概要
アベンジャーズ結成当初からの古参メンバーの一人で、左利きの天才アーチャー。
キャプテン・アメリカ、アイアンマン、マイティ・ソーに代表される、ヒーローチーム「アベンジャーズ」の一員。
幼くして両親を失くし、兄と共に入ったサーカスの一座で並ぶもののいない弓の名手として花形スターになった。
そして弓の腕を生かしてヒーローデビューを果たそうとするも、ヴィランと間違えられる。その最中、当時まだソ連のスパイだったブラック・ウィドウ(彼女も当初はヴィラン扱いだった)にそそのかされて、悪事を働こうとする。しかし、アイアンマンとの出会いによって世間からヒーローと認識され、アベンジャーズのリニューアルメンバーの一人となった(その他は、キャップとマキシモフ姉弟)。その際には短気で横柄且つ自信過剰な面が目立った。
ソーやアイアンマンではなく、自分と同じく何の能力も持たないでチームのリーダーとなったキャプテン・アメリカに対抗心を燃やし、事あるごとにアベンジャーズのリーダーとして相応しいことをアピールしていた。だが次第にキャップの高潔さを認め、彼を唯一無二のリーダーとして尊敬するようになった。
キャップの死後、トニー・スタークにキャプテン・アメリカの名を継ぐように頼まれた時も、彼に対する侮辱に当たるとして断っている。
横柄さや自信過剰さはなりを潜めたものの、短気なところはあまり変わっていない。
割と波乱万丈の人生を歩んでおり、一時期はハンク・ピムのピム粒子の力を得てゴライアスになったり、エッグヘッドというヴィランを殺してしまったり(無罪判決)、何回か死んでいたり、しばらく死んでいたのに生き返ったり、キャプテン・アメリカのコスチュームを一回だけ着てみたり、ホークアイのコスチュームを一時的に捨てて、ローニンという別のヒーローのコスチュームを借りていたりするも、結局ホークアイに戻ったりしている。
設定を一新して展開しているアルティメット・ユニバースでは、平行世界のクリントが登場。ブラックウィドウ共々「S.H.I.E.L.D.」から派遣されたエージェントで、コスチュームが大きく異なる。
また、弓矢に加えて二挺拳銃も使用している。
所属・コスチュームなど映画(MCU)版の基になったのはこちらだと思われる。
コミックおよび後述の主演ドラマでは補聴器を使用しており、特に後者では彼の子供が手話を使えるなど将来的には完全に耳が聞こえなくなる可能性が示唆されている。
能力
弓の扱いが上手い。それだけ。
DCコミックスのグリーンアローとほぼ同じ能力であり、それ以上のスーパーパワーは持っていない。極限まで鍛え上げられ、サーカス一座由来の身軽な肉体を持つものの、キャプテン・アメリカに比べれば常人に過ぎない。
しかし、その腕前はMARVEL世界随一とされ、爆弾や煙幕、更に相手を凍らせたり燃やしたり痺れさせたりと様々な効果を持つ矢を放つ。百発百中の腕前とはいえ、スーパーパワーを持つヒーローやヴィラン、或いは宇宙からの侵略者とも互角以上に渡り合ってきたその技量は尋常ではない。
また、トニーの前でキャプテン・アメリカのシールド投擲術を再現してみせたり、ローニンのコスチュームを受け継いだ時は弓矢以外の武器を扱う器用さも見せている。常人でありながら技術で渡り合う、技巧派ヒーローの代表といって良いだろう。
ただ、上記の通り一時ピム粒子でゴライアスとなっていたためその際の粒子の残留でもあるのか、あるヴィランに能力抑制装置(使用すると周囲のスーパーパワーを持った者は能力を使用できなくなり、苦痛を感じ昏倒したりする)を使用された際には倒れ、シーンとしてはシリアスなのだが下記のモッキンバードに「あなたスーパーパワー無いはずでしょ」とツッコまれたこともあった。
交友関係
- バーバラ・"ボビー"・モールス / モッキンバード
元嫁。スーパーパワーは持っていない技量由来の共通点を持つ。
- バック・チザム / トリックショット(初代)
- ジャック・デュケイン / ソーズマン(初代)
師匠。どちらとも交戦・共闘経験がある。
- チャールズ・バーナード・“バーニー”・バートン / トリックショット(二代目)
実兄。
幼少期に死別したかと思っていたが、実はエッグヘッドにより遺体を盗まれて保存されており、それをバロン・ジモに見つけられて復活。記憶を操作されてアベンジャーズと敵対する。
