概要
MARVELコミックの前身であるタイムリィコミックのキャラクター。個人タイトルも刊行されている。
1939年10月の『Marvel Comics #1』が初出であり、キャプテン・アメリカと共に第二次世界大戦を戦った、MARVEL最古参キャラの1人。
ヒーローチーム「ファンタスティックフォー」のヒューマントーチことジョナサン・"ジョニー"・ストームと区別するため、本稿タイトルで呼ばれる。
ちなみにコミック上で2人が共演する場合、顔の輪郭が描かれているかいないかで区別される(ジョニーは顔が描かれている)。
近年ではジョニーは「能力を得た後、ゴールデンエイジのヒーローである彼と同じ能力を持つ事から、その名を名乗る事にした」という後付設定もある。
オリジン
1940年にフィニアス・ホートンという科学者が製造した人造人間。空気と反応して発火したため、「ヒューマン・トーチ(人間たいまつ)」の名前を付けられた。
しかしマスコミの取材から世にその存在を知られ危険視される事になったため、密閉された特殊なポッドに閉じ込められ、発火しないように地中に埋められた。この時、人間社会に関する事を学習する装置がポッドに内蔵されていた。
数年後にポッドにひびが入り、空気に触れて発火し復活。発火能力も制御を覚え、自身の意思で発火する事が可能になった。
また飛行能力も持っており、これらを用いて警察官「ジム・ハモンド」として活動し始めたが、当初は社会から変わらず危険視されていた。
経歴
- 第二次大戦前後
MARVELコミック初のクロスオーバーでもある、ネイモア・ザ・サブマリナーと対戦。彼とは後に共闘し、ナチスと旧日本軍の共同作戦である海底トンネル開通の妨害作戦を通してネイモアともども社会からヒーロー視されるように。
また自身と同じ能力を有したミュータントの少年・トロをサイドキックにして活躍、キャプテン・アメリカやネイモアとチーム「インベイダーズ」を結成し、枢軸国の軍やヴィランと戦っていた。
トロは本名をトーマス・レイモンドといい、ホートン博士の弟子の息子。
アスベストで体を壊していた両親が列車事故の火災で死亡した際に自身の耐火能力を自覚し、その後にサーカスで働いていたが、ジムに発見され、サイドキックとなった。
後年になってインヒューマンらしい事が判明している。
終戦直後にギャングと戦い機能停止、見知らぬ島の地下に埋められていたが、水爆実験の影響で復活。ギャング団を一掃し、洗脳されていたトロを救出。
その後は探偵をしつつ、ヒーローチーム「オール・ウィナーズ・スクアッド」のメンバーに参加し、共産主義国のスパイと戦ったり、地球外からの来訪者とコンタクトを取ったりした。
1955年に発火能力の制御が不可能になったため、砂漠の奥地で自ら機能停止させ、深い眠りについていた。
だがヴィランの科学者「マッドシンカー」にファンタスティック・フォーを倒すべく復活させられ、意思を奪われた状態で対戦するも、自らと酷似したジョニーと戦った事から記憶を回復。殺人コンピューター「ザ・カジモド」を自ら犠牲にする事で破壊し、再び眠りにつく。
- 復活
ホートン博士がウルトロンやグリムリーパーに脅迫され、グリムリーパーの弟であるサイモン・ウィリアムことワンダーマンの人格パターンを組み込んでアンドロイドを作成、「ヴィジョン」と命名される。
が、ヴィジョンはウルトロンに反旗を翻してアベンジャーズに参加。そのためホートン博士は殺害されてしまった。
後のストーリーで、過去から連れてこられたジム・ハモンドとヴィジョンが遭遇した際に、ジムのボディを改造して新たな人格で生まれ変わった存在がヴィジョンだと明らかになった。
しかしさらに後に、スペアパーツを用いて新たに製造された(ホートン博士はウルトロンらを騙していた)と変更された。
蘇ったジム・ハモンドはウエストコースト・アベンジャーズの予備メンバーとして参加し、キャプテン・アメリカやネイモアらとも再会。
そのチームが解散後は実業家に転身し、ヒーローズ・フォー・ハイヤーなどヒーローたちのバックアップに勤しんでいた。
- 爆散、第二の復活
ヒーローズ・フォー・ハイヤーが解散後、ある事件で女性アンドロイド「タラ」を救うため、その熱を吸い取り、海上で爆散。
ハモンドの名は米軍の過酷な訓練キャンプの名称に用いられるようになった。
しかしその残骸は国連により回収、色々あって埋葬されたが、マッドシンカーおよびA.I.M.に盗み出されて組み立てられ、復活。さらに自身を構成する人工細胞からウイルスが作られ、自身がキャリアーになって世界中に散布される事を知る。
後にネイモア、トロ、キャプテン・アメリカらにより、マッドシンカーに解毒剤を作らせる事で事件は収束。また枢軸国が勝利したと住民たちに教育している地下世界「ニューベルリン」の事件で、ホートン博士が作ったプロトタイプの細胞、そこから作られた、ニューベルリンを支配する別のトーチとの対決で、ウイルスを不活性化させる事に成功する。
この後、シークレット・アベンジャーズに参加。
しかしその最初の事件を担当し、自身の子孫であるアンドロイドの種が人類と相いれない未来を知ってしまい、辞任してしまう。
その後、ブレイクトンという小さな田舎町で整備士として働くも、クリーの兵士の襲撃から、再び戦う事に。キャプテン・アメリカとウインター・ソルジャーの介入で助けられ、ニューインベイダーズに参加する。
またS.H.I.E.L.D.に参加したり、ネイモアとの戦いで首だけになり、トニー・スタークに間に合わせの胴体部を作ってもらったり、別の天体リヴァリスに定住したりと、様々な困難に直面する事になる。
MCU版
映画第6作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』にて、1943年の万国博覧会に展示されている場面が登場。
フィニアス・ホートンもその製作者として名前が書かれている。
またコミックではホートンが彼を作ったきっかけとして、ヴィクター・タイムリーなる人物が介入しているが、ヴィクターはドラマ『ロキ シーズン2』にて本格登場予定。
関連項目
Marvels:アレックス・ロスによるグラフィック・ノベル。マーベルユニバースのヒーローたちの動向を、一人のカメラマンの目を通して描いている。この第一章にて、サブマリナーとオリジナルトーチとの動向、および社会に与えた影響とが描かれている。
関連タグ
:MARVELのライバル・DCコミックにおけるアンドロイドヒーロー。こちらは風属性。
鉄腕アトム、キカイダー、ロボット刑事、キューティーハニー、超人機メタルダー、ジャンパーソン
:日本の漫画・特撮作品における人造人間orアンドロイドヒーローの代表達。