概要
初登場は1964年の『The Avengers #9』。
当初はアベンジャーズと敵対するヴィランだったが、後にヒーローとして活動する。
能力
一見すると生身の人間だが、その肉体は固体化したイオンエネルギーで形成されており、「ムジョルニアを持っていないソー」「本気で怒る前のハルク」と互角のパワー、無敵に近い耐久力の他に、敏捷性、高速飛行など多様な能力を持つ。
印象的な赤いサングラスは、目から溢れるエネルギーを隠すために付けている。
またその耐久性を活かして、スタントマン中心の俳優をやっていた時期もある。
人物
本名:サイモン・ウィリアムズ(Simon Williams)。
実家はスターク社のライバル企業で、兄と共謀して横領を目論むも、失敗して投獄される。
保釈金を立て替えてもらった縁で、バロン・ハインリッヒ・ジモ率いるヴィランチーム「マスターズ・オブ・イーヴィル」に加入。ジモの改造手術によって能力を得る。
そしてアベンジャーズに「参加希望のヒーロー」を装って潜入することに成功、ジモの目論見通り窮地に陥らせるが、戦いの中で正義の心に目ざめたワンダーマンはアベンジャーズを救うべく自らの命を犠牲にした。
初登場と同じエピソードで戦死しているのである。
その後、紆余曲折を経て復活。
1991~94年には単独で主人公を務めるシリーズ『Wonder Man』が刊行された。全29巻。
ノーマン・オズボーンによる体制が崩壊し、復帰したキャプテン・アメリカを中心にアベンジャーズが再編された際は、参加要請を拒否。
『シビルウォー』を始め大きな事件や混乱は全てアベンジャーズに原因があると考え、「実態が善であれ悪であれ、存在そのものが地球圏に災厄を招く」として、賛同したヒーローたちとともにアベンジャーズの解散を目的とした「リベンジャーズ(The Revengers)」を結成。戦うも敗北、投獄されたが逃亡した。
2012年の『Uncanny Avengers』からアベンジャーズに復帰している。
交友関係
- エリック・ウィリアムズ(Eric Williams)
実兄。サイモンが死んだのをアベンジャーズのせいと思い込み、大きな鎌を持ったヴィラン「グリム・リーパー(Grim Reaper)」として活動。実はイオン化して昏睡状態だった弟の肉体を保存していたが、彼の復活後は敵対することになる。
その後はアベンジャーズと共闘したりしているほか、「死 → 復活」が多いことでも有名。
エリックがヒドラ協力の元、ウルトロンが保存していたサイモンの脳波パターンをオリジナル・ヒューマントーチの肉体(のちにスペアパーツだったことが判明)に宿らせた存在。
ワンダ・マキシモフ / スカーレット・ウィッチを巡って三角関係になったこともある。
- ハンク・マッコイ / ビースト
自身の復活に協力してくれたX-MENの一員。
アベンジャーズの同期でもあるため仲が良い。
- アレックス・フローレス / オーター(Auteur)
『Wonder Man』にて、サイモンから放出されたイオンエネルギーを浴びて超人化した8名の人間が結成したチーム「クレイジー8(The Crazy 8)」の一員の女性。
サイモンと交際・婚約に至ったが、後に解消された。
創設メンバー。
一時期参加していたが、ノーマンによって「H.A.M.M.E.R.」として乗っ取られた時に離脱。
MCU
演:ヤヒヤ・アブドゥル=マティーン2世
ヴィジョンが先に登場したため、彼にインストールされた人格はこの人に変更された。
また『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の削除シーンには有名映画のパロディ作品の主演俳優として「Simon Williams」の名前が出ており、そのポスターではネイサン・フィリオンが演じている。
その後主役ドラマの制作が発表され、2025年12月に配信予定。
『アイアンマン3』や『シャン・チー/テン・リングスの伝説』に登場した売れない俳優のトレヴァー・スラッタリーが再登場するとのこと。
余談
初登場エピソードで戦死したのは、ライバル会社のDCコミックから「ワンダーウーマンと名前が似ているから訴える」とクレームが来たので殺した(つまり大人の事情)とスタン・リーら経営陣が証言している。
しかしDC側も、MARVELがルーク・ケイジこと「パワーマン」を出した4年後に「パワーガール」を出しており、スタンは不公平だと感じたらしい。
ちなみに演者のヤヒヤは映画『アクアマン』シリーズでブラックマンタを、ドラマ『ウォッチメン』でDr.マンハッタンを担当していた。