サンダーボルツ
さんだーぼるつ
初登場は1997年の『Incredible Hulk #449』。
これまでに解散・再結成を繰り返しており、「元ヴィランがヒーローとして活動しているメンバーが多い」こと以外の共通点はほとんど無い。
一時はレッドハルク、エージェント・ヴェノム、エレクトラ、デッドプール、パニッシャーに、追加でゴーストライダーと、殺しも辞さない豪華ダークヒーロー達で結成されたこともある。
名前の由来は不明。
2012年にようやく、当時の発起人サディアス・ロス将軍のあだ名「サンダーボルト」から付けられたことになった。
ここでは中心人物で分けているが、"第○期"はあくまで参考。
リーダー経験者は太字。一覧は⇒こちらを参照。
第1期
「オンスロート」事件により、アベンジャーズやファンタスティック・フォーを始めとするヒーローたちが消失。
残された人々のヒーローを求める想いに応えて結成された。
創設者でリーダーのシチズンV(Citizen V)は、MARVEL世界の伝説的ヒーローの三代目。
だがその正体はバロン・ヘルムート・ジモ。
メンバーも、かつて彼が再編した「マスターズ・オブ・イーヴィル」(MoE)の一部が移行した面々だった。
※「本名 / 旧名義 / 移籍後」順。
- カーラ・ソフェン /ムーンストーン / メテオライト
- ポール・エバーソル / テクノ / フィクサー
- エリック・ヨーステン / ゴライアス / アトラス
- アブナー・ジェンキンス / 初代ビートル / マッハX
- メリッサ・ジョアン・ゴールド / スクリーミングミミ / ソングバード
- ヘレン・タカハマ / ジョルト(唯一の新規加入)
余談だが、第二次大戦当時に初代シチズンVことジョン・ワトキンスを討ったのも、MoEを最初に結成したのも、ヘルムートの父親であるバロン・ハインリッヒ・ジモ。
しかしクリント・バートン / ホークアイがチームの実情を知り、ジモを追放して自身がリーダーに就任。同時にクリムゾン・カウルに集められたMoEの一部を別動隊として組織した。
- ムーンストーン
- マッハX
- アトラス
- 別動隊(上記と同順)
- カトリーナ・ルイーザ・フォン・ホルン / マン・キラー / アマゾン
- ピエール・フレッソン / 三代目サイクロン / 〃
- シビル・ドヴォラック / ジプシーモス / スケイン
- ドナルド・ジョシュア・クレンデノン / カーディナル / ハリアー
- サミュエル・スミザーズ / プラントマン / ブラックヒース
そのクリムゾン・カウルとの戦い後に離脱したクリントを説得したジモが再びリーダーに。
- ジョルト
- ダラス・リオーダン / ヴァンテージ
- ??? / コバルトマン
新規メンバーを加え、ジモはムーンストーンを利用して地球上全ての超人の力を無くそうと目論むも、ムーンストーンが暴走し失敗。
姿を消したジモに代わってマッハXがチームを再編成。
- ジェニス・ベル / フォトン(モニカ・ランボーに頼み込んで名義を借りていた)
- チェン・ルー / ラジオアクティブマン
新規メンバーの1人・フォトンが宇宙崩壊の危機を引き起こし、それを阻止すべく現れたジモとの戦いの末、フォトンは消滅。
ジモは「シチズンV」を名乗らずに復帰した。
- フィクサー
- コンラッド・ヨーステン / スマグラー
- アンドレアス・フォン・ストラッカー / 三代目ソーズマン
第2期
- ノーマン・オズボーン / グリーンゴブリン
- ムーンストーン
- ラジオアクティブマン
- ソングバード
- ソーズマン
- マック・ガーガン / 三代目ヴェノム
- ロジャー・ゴッキング / 二代目ポーキュパイン
- タスクマスター
- ロビー・ボールドウィン / ペナンス(元・スピードボール)
『シビルウォー』と前後して、ノーマンが新たな指揮官に就任。チームは再編成され、超人登録法に従わないヒーローを逮捕する部隊になった。
非公式だがブルズアイも参加している。
その後、密かに始まっていたスクラルの侵攻によりトニー・スターク / アイアンマンが失脚。代わりにノーマンがアイアンパトリオットとして台頭する(『Dark Reign』)。
メンバーたちは半数がヒーローたちの替え玉としてノーマンのアベンジャーズに移籍。他は逃亡したり、祖国に強制送還されたり、精神病院送りにされた。中にはノーマンに逆らい殺害された者も。
チーム自体も表向きは解体されたが、メンバーを一新し裏の任務担当として継続する。
- ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ
- エリック・オグレディ / 三代目アントマン
- エイヴァ・スター / ゴースト
第3期
- カール・ルーカス / ルーク・ケイジ
- ムーンストーン
- フィクサー
- マッハX
- マンシング
- ジャガーノート
- ブロック・ラムロウ / クロスボーンズ
- ハーマン・シュルツ / ショッカー(途中加入)
- カルヴァン・ザボ / ミスター・ハイド(同上)
『Siege』にてアスガルド侵攻が失敗したノーマンが失脚。続いた一連の事件が終わりを迎えた後の2010年『Heroic Age』にて、スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカの要請で再結成。
