンク編集

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