解説
MARVELコミックに登場するヴィランチームの1つ。
主にアベンジャーズと敵対しており、初登場も『The Avengers vol.1 #6』(1964年)。
名前だけを残して時期によってメンバーが大きく違うが、複数回所属経験のあるヴィランがいまいちマイナーなため、チームそのものを印象付ける強キャラはいない。
そもそもアベンジャーズ視点で「強敵」と呼ばれるものは、ヒーロー全員をほぼひとりで圧倒するようなコズミック・ビーイング級の実力者であったり、国家権力や一般世論を巻き込んでヒーローの立場を悪化させる策略家、あるいはエゴをむき出しにしてヒーローを振り回す善良な市民なので、再生怪人軍団に近いノリの彼らには拭いがたいザコ臭があるのもまた事実。
ただし時期によっては、勝利といかないまでも大きな被害を与えている。
表記揺れ
"Evil"のカナ表記が「エビル」「イビル」「イービル」「イーヴィル」など複数あるため、原語表記をメインとする。
チームとしては「マスターズ・オブ・イーヴィル」が多い。
メンバー
明確に「第○期」とナンバリングはされていないので、リーダー(太字)で分けるのが一般的。
また前述の通りリーダー含めたメンバーがマイナーであるため、所属回数が他チーム含めて多いが個別記事のないキャラ(★印)についてはまとめて後述する。
一覧は⇒こちらを参照。
- バロン・ハインリッヒ・ジモ
- ネイサン・ギャレット / ブラックナイト
- ★ブルーノ・ホーガン / メルター
- ★チェン・ルー / ラジオアクティブマン
- アモラ / エンハントレス
- サイモン・ウィリアムズ / ワンダーマン
1964年。
ジモが主にアントマン、アイアンマン、ソーのライバルたちを集めて結成し、ニューヨークを襲撃するも敗北。
1968年。
「クリムゾン・カウル(Crimson Cowl)」と名乗っていた初登場時のウルトロンにより再結成したが、叔父ネイサンから装備を受け継いだデインが裏切り、敗北した。
- エリハス・スター / エッグヘッド
- ワールウィンド
- カーラ・ソフェン / ムーンストーン
- マック・ガーガン / スコーピオン
- トッド・アーリス / タイガーシャーク
- ラジオアクティブマン(途中加入)
- ハーマン・シュルツ / ショッカー(同上)
- ★アブナー・ジェンキンス / 初代ビートル(同上)
1982年。
先走ってワスプと戦端を開いたワールウィンドを援護すべく、アベンジャーズと戦うも敗北。
その後再戦し、ハンク・ピムを誘拐するところまでは良かったが、彼の発明品によって壊滅した。
- バロン・ヘルムート・ジモ
- ムーンストーン
- タイガーシャーク
- カール・クリール / アブゾービングマン
- マリー・マクファーレン / ティターニア
- リタ・デマラ / イエロージャケット
- メリッサ・ジョアン・ゴールド / スクリーミングミミ
- ★ポール・ノーバート・エバーソル / テクノ
- ★エリック・ヨーステン / ゴライアス
- ★カルヴァン・ザボ / ミスター・ハイド
- レッキングクルー
1986年。ハインリッヒの息子のヘルムートが結成。
20人近い大所帯を活かしてデーンやハーキュリーズを倒すなどアベンジャーズを追い詰めたが、敗北。
一部はその後もヘルムートに従い、サンダーボルツの初期メンバーになっている。
- オットー・オクタビアス / ドクター・オクトパス
- ショッカー
- スコーピオン
- アブゾービングマン
- ティターニア
- イエロージャケット
1992年。
アベンジャーズを狙って基地に行き、そこで出くわした初代ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーと戦った。
- ジャスティーン・ハマー / クリムゾン・カウル
- ユリシーズ・クロウ
- タイガーシャーク
- エムバク / マン・エイプ
- ★カトリーナ・ルイーザ・フォン・ホルン / マン・キラー
- ★ピエール・フレッソン / 三代目サイクロン
- ★シビル・ドヴォラック / ジプシーモス
- ★ドナルド・ジョシュア・クレンデノン / カーディナル
- ★サミュエル・スミザーズ / プラントマン
ジャスティン・ハマーの娘が父の遺産を探すために結成。それが危険な生物兵器だったため、ヘルムートを追い出してサンダーボルツのリーダーになったクリント・バートン / ホークアイとの交渉で半数が造反、敗北した。
