解説
2011年に初登場。2013年に単独主役コミックが製作された。
ラテン系かつクィア(恋愛対象が異性ではない、だからといって、同性が恋愛対象ではない人)。
本名:アメリカ・チャベス
女性しかいないという異世界ユートピア・パラレル出身で、2人の母親アマリアとエレナの間に生まれる。誰だ??「女性しか居なくて、女性同士の間に子供が生まれる」世界に「ユートピア・パラレル」なんて名前を付けた奴は??
幼少期、外部からの脅威によって母親たちを失ってしまったことからユートピア・パラレルを去り、マーベル・ユニバースへと渡り、「ミス・アメリカ」を名乗ることになる。
1943年に初登場した第2次世界大戦時中のスーパーヒロインのマデリーン・ジョイス / 初代ミス・アメリカがいるため、二代目ミス・アメリカとも呼ばれる。
超人的な肉体能力のほか、ユートピア・パラレル由来の能力デミアージによって次元間を移動することができる。
このとき、空間を殴って☆の形にゲート(ポータル)を開く。
著名ヒーローたちの後継者たちの集まり「ヤングアベンジャーズ」の一員でもある。
男性とキスした際に違和感を感じたり、女性に恋愛感情を持つかのような描写が有るが、彼女の出自を考えると「出身世界では多数派だが、今居る世界では性的マイノリティ」というややこしい事態となっている。
MCU
演:ソーチー・ゴメス、日本語吹替:鬼頭明里
初出が2010年代と比較的新しいキャラクターだが、2022年公開の映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』にて早くも実写化。
ただし前宣伝含め「アメリカ・チャベス」名義で、「ミズ(ミス)・アメリカ」の呼び名は現状1回のみ、それも一般的な敬称としてである。
ちなみに当初の企画では、その前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にてドクター・ストレンジの代わりにピーター・パーカー / スパイダーマンを助ける役回りでの初登場が考えられていた(なお公開順も『ドクスト2』→『スパイダーマン3』の予定だった)。
演じるソーチ・ゴメスは公開時点で16歳と、ヒーロー陣の中でも特に若い。
吹き替え担当の鬼頭明里も声優デビューから10年未満であり、総じてフェイズ4の新世代を象徴するキャスティングと言える。
女性だけの惑星「アースTRN952」出身。
異世界(マルチバース)を渡る能力や☆形のポータルは同様だが、自身に危険が迫った時のみ発動できる、転移先はランダムという未熟な段階で、それが原因で幼少期に両親が自分諸共別の宇宙に飛ばされたことで行方不明になったことを後悔している。
全マルチバースでたった1人しか存在しない、つまり"別宇宙の同一人物"(この作品で言う"並行同位体")が存在しないらしく、よって「睡眠時の"夢"は別宇宙の自分が体験した"現実"」に則り、一度も夢を見た事がない。
また英語やスペイン語を話せ、次元間移動の際には「何も知らない」・「食べ物を見つける」といった独自のルールを設けている。
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
初登場作。
自身の能力に目を付けた敵に狙われていたのをストレンジが助けるところから物語は始まる。
能力を奪われると死んでしまうこともあって、当初は別世界の彼が自分を犠牲にしようとしたこと(それに加えて悪態をつかれたことでもっと嫌悪感を抱かれたこと)でアース616のストレンジに懐疑的だったが、長い交流により徐々に心を開いていく。
終盤、転移先に関してある法則性が存在している可能性に気付いたストレンジは彼女を信じる道を選択し激励、彼女もこれに応えて、宇宙を跨いだ任意の場所同士を繫げられるまでに覚醒。
黒幕に対する別の形での"勝利"を収め、これが一連の騒動を終息させる鍵となった。
その後はカマー・タージにてポータルを開く修行に励み、ストレンジに感謝を述べた。
余談
第三の主人公ともいえるほど重要な活躍をした彼女だが、主に両親が同性愛者であることが原因で、本作は中東諸国では公開中止に追い込まれている。
MCUでの日本語吹替を担当した鬼頭明里は、アベンジャーズを基にした日本独自のアニメ『フューチャー・アベンジャーズ』で同じティーンエイジャーのヒーローであるカマラ・カーン / Ms.マーベルを演じている。本人によるとこれ以来、MARVEL作品には興味があったらしく、いつかはMCUに出たいと思っていたとのこと。
ちなみにMCUでは『マルチバース・オブ・マッドネス』の次にカマラが主役の『Ms.マーベル』が配信されている。MCU版カマラの日本語吹替は鬼頭ではなく松岡美里。