曖昧さ回避
- 黒豹の英語表記。→ 黒豹
- 「遊戯王カード」に登場するキャラクター。→ N・ブラック・パンサー
- 「アベンジャーズ」に登場するキャラクター。当項にて記載
- 3を主役とする実写映画。→ブラックパンサー(映画)
- TVアニメ版「ルパン三世」のエピソードの一つ。→ブラック・パンサー
概要
本名:ティ・チャラ。
マーベルユニバースのアフリカ大陸にある(架空の)国家:ワカンダの国王にしてアベンジャーズの一員。
また、黒人スーパーヒーローの第1号と言う称号もあったりする。
初登場は1966年の「ファンタスティック・フォー」第52号。
ただし、1960年代まではコミックス・コードの規制により大手アメコミ出版社では「非白人の主人公」のコミックの出版に制限が有った為(コミックス・コードの認定を受けない小規模・インディーズ・アンダーグラウンド系の出版社のコミックなら可能だったが、その場合は、流通経路・取扱店に制限が出る)、「他のヒーロー/ヒーローチームを主人公にしたストーリーのサブ・ヒーロー」という扱いであり、ブラックパンサーを含めたアフリカ系のヒーローが主人公となるコミックが出版されるのは、コミックス・コードの規制緩和・有名無実化が始まる1970年代初頭となる。
ヒーローでもあるが国王でもあるというキャラクターで、アベンジャーズには協力している立場ではあるが、あくまでも外様であり、ブラックパンサーにとって最優先すべき対象はワカンダである。
アイアンマン、ミスター・ファンタスティック、プロフェッサーX等を含む地球上で強い影響力と各々異なる立場・考えを持つヒーロー達による秘密結社「イルミナティ」に勧誘されたこともあるが、断っている。
襲名制
そもそも、「ブラックパンサー」とは代々のワカンダ王が戦闘の儀式にて勝ち残った際に獲る戦士の称号でもある。現在判明してるだけでも、祖父(昔キャップと対戦した事がある)、父(前王ティ・チャカ)、叔父、ティ・チャラ、妹のシュリがその名を名乗った。
ブラックパンサーになるには、臨死状態になり、霊界で、ワカンダ王族の守護神と、ほぼ全員がチート級揃いの歴代ブラックパンサー(要は現在のブラックパンサーであるティ・チャラが完璧超人なだけではなく、歴代のブラックパンサーほぼ全員が完璧超人だったのである)に「ブラックパンサーとなる資格あり」と認められる必要が有り、もし、ブラックパンサー襲名の為に臨死状態になったのに有資格者と認められなければ、そのまま死んでしまう。(ただし、例外的に「ブラックパンサーの資格は無いが現世で果たすべき使命が有る」「今は資格は無いが現世で何かの試練を乗り越えて人間的に成長すれば資格を得る事が出来る」場合は死なずに済む事も有るようだが……?)
なお、ワカンダ人であれば王族以外でもブラックパンサーを襲名する事は制度・慣習上は可能だが、そのような事例は歴史上皆無との設定が有る。
また、ブラックパンサーにはワカンダとワカンダ王族の守護神である「黒豹の神バースト」の化身としての一面が有る為、万が一、王族以外がブラックパンサーを襲名した場合は、それまでの宗教的な信仰(主に出身部族の守護神への信仰)を捨て「豹の神」への信仰に改宗する必要が有る。
能力
ブラックパンサーの能力は多様に渡り、かつ複合的である。
父親の仇討ちのため、ジャングルで長年鍛えた身体能力とそこから繰り出される格闘戦術、サバイバル術を身に付けている。
ワカンダの王のみが服用を許される特殊なハーブによって身体能力を向上させている。
現ブラックパンサーのティチャラは、物理学(博士号取得済み)・機械工学に秀でたインテリで、特に自国が産出元の超金属:ヴィヴラニウムの利用技術に関しては世界最高と言っても過言ではない。自身の着るスーツはもちろん、実は原作コミックでは、クィンジェットは彼が設計した物。他にもキャップのバイクや、ファルコンのウィングスーツも彼が製作した。
また、ワカンダの民族に伝わる魔術・妖術に関する知識があり、時にはそれらの力を借りる事もある。
国王として指揮能力にも優れ、高い技術力と相まって、ワカンダ軍は地球上で最も強力な軍隊とも言われる。
戦闘面では、基本的にスーツに搭載された爪やエナジーダガーを武器として闘う。ヴィブラニウム製のスーツとブーツには振動吸収機能があり、ブーツ(名称は『スニーカー』)には無音機能も備わるなどステルス性にも優れる。
