作品情報
善悪の屑(第1部)
出版社 | 少年画報社 |
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掲載誌 | ヤングキング |
レーベル | YKコミックス |
発表号 | 2014年10号 - 2016年7号 |
巻数 | 全5巻 |
話数 | 全37話 |
外道の歌(第2部)
出版社 | 少年画報社 |
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掲載誌 | ヤングキング |
レーベル | YKコミックス |
発表号 | 2016年8号 - 2023年5号 |
巻数 | 全15巻 |
概要
復讐代行を扱った漫画で、罪を犯しても懲りない輩、少年法を盾にして反省しない非行少年、犯罪を正当化するもしくはその自覚がない奴らを、「法律では裁けない」という垣根を取っ払って力技で拷問にかけて断罪する、『復讐屋』の二人組の男たちのストーリーである。
作中における犯罪行為が、実際に起こった事件を取り扱っているのが特徴。
少年画報社から月2回刊行されている『ヤングキング』にて、2014年10号から2016年7号まで連載され、現在は第2部である『外道の歌』が連載されている。善悪の屑の30話から加害者又は依頼人の視点で物語が進行する事が多くなり、『復讐屋』の二人が章の途中又は最後に登場する場合が存在する。
登場キャラクター
「おまえさんまさか 本気で生きて帰れると思ってないだろうね?」
主人公。坊主にサングラスと怖そうな外見だが、内に秘めた正義感は強い。被害者の依頼によって、犯罪に懲りない輩を拷問にかけて断罪、多くは殺害する。妻子持ちの真人間だったが、妻子を警察官僚の息子に押し込みされて殺害された。このことが、現在の自分を作り上げ、自らをクズと称する必要悪として行動する。
普段は依頼に来た被害者を気遣うような発言をしたり、なんだかんだ面倒見がよかったりと外見とは裏腹にごく一般の家庭を持っていた時期の彼の一面をのぞかせる一方で、悪人に対してはたとえ未成年や女性だろうと容赦ない拷問にかけたり、依頼者から「もういい」と言われた場合でも後々殺害したりといった行為を躊躇なく行う非情さを見せる。加害者が迫害等で疲弊し、相手にとって殺す事が救いとなる場合や被害者本人の意思に反して家族が勝手な思い込みで依頼した場合は流石に殺さない。
普段は自身の書店、『カモメ古書店』の店主をしている。
依頼する際は大体適当な本を持ってカモに値段を聞き、カモが「いくら出せるの?」と依頼料を聞くという形式をとっている。依頼料は本人が出せる範囲だが大体は毎月の収入の3カ月分となる(会社員なら給料、老人なら年金など)。
また「復讐に大きいも小さいもない」と語っており、依頼は了承すれば凶悪事件の犯人への制裁から飼っていた動物の仇などまで拒むことなく引き受ける。
制裁相手に放った台詞の中でも、「もう二度とウンコできないねえ」は特に有名。詳しくは当該記事にて。
「オレはな ああゆうクズ野郎をブッ殺すためだけに生きてんのや」
もう一人の主人公で、カモの相棒。関西弁を話す。かつて地下格闘技をやっていた経験から格闘能力に優れており、主に復讐執行対象の捕縛を担当している。
悪人を恨む気持ちが人一倍強いため捕縛の時点で殺そうとしてしまう場面がある一方で、カモのように非情になりきれない部分があり、カモの行う拷問に嫌悪感を見せたりすることもしばしば。
母親を強盗によって失っており、そのことと加害者の強盗に課せられた罪があまりにも軽いことから悪人を憎むようになっている。
開成 奈々子(かいせい ななこ)
「あ カモさん ご飯まだスか?」
カモの書店に居候している20歳の女性、元々は引きこもりだったが押し入った謎の男に両親と従姉妹を殺害されており彼女のみが唯一生き残った。
元々は復讐代行の依頼者だったが、自身を囮に引き寄せた復讐対象を取り逃してしまったため匿う意味で書店に居候させている。
頭の回転が速い一面があり、とっさの判断で行った行為によって取り逃した復讐対象をすんでのところで捕縛出来たことも。
園田 夢二(そのだ ゆめじ)
奈々子の両親と従姉妹を殺害した犯人。奈々子から依頼を受けたカモ達によって一度は捕まりかけるも巧妙な手口で逃げ切り、以後は追われる身となる。
表向きは「ゴアゴアコミック」という出版の編集者をしており、自らも作家志望。
彼を主人公にしたスピンオフ『園田の歌』が存在する。全6巻。
榎 加世子(えのき かよこ)
カモ達と同じ復讐屋「朝食会(ブレックファストクラブ)」の代表。
同じ復讐屋だが、こちらは本人が復讐を行うための手助けをする復讐支援であり、
カモ達とは相容れぬ存在。 本作におけるライバル的な立ち位置。
相棒の鶴巻とは被害者と加害者家族という関係だが、互いに同じクズに人生を壊された仲間として一緒に行動している。
彼女を主人公にしたスピンオフ『朝食会』が『ヤングキングBULL』で連載中。既刊4巻。
カモの叔父
職業は刑事。スキンヘッドに強面で、ヤクザのような外見が特徴。父方・母方どちらの叔父かは不明。復讐屋の協力者的な存在である。
ナンパに成功するという怪しいセミナーの講師。その実態が集団強姦に発展するほどの凶悪かつ卑劣なものであるため、被害者の女性に依頼されたカモたちに断罪される。『外道の歌』でも懲りずに同様の手口を用いていたが、再度カモたちに制裁される。
ネット上においては
当初はあまり知られていない漫画であったが、一時期ネット広告(電子漫画サイトなど)にて
「未成年だから何をしても許されるっていうのは大いなる勘違いだよ」
「お前さんの精子工場は本日をもって閉鎖だ」
などといったインパクトのある台詞が掲載されていたことや、主人公のカモの風貌が発言や行動の常識外れさでネタにされていたとあるYoutuberに似ていることから話題となった。
騒動と人気
2016年2月において、自主規制団体が本作の単行本第4巻を「猟奇的で残虐」「私刑を正当化している」などの理由で少年・治安対策本部に審議を要請し、東京都青少年の健全な育成に関する条例に基づき不健全図書に指定された。
そのため「フィクションなら何でも許されるわけではない」として本作に批判的な人もいるが、それとは裏腹に本作は多くの読者から「怖いけど胸が空いて痛快」「現代版の必殺仕事人」などといった支持を集め、同年の5月ごろから本作の電子書籍配信サイトのバナー広告が注目を集め、単行本と電子版の双方で好調なセールスを記録し、KADOKAWAの配信する「ダ・ヴィンチニュース」では絶賛の声が上がっている。
モバイルコンテンツ事業の株式会社エムティーアイが運営する「music.jp」の書籍ニュースによれば、本作は同サイトの電子書籍セールス集計で5月にランクインし、以降は長らく上位をキープし続けており、同じく電子書籍を配信している株式会社BookLiveが運営するハンディコミックにおいて、2016年の年間ランキング1位を獲得している。
更にはシリーズの単行本と電子書籍の累計発行部数がなんと500万部を突破する大ヒットとなった。
2019年に実写映画として公開予定であったが主演俳優の新井浩文が不祥事を起こしたため、原作者の了解のもと公開中止となっている。
その後、2024年に続編『外道の歌』がDMMTVオリジナルドラマとして実写化。亀梨和也と窪塚洋介がW主演を務める。
関連タグ
Syamu_game(作者公認の鴨ノ目武に似た人物)