概要
誤植に定評のあったゲーム雑誌として知られるゲーメストがやらかした中でも、最も有名なものの一つ。
メイン画像にもある通り、正確(?)な全文は、縦書きで「くお〜!! ぶつかる〜!! ここでアクセル全開、インド人を右に!」。
セガのレーシングゲーム『スカッドレース』の攻略記事中、急カーブを曲がるテクニックの画像に添えられた一文である。
本来なら「“ハンドル”を右に」としたかったものが、当時は手書き原稿で文章を入稿していたため、あまりの悪筆で「“/1ンド/レ”を右に」という感じになっていたらしく、写植担当の人には「“インド人”を右に」としか読めなかったと言われている(下画像参考)。
▼参考画像
手書き原稿による写植作業という伝統的な出版・印刷手法ならではの誤植と言えるが、硬派なレースゲームの解説で脈絡なく登場する「インド人」という組み合わせが当時の読者の爆笑を誘ったことは言うまでもない。
また、同じくゲーメストの伝説的な誤植である「ザンギュラのスーパーウリアッ上」「確かみてみろ!」が『ストリートファイター』シリーズに関連したものだったため、同シリーズのインド人であるダルシムがネタにされるという巻き添え被害も産み出した。
元ネタとなったスカッドレースは難易度が高く、初心者にはハードルが高いということもあって、セガのAM2研が出したゲームとしては当時はあまりヒットせず、同世代のデイトナUSAやセガラリーチャンピオンシップ、リッジレーサーのようなレーシングゲームに比べて知名度は低い。またアーケード用以外の家庭用機やPCなどへの移植が一切ないため、古参ゲーマー以外は「『インド人を右に』ネタは知ってるけど、「スカッドレース」というゲームは知らない」とも言われがち。
pixivでこのタグがついた絵としては、元ネタとなった画像の改変パロ、誤植とは関係のないスカッドレース関連、もしくは前述のダルシムネタを用いたものが多いが、文字通り画像の右側にインド人を置いたもの、果ては「国旗や象、カレーなどでインド人を連想させる」というだけでこのタグがつけられることもある。
なお、現在は原稿の電子化やレイアウトのDTP化によりこうした「手書き文字の解読ミス」による誤植はほぼなくなったとされている。
しかしその分タイプミスや誤変換に起因する誤植が増えた→レバー入れ大ピンチ
余談
- そもそも左カーブなのに「ハンドルを右に」切るという説明がおかしいと言われることもあるが、ハンドルを左に切ったドリフト状態から体勢を立て直す「カウンターステアリング」の説明なので、右に切ること自体は正しい。
- 元ゲーメスト編集長である石井ぜんじが2015年1月に出版したコラム本「石井ぜんじを右に!」のタイトルの元ネタにまでなった。当人もしばしば「右井ぜんじ」という誤植の被害に遭っていたことで知られる。
- CHUNITHMの初期追加楽曲には、この誤植を元にしたであろう楽曲『The wheel to the right』が収録されている。曲名を訳すと「ハンドルを右に」。曲中では空耳ではなく本当に「インド人を右に」と言っている。作曲者は『Sampling Masters MEGA』こと細江慎治。
関連タグ
ゲーメスト 誤植 ザンギュラのスーパーウリアッ上 確かみてみろ! 何をするだァーッ
- むこうぶち...この誤植をネタにしたことがある。ちなみに、作者の天獅子悦也はかつてゲーメストで龍虎の拳やギース・ハワードの漫画を連載していた。
- CHUNITHM...上記の通り、この誤植を元ネタにした楽曲が収録されている。
- maimai...maimaiにも『The wheel to the right』が収録されている。
- ハイスコアガール...ハルオが修学旅行で近鉄奈良駅への道を尋ねた際に返ってきた言葉が、この誤植であった。アニメ版の第8話で映像化もされた。ちなみに同マンガでは「確かみてみろ!」も「ザンギュラのスーパーウリアッ上」もネタとして登場している。
- 織田信長(水着)...2017年のサマーイベントにてこの台詞を発言したキャラクター。