概要
MARVELコミックのキャラクター。
初代バロン・ジモこと、ジモ男爵家第十二代当主ハインリッヒ・ジモの息子。父の仇であるスティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカを憎み、自ら二代目バロン・ジモを襲名した。
同じく科学者として優秀だが、それ以上に味方をも欺くような戦略や交渉に優れ、また武器の扱いも長けている手強いヴィラン。
来歴
1973年の『Captain America #168』にて、「フェニックス」名義で初登場。※ジーン・グレイとは無関係。
復讐のためにキャップを捕らえるが、父がマスクを被る原因になった接着剤を完成させ準備していた容器に自分が落下。死亡した。
と思われていたが、1982年に再登場し「バロン・ジモ」を襲名。薬品で顔が爛れたため、これ以降は父と同じくマスクを被っている。
1986年には父が創設した「マスターズ・オブ・イーヴィル(MoE)」を第4期として再結成。
この時にスカウトした技術系ヴィランのテクノ(現・フィクサー)は自身の右腕ポジションを務めており、父の専門だった光線銃と彼の発明品を武器として前線で戦うことも多い。
そして1997年、「シチズンV」を名乗って「サンダーボルツ」を創設。
以降はアベンジャーズに対するメインヴィランとしての活躍が多くなる。
MCU版
演:ダニエル・ブリュール、吹替:内田夕夜
映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で、バッキー・バーンズを追い続ける謎の男として初登場。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
序盤ではバッキーを洗脳したヒドラの大佐を殺害して秘密文書を盗み、ソコヴィア協定を採決する国連会議で爆破テロを起こした。
そして、テロを擦りつける形でバッキーを陥れ、彼を再びウィンター・ソルジャーに仕立て上げようとする。
ある目的の為に5人の次世代ウィンター・ソルジャーの保存場所を探しているようであり、「帝国の崩壊が目的」という言葉から、彼らを利用した大規模テロが狙いのようであるが……
以下、本作に核心に関わる重大なネタバレ
本作の事件の黒幕たるメインヴィラン。
その正体は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で起きたソコヴィアの戦闘に巻き込まれて家族を亡くした被害者遺族。
元はソコヴィアの工作員であるが、超人のような特殊能力も、トニー・スタークのような科学力も、ヒドラのような組織力もない等、肩書きを除けば普通の一般人である。
家族を失った原因を作ったアベンジャーズに復讐しようと暗躍するが、自分1人の力では真正面から立ち向かっても勝ち目が無い事を自覚しており、唯一の手段として陰謀によるアベンジャーズの同士討ちを目論んだ。
また、次世代ウィンター・ソルジャーに興味は無く、全てはスティーブとバッキーとトニーをおびき出すための囮に過ぎず、彼らが訪れる前に用済みとしてコールドスリープ状態のソルジャーを全員射殺。
そしてバッキーの任務記録をスティーブ達に暴露して彼らを争わせ、最終的にアベンジャーズの内部分裂へと追いやった。
一応黒幕ではあるが、根っからの悪人ではなく、かつては家族思いの善良な人物であり、特に自分とアベンジャーズの因縁とは無関係の人間だったティ・チャカを復讐に巻き込んで死なせてしまった事には流石に罪悪感を抱いていた。
そのため目的を達成した後、真相を知ったティ・チャカの息子ティ・チャラに追い詰められた際には自分の本心を打ち明け、ティ・チャカを死なせてしまったことを深く謝罪してあえて抵抗せず、その手に掛かることで最後のけじめを付けようとしたが、これ以上憎悪が連鎖するのを望まなかったティ・チャラは復讐を終えることを決意しており、故にジモは銃で自らの命を絶とうとするも、それを良しとしないティ・チャラに生きて償うよう諭されて逮捕された。
ラストシーンでは、エヴェレット・ロス捜査官に「目論見は失敗に終わったな」と揶揄されたが、彼の真の目的はアベンジャーズの崩壊であり、トニーとスティーブが決別したことでそれは達成されたため、「そうかな?」と答えた。
ファルコン&ウィンター・ソルジャー
サム・ウィルソンとバッキー・バーンズが主役のドラマにて再登場。
『CW』終了時点と同じく収監中の身であったが、フラッグ・スマッシャーズの一員が超人兵士であると推測したバッキーの提案と手引きで脱獄し、2人に協力する。
その際、ジモ家がソコヴィアの貴族であり、今も執事がいる、多数の車やプライベートジェットを持っているなど、財政的な力を持っていることが明かされる。これは、原作のジモが男爵であることに倣った設定だろう。
情報網やコネクションも持っており、フラッグ・スマッシャーズが超人血清を入手したと思われるマドリプールのパワー・ブローカーのもとへ2人を案内し、結果的にシャロン・カーターと再会させる。
一方で未だにヒーローへの憎しみは失っておらず、フラッグ・スマッシャーズが投与した超人血清を開発したネイゲル博士を容赦なく射殺する冷酷さのほか、パワー・ブローカーの手下の襲撃にも紫の覆面をかぶって返り討ちにする戦闘能力を見せつけた。
2人とジョン・ウォーカー / 2代目キャプテン・アメリカの諍いに乗じて一時は逃亡するものの、最後には捕まり、かつてサムたちアベンジャーズの半分が投獄されたラフト刑務所に収容される。
戦線からは途中離脱する形にはなったものの、サムたちが捕まえたフラッグ・スマッシャーズの戦士たちを、部下(執事)に命じて爆殺し、結果的には忌むべき「超人」を抹殺することに成功した。
余談
『アベンジャーズ』で暗躍したヴィランであるロキも陰謀でヒーロー達を仲間割れさせていたが、致命的なダメージには至らず、それどころか結果的にヒーロー達の団結を強める結果となった。
それに対し後に襲来する最強の敵であるサノスを除けば宇宙人の襲来やスーパーロボットにも倒せなかったアベンジャーズを結果的にとはいえ、初めてほぼ壊滅まで追い込んだのが普通の一般人だったというのはなんとも皮肉である。
関連タグ
比良坂綾奈(ガメラ3):実写版ジモ同様、家族が正義と悪の戦いに巻き込まれて死んでしまい、その復讐を果たそうとして過ちを犯してしまった人物。
ギルマーダ(ジュウオウジャーVSニンニンジャー):陰謀でヒーローを同士討ちさせた悪役。こちらは上記の綾奈やジモと違って悲しい過去が無い上、快楽でヒーロー同士の争いを楽しむ等、全く同情の余地が無い外道である。