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ゲーメスト

げーめすと

今は亡き新声社が出版していた(ある意味)伝説のアーケードゲーム攻略誌。
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何が伝説か編集

ゲーム攻略の月刊雑誌は数あれど「アーケードゲームを主とした攻略誌」という点で当時唯一無二の存在であった。1990年代の対戦型格闘ゲームブームの到来で一気に販売部数が伸び、その勢いは月刊であったのが隔週刊化されるほど(実はその頃に別の会社によるアーケードゲーム攻略誌が誕生しているのだが、直ぐに廃刊となっている)。実際、ライター陣は高難度のゲームが揃ったアーケードゲーム界隈で腕を磨いており、その攻略レベルは非常に高く、独自にカウントした技のフレーム数やダメージなどのデータや実戦的な戦術論などが数多く掲載され、ゲームクリアやハイスコア更新の一助となっていた(但し、シューティングゲームの攻略で「気合で抜けろ」という攻略になってない記事が載ることも多かったのだが…)。


しかし、本当の伝説はそこではなく、とにかく記事内に異常に誤植が多く、その誤植がことごとく笑えるという点である。

レバー入れ大ピンチ」、「インド人を右に」、「ザンギュラのスーパーウリアッ上」、「確かみてみろ!など、インパクト溢れる誤植で読者の爆笑を誘う恐ろしい雑誌で、誤植探しを楽しみにする読者もいたという(何と誤植の訂正記事の中にまで誤植がある体たらく)。その誤植の多さが原因で、校正担当(読者コーナー担当兼任)が罰ゲームとして褌一丁キャラコスプレをさせられることもあった。雑誌が廃刊し、出版社が倒産しても誤植のインパクトは忘れられることがなく、後にこれらの誤植をモチーフとしたTシャツが販売される始末である。まさに『誤植=ゲーメスト』の図式が後世まで残るという伝説の雑誌であった(誤植以外には「キャプションの入れ違い」「写真の掲載ミス」なども度々起きていた)。

なぜここまで誤植が多いかというと、ライターの多くがゲーセンでスカウトされたゲーマー上がりの半アマチュアで執筆経験の無い者が多く、ワープロなどデジタルではなく手書きのアナログ原稿を多用していた上に揃いも揃って悪筆で文字の判別が困難であったからと言われる。そしてゲーマーとして締め切りを越えてまで攻略をして校正をする時間がとれない状態で出版されていたということもあったようだ。また、当時の写植業界にアーケードゲームへの理解が少なく、用語を適切に拾えなかったことも大きな要因であった。


ちなみに、吉崎観音(既にファンロードで有名だったが)や荒川弘村田雄介など読者投稿ページから多くの漫画家やイラストレーターを輩出していることでも知られる。

「安地(安全地帯)」「めくり」「大(小)パンチ(キック)」など、当誌から広まったゲーム用語も数多い。

また上記の誤訳にも関するが、記事内で当て身投げを安易に省略して「当て身」と記述した結果として、格ゲー業界内では本来の武術とは真逆の意味に捉えられてしまい、そのまま広まってしまった、という経緯もある(詳しくは当て身投げを参照)。

1999年、対戦型格闘ゲーム人気が下火になってはきたものの、まだまだ人気雑誌であったのだが、発行元の新声社が突然の倒産、読者には何の告知もないまま廃刊となった(直前の号にも普通に次号予告が載っていたぐらいである)。これは、自社ビル建設により急激に資金難に陥ったのが原因と言われている。


その後、主要スタッフが異動して創刊したのが、エンターブレイン刊「アルカディア」である。

…が、こちらも2015年に不定期発行に変更する旨のお知らせを経て、ファミ通.comへ情報媒体を移して以降廃刊。「理想郷」とは何だったのか。

尤も「攻略wiki」といったような手軽に情報更新が利く百科事典型サイトの普及でゲーム攻略誌全般が厳しい時代なので仕方がない。そもそもパソコンや家庭用ゲーム機の高性能化、及び家庭用インターネットの普及でゲームセンターそのものが減少傾向であり、アーケードビデオゲームもメダルゲームやプライズゲームに取って代わられる一方である。


pixivでは表紙パロや誤植ネタを題材にしたイラストが投稿されている。


関連イラスト編集

ラ・ジャポネーズ


関連動画編集

岡本吉起が語るゲーメストの思い出&カプコンとの関係


元編集長石井ぜんじと岡本吉起の対談

その一


その二


その三(最終回)


関連項目編集

インド人を右に ザンギュラのスーパーウリアッ上 確かみてみろ! レバー入れ大ピンチ 誤植

アルカディア


江田島平八:ある意味でも「やると思った」という誤植の一つ。リンク先の人物が正しい表記と言えば、なんとなくでも分かるかもしれない。

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