ニック・フューリーのライフモデルデコイが結成したが、途中でヘルムートに乗っ取られた。
- エドワード・ランスキー / ライトマスター
- ワールウィンド
- アブゾービングマン
- ティターニア
- ミスター・ハイド
- レッキングクルー
リーダーのパワーアップのためにスーペリア・スパイダーマン率いる当時のシニスター・シックスと戦った。
- ヘルムート・ジモ
- ムーンストーン
- タイガーシャーク
- フィクサー(元・テクノ)
- アトラス(元・ゴライアス)
- ユリシーズ・クロウ
- ウィップラッシュ
- レッキングクルー
バッキー・バーンズ / ウィンター・ソルジャー率いる第3期サンダーボルツと戦い、ヘルムートの策略で相手メンバーの切り崩しに成功、乗っ取る形で"Army of Evil"へと発展解消した。
派生チーム
- ヤングマスターズ(Young Masters)
言うなれば「ダークアベンジャーズ版ヤングアベンジャーズ」。
名前が似ているだけで無関係だったが、シャドウ・カウル期の当チームに協力している。
- アーミー・オブ・イーヴィル(Army of Evil)
ヒドラによる世界征服を描いた2017年の『Secret Empire』にて、ヘルムートが当チームとレッキングクルー、サーペント・ソサエティなど複数のヴィランチームを融合して結成。
Masters of Evil | サーペント・ソサエティ | その他 |
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※一覧は⇒こちらを参照。
最終的に、ウィンター・ソルジャーとブラックパンサーの活躍で失敗した。
- ウエストコースト・マスターズ・オブ・イーヴィル(The West Coast Masters of Evil)
- ジュレッタ・クリスティナ・ネフェリア / マダム・マスク(Madame Masque)
- グラビトン
- デレク・ビショップ
- エレノア・ビショップ
- スーペリア・M.O.D.O.K.
- レディ・ブルズアイ
ケイト・ビショップが再結成したウエストコースト・アベンジャーズ打倒のために、アイアンマンの仇敵が結成。
デレクとエレノアはケイトの実の両親。
キャラクター紹介
複数回所属
- ブルーノ・ホーガン / 初代メルター(Melter)
トニー・スタークのライバルの実業家として初登場。偶然発明した鉄を溶かすビームを武器に転用し犯罪に手を染めたが、アーマーをアルミニウムに換装したトニーには敗北、行方不明となる。
しばらくしてチームとして再登場。ハインリッヒ・ジモに金属全般を溶かせるように強化してもらったが、それを活かせずトニーに水に濡らされて敗北。同僚と脱獄し再戦した際はソーのムジョルニアが溶かせず敗北。
ウルトロンのチームにも加入したが、ブラックナイトの裏切りでまたもや敗北した。
その後も何回か登場したが、ハインリッヒの下で同僚だったスカージに襲われ死亡。「メルター」の名はクリストファー・コルキスというミュータントが受け継いでいる。
- チェン・ルー / ラジオアクティブマン(Radioactive Man)
北京出身の原子物理学者。政府主導の超人化実験により、緑色に光る肌や怪力、放射線の操作能力などを得た。アメリカ旅行中に生まれたソーとの因縁からチームに加入し、敗北するたびに強制送還されている。
そして同じ中国人のマンダリンに雇われた後、サンダーボルツに加入。『シビルウォー』では超人登録に従わないヒーロー用の監獄を建設して協力したが、ノーマン・オズボーンが実権を握った際に強制送還された。
- ポール・ノーバート・エバーソル / テクノ → フィクサー(Techno / Fixer)
オハイオ州出身。生まれ持った天才的な頭脳の反動で犯罪者となり、ヒドラの科学部門主任にまで出世。数々のヒーローと戦った後、ヘルムート・ジモに誘われてチームに加入し、彼の右腕として長く活動。そのためチーム遍歴も彼と似通っている。
なおデアデビルのオリジンに同名キャラが関わっているが、あちらは文字通り「フィクサー」として活動しているロスコー・スウィーニーという別人。
- エリック・ヨーステン / ゴライアス → アトラス(Goliath / Atlas)
ウィスコンシン州出身。ハインリッヒ・ジモに誘われ、サイモンことワンダーマンを生み出した装置で同じイオン関係の能力を得るが、サイモン用の調節をそのまま流用してしまったため、現在も上手く使えてない。