ダークアベンジャーズの2代目ホークアイにもなっている。
- マヤ・ロペス / エコー
初代「ローニン」。
(体型を誤魔化して正体を隠すための男装なので、クリントが着ても違和感はなかった)
- トラックスーツ・ドラキュラ(ジャージ・マフィア)
元はクリントが住んでいたマンションを買収しようとしていたチンピラ集団。彼らが雇ったカジという殺し屋との戦いで、クリントは聴力を失っている。
後述の主演ドラマにも登場するが、マヤがリーダーに、カジは彼女の幼馴染になっており、後ろ盾にこの人がいる。
- ラッキー / ピザ・ドッグ
住んでいたマンションの近くにいた犬。
トラックスーツの1人によって左眼を失う重傷を負うが助かり、クリントに引き取られる。
主演ドラマにも登場。
ゲーム版
ULTIMATE MARVEL VS. CAPCOM 3
火力の弱さと空中制御の難しさはあるが、原作通り遠距離から弓矢で攻撃するシューティングタイプの中級者向けのキャラ。
特に面白いのがハイパーコンボの「X・Y・Z」で、同じくアベンジャーズの一員であるアントマンを矢で撃ち出すというもの。一段目の矢で煙幕を当てると二発目が発動し、命中すると巨大化したアントマンがコンボを決め、最後に巨大化して踏み潰すというユニークな仕様になっている。
ちなみにこのコンビ技は後述の映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』でも披露された。
アニメ版
ディスク・ウォーズ:アベンジャーズ
CV:竹本英史
デザインは実写版に準じたもの。
スパイダーマン同様ディスクへの封印をのがれておりアカツキ・ヒカルを戦場に導いている。
その後S.H.I.E.L.D.の裏側を探るため単独行動する。
実写版(MCU)
日本語吹替:阪口周平(『マイティ・ソー』)
→ 宮迫博之(『アベンジャーズ』~『エンドゲーム』)
→ 東地宏樹(『ブラック・ウィドウ』~)
フェーズ1の『マイティ・ソー』で初登場。
日本公開時のキャッチコピーは「ありえないほど《俊敏》」
こちらでは最初から「S.H.I.E.L.D.」のエージェントの1人で、サーカス出身という設定がなくなったのか、原作初期のような派手なコスチュームは着ていない。
アベンジャーズの初期メンバー6人で唯一の妻帯者にして子持ち。家族は妻のローラと、長男のクーパー、長女のライラ、次男のナサニエル=ピエトロ(『エイジ・オブ・ウルトロン』で誕生)がいる。
マイティ・ソー
初登場。
地球に落下し、誰にも動かせないムジョルニアを監視するS.H.I.E.L.D.の前線基地で侵入者の監視を担当。侵入したソーに対し、「面白い奴」と笑う。
アベンジャーズ
サノスがロキに貸し与えた槍/セプターの力でマインドコントロールを受けてしまい、中盤まで敵としてアベンジャーズを苦しめた。洗脳が解けた後はアベンジャーズの一員として地球に大攻勢をかけてきたチタウリ軍団に対して勇敢に立ち向かった。
リモコンで鏃の交換可能な矢筒を背負っており、ハッキング用端末や炸裂弾等に交換が可能。
アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
アベンジャーズの一員として活躍。また、妻子持ちであったことも判明。優れた技量の持ち主とは言え普通の人間であるからこそ、クリントの存在がアベンジャーズには不可欠であると述べられた。ウルトロンとの決戦直前には妻との間に死亡フラグとも思えるようなやり取りをするも、無事に戦いを生き延び、最終的には新しい男の子まで授かった。
最終決戦の中、ワンダ・マキシモフにかけた「怖いならここに隠れてろ、迎えを寄こす。でもここから一歩でも出たら、君もアベンジャーズだ」は、本作を代表する名台詞だろう。
終盤、取り残された男の子を助けるために単身駆け出し、ウルトロンの機関銃攻撃から子どもを守ろうとするが、そのクリントを救うためにワンダの兄ピエトロ・マキシモフが高速移動して突き飛ばし、代わりに銃撃を受けてしまう。
「(早すぎて)見えなかった?」と、出会ったときと同じセリフを吐いて息絶えるピエトロの献身に感銘したクリントは、決戦後に生まれた次男ナサニエルの名前を「ナサニエル=ピエトロ・バートン」にした。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
