曖昧さ回避
『超人バロム・1』に登場するキャラクターについては⇒アントマン(超人バロム・1)を参照。
概要
MARVELコミックで活躍するスーパーヒーロー、およびそれを主役とする作品タイトル。
キャラクターとしては1962年に初登場。
物体の大きさを変えることのできる化学物質「ピム粒子」を用いて、特殊なスーツを着た自身を蟻サイズまで小型化する、というのが基本能力。
物質すり抜け・侵入・スリを始め、パワーが下がるどころか弾丸並みの速度による優れた格闘能力、さらにヘルメットからの電波で強化改造された蟻と交流・使役も可能。
また巨大化もでき、自身が大きくなった場合は「ジャイアントマン」と呼ばれる。
物体のサイズも自在に変更できるため、本人の力量によってはトリッキーな戦い方を見せる。
キャラクター
2022年現在は四人目が現れたが、詳細不明であるためここでは割愛する。
また関係者も含め、身長または虫に関連するコードネームを名乗ることが多い。
主な能力(一部)
- 超頭脳
- 侵入とスリのエキスパート
- 強化改造された蟻との交流&使役(1.6km四方ほど)
- サイズ変更(巨大化した際はジャイアントマン)
- 超小型化による物質すり抜けと侵入
- 物質の巨大化と小型化(上手く応用すれば凄まじい威力)
- 優れた格闘能力(蟻サイズでもパワーは下がるどころか、むしろ速度が弾丸並みになっていて正拳の威力が殺傷力レベルになるほど強い)
- 生体電撃銃とヘルメットからの攪乱熱線(ワスプのスティングより少し威力が低い)
- エネルギー吸収
- ワスプやイエロージャケットの武器&スーツとそれらの能力
- サイボーグ化(一部)した後では、以下の能力などが付随
- 怪力・スピード・タフネス
- 飛行能力
- 焼却プラズマ砲
- 物体牽引光線「トラクタービーム」
- 脳眼異常攪乱光線
- プログラム・トランスミッター
メンバー
初代 ハンク・ピム
(イラスト右)
名前の通りピム粒子を開発した張本人。通称「ピム博士」。
元は研究者で、生化学やロボット工学が主に専門。武器として生体電撃銃やヘルメットからの攪乱熱線を用いる。
ヒーロー名としては一時期名乗っていた「ゴライアス」も知られる。
創設メンバーであるアベンジャーズのメンバーだけでなくファンタスティック・フォーなど多くのヒーローたちと交流があり、蜘蛛サイズになったスパイダーマンに対処したこともある。
ピム博士の人格が分裂した存在。アントマンとは別個に作った、黄色のハチを模したスーツを着ており、後に第三者の手に渡っている。
- ジャネット・ヴァン・ダイン / ワスプ(イラスト左)
活動を始めた初期のピム博士と出会い、以降パートナーとして寄り添ってきた女性。
スーツはアントマンの縮小能力に加え、羽アリのような羽根により単独飛行が可能となったもの。光線銃も威力がすこし高い「スティング」を用いる。
- ナディア・ヴァン・ダイン
ピム博士の前妻との娘。実質的な二代目ワスプ。
二代目 スコット・ラング
1979年デビュー。ピム博士からアントマンを引き継いだ男。
前職が電気技師なのでエンジニア・機械関係なら博士よりも詳しく、縮小化して仲間の脳内の神経を治したこともある。
しかし前科持ち・親馬鹿な一面もあり、きっかけからしてスーツをもらったのではなく娘を助けるためとはいえピム邸から盗んで使用している。
- キャシー・ラング / スタチュア → スティンガー
スコットの娘。
昔からピム粒子を浴びていたことが要因で、縮小・巨大化が専用スーツ無しで可能になった。
三代目 エリック・オグレディ
"Eric O'Grady"。2006年にデビュー。
能力を悪用した火事場泥棒や覗きをやらかすなど、お世辞にもヒーローとは言えない文字通りの「小悪党」だが、やるときはやる男。
元はS.H.I.E.L.D.のエージェント。同僚が警備中にアントマンスーツを盗んで着用し縮小、元に戻れなくなった際にヒドラの襲撃を受け死亡。その場でスーツを逃げるために奪い、追われる身となった。
途中、瓦礫から少女を救ったのを機にD.O.D.C.に就職、「デレク・サリバン(Derek Sullivan)」として「スレイング・マンティス(Slaying Mantis:殺人カマキリ)」を名乗っていた。
やがてS.H.I.E.L.D.に確保されたものの、他にスーツを使いこなせる人材がいなかったため、正式に襲名。
『シークレット・インベージョン』で活躍し、「サンダーボルツ」や「シークレット・アベンジャーズ」に加入。徐々に自分なりの正義に目覚め、最期は2012年のストーリーにて任務の中で子どもを守る為自らの命を投げ捨て散った。
しかし、次の号で彼のライフモデルデコイが登場。
「ブラック・アント(Black Ant)」と名乗り、現在は主にヴィランとして活動している。
MCU版
単独実写映画は現在3作が製作・公開済み。
コミックと同じく初代がハンク・ピム、二代目がスコット・ラングだが、本編の時系列でスーツを着て活躍する主人公はスコット。
第2作から「ワスプ」も登場、ダブル主人公となる。
2016年の映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』ではスパイダーマンとの「虫コンビ」が最も活躍した他、ゲーム『マブカプ3』などで再現されてきたホークアイとのコンビ技も実現した。
共通して主演はポール・ラッド、監督はペイトン・リードが務めている。
アントマン
2015年7月(日本では9月)公開の第1作。ヴィランはイエロージャケット。
ピム博士との出会いと精神的な成長を描き、前の『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』や次の『シビル・ウォー』ともつながる要素がある。
アントマン&ワスプ
2018年7月(日本では8月)公開の第2作。ヴィランはゴースト。
時系列は直前の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』と同時期で、今作の最後が『エンドゲーム』に大きな影響を与える。
アントマン&ワスプ:クアントマニア
2023年2月公開の第3作。ヴィランはM.O.D.O.K.と征服者カーン。
前2作がクライムコメディ調の作風も相まって、一部で評された「『アベンジャーズ』シリーズの口直し」的な位置づけだったが、本作は『Avengers: The Kang Dynasty』に直結するシリアスで重要な作品となる。
主演のポールはこれを「同じ第3作『バトルロイヤル』から監督が代わってコメディ路線が強くなった『マイティ・ソー』シリーズとは真逆」と評しているが、スコットの泥棒仲間トリオが登場しなかった『クアントマニア』と、ジェーン・フォスターらソーの地球における関係者が登場せず『インフィニティ・ウォー』に直結した『バトルロイヤル』、という共通点もあったりする。
デッドプール&ウルヴァリン
本作では、虚無空間(ヴォイド)にジャイアントマンの巨大な遺体が登場し、まるごとカサンドラ・ノヴァの拠点として利用されてしまっている。この様子を目の当たりにしたデッドプールからは「とうとうポール・ラッドが老けたな(※)」という痛烈なブラックジョークをお見舞いされている。
出自は語られていないが、恐らく神聖時間軸とは別の世界線のアントマンがTVAにより剪定されて虚無空間に送られ、カサンドラ一味に殺されたものと推測される。
※ ポールはアメリカ国内で「20代の頃から容姿が変わっておらず、まったく老けているように見えない」としばしばネタにされることがあり、それを踏まえたジョークである。