当初は「パワーマン」を名乗り、主にエンハントレスや初代ソーズマンと組んで活動。ルーク・ケイジに名前の権利を懸けた決闘で負けた際は密輸業者を意味する「スマグラー(Smuggler)」に、そしてピム粒子を偶然手に入れた博士によって巨大化能力を得たことで「ゴライアス」に改名。
しかしイオンとピム粒子は相性が悪く、それをテクノに治してもらったことでヘルムート・ジモに忠誠を誓い、チームに加入。サンダーボルツにも揃って移籍し「アトラス」に改名した。
だが同じくサンダーボルツに加入した、パートナーであり能力を分け合っていたダラス・リオーダン / ヴァンテージがヘルムートの世界征服計画を知ったことで自身を拒絶。これを機にヘルムートに反逆し、最近はヒーロー寄りの活動をしている。
なお「スマグラー」を譲った弟のコンラッドは、この後にサンダーボルツに加入している。
- カルヴァン・ザボ / ミスター・ハイド(Mr. Hyde)
『ジキルとハイド』に感銘を受け、薬品の力で二重人格を再現しようとした生化学者。
それに必要な化合物を病院から盗む際に、出くわしたドナルド・ブレイク医師=ソーに撃退されたが、薬自体は「ハイド・フォーミュラ」として完成。巨大化による怪力を得た。
S.H.I.E.L.D.のエージェントであるデイジー・ジョンソンは実の娘だが生まれてすぐ養子に出しており、薬品による強化が彼女の能力に影響を及ぼしている以外の関係は薄い。
サンダーボルツにも所属
- アブナー・ジェンキンス / 初代ビートル(Beetle)
1964年に初登場した古参のヴィラン。甲虫を模した飛行可能なパワードスーツを着ており、ファンタスティック・フォーと敵対、次いでスパイダーマンとはライバル的な立場となるほど戦っている。トニー・スタークのアーマー技術の流出を描いた『ARMOR WARS』では、あらぬ疑いをかけられた。
サンダーボルツ加入の際に、"Mobile Armored Cyber-Harness"の頭文字を採った「マッハ○」に改名。"○"にはローマ数字が入り、スーツの改良に従って"Ⅹ"まで増えている。
また「ビートル」は現在、自身が造ったマーク4をヘルムートに贈られたジャニス・リンカーンという女性が使用。
以下ホークアイが引き抜いたサンダーボルツの別動隊(名前の3つ目は移籍以降の名義)。
- カトリーナ・ルイーザ・フォン・ホルン / マン・キラー → アマゾン(Man-Killer / Amazon)
スキー事故で足が不自由になり、その経緯から男を憎む過激なフェミニストとなった女性。
当初は外骨格を使っていたが、後に変異して不要になった。またピム粒子を与えられて巨大化能力も使っている。
- ピエール・フレッソン / 三代目サイクロン(Cyclone)
ジャスティーンの部下として初登場。初代のアンドレ・ジェラルドが発明した、旋風を起こすアーマーを再現したものを着た男性。
実家は犯罪一家で、巨大シンジケート「マギア」にワンダーマンの兄のグリム・リーパーと参加している。
- シビル・ドヴォラック / ジプシーモス → スケイン(Gypsy Moth / Skein)
繊維を操るミュータントの女性。スパイダーウーマンやムーンナイトと戦ったり、スパイダーマンに一蹴されたがスーツを能力でほどいて全裸にして恥をかかせたりしている。
- ドナルド・ジョシュア・クレンデノン / カーディナル → ハリアー(Cardinal / Harrier)
米陸軍出身の傭兵で、初登場時は密輸業者の護衛として飛行可能なアーマーを与えられてニューウォリアーズと対戦。娘のヴァレリーをグラビトンに殺されたのをきっかけにジャスティーンにスカウトされたが、ホークアイに説得されて移籍した。
- サミュエル・スミザーズ / プラントマン → ブラックヒース(Plantman / Blackheath)
研究中の突然変異で植物を操れるようになった男性。1963年の初登場以降、ファンタスティック・フォーやアベンジャーズ、スパイダーマンと戦ってきた古参ヴィラン。
他メディア
どちらも「マスターズ・オブ・イーブル」表記。
メンバーはM.O.D.O.K.、アボミネーション、ハインリヒ・ジモ、グラビトン、タイガーシャーク。
当初はロキの部下として登場、彼の失踪後はヒドラに従っている。
黒幕の征服者カーンに従い「エメラルドレイン計画」を進める。