ジモ期、オズボーン期、完全新規メンバーの混成チームで、「元ヴィランがヒーローとして活動」という、初期のコンセプトに近くなった。
第4期
- サディアス・ロス / レッドハルク
- ウェイド・ウィルソン / デッドプール
- フラッシュ・トンプソン / エージェント・ヴェノム
- エレクトラ・ナチオス / エレクトラ
- フランク・キャッスル / パニッシャー
- ジョニー・ブレイズ / 初代ゴーストライダー(途中加入)
- サミュエル・スターンズ / レッドリーダー(同上)
2012年開始。これまでと関係性はなく、主役となるコミックタイトルも新しく『Thunderbolts Vol.2』から始まっている。
フェニックス・フォースを巡るアベンジャーズとX-MENの戦いの後に結成された。
政府の公認ではなく、更生の余地のないターゲットを容赦なく殺害する点はウルヴァリン率いるX-FORCEに近いが、メンバーはそれとかつて戦ったチーム「コード・レッド」とほとんど同じだったりする。
第5期
2016年、バッキー・バーンズ / ウィンター・ソルジャーをリーダーに『Vol.3』として新生。
コズミック・キューブのパワーを応用して創造されたヴィラン用街型刑務所「プレザントヒル」を巡る戦いの後に、刑務所に関わっていた1期創設メンバーたちが参加して結成された(ソングバード、ジョルトは途中加入)。
キューブの破片が姿を変えた少女「コビック」に振り回されていた。
しかしマスターズ・オブ・イーヴィルを再び組織したヘルムート・ジモの提案にムーンストーン、フィクサー、アトラスが乗り、離脱したことで崩壊。
"Army of Evil"へと吸収され、2017年の一大イベント『Secret Empire』に繋がる。
また別のストーリーでは、パニッシャーに復讐しようとしていたヘルムートが当時ニューヨーク市長だったウィルソン・フィスクことキングピンの後ろ盾を得て結成した。
- ムーンストーン
- フィクサー
- ラジオアクティブマン
- ゴースト
- ビリー・ルッソ / ジグソウ
久々にシチズンVに変装したジモは自ら前線に立つが、最終的に敗北。フィクサーと共に行方不明になった。
第6期
2020年、シンビオートを生み出した邪神ヌルが地球侵略を企む『King in Black』に際し、キングピンがニューヨークを守るために犯罪者を集めて結成した。
- タスクマスター
- ミスター・ハイド
- アレックス・O・ハーン / ライノ
犠牲を出しながらもヌルに勝利した後、キングピンはニューヨークにおける自警活動を禁止し、それを取り締まるためにチームを再編成(『Devil's Reign』)。
- ジョン・ウォーカー / USエージェント
- タスクマスター
- ライノ
- オットー・オクタビアス / ドクター・オクトパス
- セルゲイ・クラヴィノフ / クレイヴン・ザ・ハンター
- マックス・ディロン / エレクトロ
- アントン・ヴァンコ / ウィップラッシュ
- エミル・ブロンスキー / アボミネーション
これに反抗してムーンナイト、アイアン・フィスト、ミスター・ファンタスティックらが逮捕されたため、ヒーローは市長をルーク・ケイジに交代させようと決起(話し合いではトニー・スタークが立候補したが、周りに反対された)。
元々宿敵だったデアデビルやスパイダーマン、さらにアベンジャーズ、ファンタスティック・フォー、チャンピオンズとの戦いの末、キングピンが敗北。メンバーも大半が収監された。
しかし移送中のタスクマスター、エレクトロ、アボミネーション、ウィップラッシュが脱走。
これを捕縛するためにホークアイが集めたチームが名前を継承した。
2022年7月のサンディエゴ・コミコンにて、フェイズ5の1作として同名タイトルで実写映画化することが発表され、'25年5月に『サンダーボルツ*』として公開予定。
チームとしては、メンバーは
- エレーナ・ベロワ
- アレクセイ・ショスタコフ
- タスクマスター
- ジョン・ウォーカー / U.S.エージェント
- エイヴァ・スター / ゴースト
- バッキー・バーンズ / ウィンター・ソルジャー
が発表されており、バッキーがリーダー格らしい。
結成経緯などは未解禁だが、フェイズ4で暗躍していた謎の女ヴァルことヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌが関わっている模様。
また、コミックではダークアベンジャーズの主要メンバーであるセントリーも(チームのメンバーかは不明だが)登場予定。
これまでサディアス・ロスを演じていたウィリアム・ハートが2022年3月に逝去し、第2期で重要なメンバーであるレッドハルクの登場が不安視されていたが、ハン・ソロやインディ・ジョーンズで有名なハリソン・フォードが後任を引き継ぎ、現時点ではこの1つ前に公開予定の『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』への大統領としての登場およびレッドハルクへの変身は確定している。
なおこちらにバッキーは登場しないことがサム・ウィルソン / 新キャプテン・アメリカ役のアンソニー・マッキーから発表されているため、この2作は同時期を描いたもの、という考察が優勢。