『エイジ・オブ・ウルトロン』の後、一度引退していたようだが、キャップを助ける為にヒーローに復帰し、トニーに閉じ込められていたワンダを連れ出し、キャップ達と合流する。
空港での戦いでは、上にもあるように、アントマンとの連係プレーを見せた他、剣術(棒術?)も披露する。最終的に、スティーブとバッキーを逃がすものの、自らは逮捕され、ラフト刑務所に収監される。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
直接は登場しないものの、司法取引でラフト刑務所から出所し、自宅軟禁となっていることが語られる。
アベンジャーズ/エンドゲーム
冒頭、家族と自宅で過ごす(足首に、自宅敷地外に出ないよう監視装置がある)中、ほんの一瞬目を離したすきに家族全員が消滅した。
5年後、その怒り、悲しみ、悔しさを晴らすように、世界中でマフィアを殺す「ローニン」となっていた。迎えに来たナターシャが、家族を取り戻せるかもしれないと告げると、「今更希望なんか…」と泣くような顔を見せる。
しかしながら僅かな希望を望んで、アベンジャーズに合流。ナターシャとともに2014年のヴォーミアへ行くも、ソウルストーンの獲得にはクリントとナターシャどちらかの死が必要とわかり、ナターシャと自殺のし合いをする羽目になる。結果、ナターシャは自ら谷底に落ち、クリントの手にはソウルストーンが出現した。
現代に戻り、ブルースが指パッチンで消えた人々を戻したときは、クリントのスマホにクリントの妻から電話があったことが、その証拠となった。
最後のサノス軍との戦いでは、地下水道に落下したインフィニティガントレットをいち早く発見し、襲ってくるサノス軍をローニン時代の刀で撃退する活躍を見せた。
決戦終了後、とある人物の葬式に参列したのち、大切な人を亡くした悲しみを、ワンダと分かち合った。
ブラック・ウィドウ
本作から日本語吹替が東地に代わった。
直接は登場せず、回想シーンにのみ登場する。
ホワット・イフ...?
MCU映画とは異なる時間軸のバートンが登場する。
第1話では、S.H.I.E.L.D.の施設(『アベンジャーズ』冒頭で登場した、ロキが出現した場所)にて、過去からタイムスリップしてきたペギー・カーター / キャプテン・カーターをニック・フューリーとともに発見。フューリーに「彼女、キャプテン・カーターです」という。
第3話では、ムジョルニアを取り戻しに来たソーを監視中(『マイティ・ソー』の1シーン)、誤って彼を射殺してしまう。バートンは自分の意志ではないと主張するも信じてもらえず、牢(『マイティ・ソー』でソーが捕まっていたもの)に入れられ、スタッフが監視する中、何者かに殺害される。
第8話では、ウルトロンがヴィジョンを手に入れてしまった世界にて、他のアベンジャーズが倒される中、ナターシャと共に行動する。しかしウルトロンが核ミサイルを世界中に打ち込んだため人類のほとんどが滅亡。それでもウルトロンを倒すため、時に戦意を失いつつも奮闘する。シベリアのコンピュータに残されたアーニム・ゾラの意識を使い、ウルトロンを内部から破壊する作戦を実行中、ウルトロン・セントリーの追撃を受け、ナターシャを逃がすためにセントリーを巻き込んで自爆する。なお、ウルトロンとの戦いで失われたのか、右腕がメカニカルな義手になっている。
ホークアイ
初の主人公となるドラマ。
『エンドゲーム』後、家族とともにアベンジャーズを題材にしたミュージカル(NY決戦が元なのになぜかアントマンが居る)を観に訪れたニューヨークで、「ローニン」の衣装が何者かに使われていることを知る。
その正体である、『アベンジャーズ』の戦いがきっかけで自分に憧れているケイト・ビショップを見つけるが、彼女が喧嘩を売ったトラックスーツ・マフィアとの争いに巻き込まれ、さらに自分がナターシャを殺したと焚き付けられたエレーナ・ベロワから狙われる。
本作で遂に原作準拠の紫色のコスチュームを着る事になった。
デッドプール&ウルヴァリン
直接の登場は無いが、TVAがウェイドに過去の活躍を見せる形で出演。
また、劇中ではデッドプールがローニン時代にやっていた『腕を挟んで刀に付いた血を拭く』オマージュを披露している。