さらに全アメコミヒーローでもトップクラスの大富豪であり、ブルース・ウェインやトニー・スタークなど目じゃないとまで推測されるほど。(ワカンダの主要産物であるヴィブラニウムは1グラム1万ドルほどの価値で取引されていると設定されており、これを基にすると推定されるワカンダのヴィブラニウム埋蔵量と照らし合わせてだいたい3兆ドル=およそ300兆円前後ほどの資産を保有している計算になるのである)
とは言え、立場上、どこまでが個人としての資産で、どこからが国家としての資産かは議論の余地刈るが。
ある意味で身体能力・戦闘スキル・知力・財力・サバイバル能力・社会的地位・高潔さ・カリスマ性の全てで「人間の極限」であり、弱点は「正義感が強過ぎたり、一国の王という社会的立場上の制約から、融通が利かない点が有る」ぐらいである。
関係者
国内
ティ・チャラの妹。科学者でもあり、ブラックパンサーを襲名したこともある。
前王でティ・チャラの父。
- ラモンダ
前王ティ・チャカの妃で兄妹の母。
ただし、後にティ・チャラは前妻の子であることが判明している。
ワカンダの王族親衛隊「ドーラ・ミラージュ」の隊長。ティ・チャラの婚約者候補だったこともある。
ワカンダの生まれだが、父がユリシーズ・クロウに加担したために追放され、ティ・チャラを恨むようになったヴィラン。
ワカンダの女性戦士だったが、嫉妬心に駆られてティ・チャラの恋人を殺そうとしたヴィラン。後にキルモンガーから「マリス」というヴィラン名を与えられる。
- エムバク / マン・エイプ
ワカンダの一部族「ジャバリ族」の首長。ティ・チャラの友人でありヴィラン。
- ティ・チャカ2世 / コール・タイガー
【アース982】「MC2ユニバース」におけるティ・チャラの息子。ヒーローチーム「A-Next」のメンバー。
国外
アメリカ国務省の職員。
- オロロ・マンロー / ストーム
X-MENの初期メンバーで、2000年代半ばのストーリーにて結婚したが、「アベンジャーズ vs X-MEN」にてワカンダが壊滅状態になった際に離婚した(現在は和解済み)。
ちなみにティ・チャラとストームが結婚したのは「シビルウォー」の最中で、結婚式にはアメリカで活動しているヒーローの内、超人登録法賛成派/反対派の両方の代表格が招かれ、離婚の際は衛星兵器VS気象操作能力という傍迷惑な夫婦喧嘩を行なっている。ある意味で「MARVELコミック名物は『ヒーロー同士の内輪揉め』」を象徴するような夫婦とも言える。
また離婚の際には2人は「子供が居なくて良かった。親のこんな姿を見せずに済んだのだから」「子供が居たら、こんな事にはならなかったかも」という正反対の事を考えていた。
なお、別アースには2人の息子がいる。
- ティ・チャカ / パンサー:【アース1119】
様々なアースから集まったヒーローチーム「エグザイルズ」のメンバーになっている。
- アザーリ:【10071】【10943】
どちらもアベンジャーズがウルトロンに敗れた世界。
【555326】のアニメ映画『ネクスト・アベンジャーズ:未来のヒーローたち』にも登場した。
アニメ
CV:大場真人
もちろん属性はアニマル。ワカンダがヴィランたちの襲撃を受けた際にディスク化されてしまう。ジェシカのセカンドヒーローとなった。
MCU
演:チャドウィック・ボーズマン、吹替:田村真
2016年公開の『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で初登場し、以降の作品においてアベンジャーズの中心メンバーの1人として活躍。
しかし、演者のチャドウィックが2020年8月に大腸癌により43歳の若さで死去。世界中のファンに衝撃を与えた。
単独映画第2弾の製作も決まっていたが、マーベル・スタジオは「チャドウィックに敬意を表し、リキャストはしない(代役は立てない)」とし、ティ・チャラのいないストーリーに変更したことを明言している。
だが後任を立てない=今後のMCUでティ・チャラの活躍は見れないということであり、その発表直後と映画公開直後に本国アメリカでは「リキャスト・ティ・チャラ」がTwitterでトレンド入りするほど、主にコミックファンからの批判が少なくなかった。
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
アイアンマンチームの一員として初登場。
バッキー・バーンズを父の仇と思い込み、徹底的に追っていくが、ラストでは自らの憎しみと対峙し、復讐の連鎖を止めた。
比較的短い登場時間ながら、その黒ずくめのスーツと俊敏な戦闘で、「アベンジャーズ2.5」と称された今作においてもかなりの存在感を放っていた。
この時のスーツは着脱式で、頭部マスクを脱いでいるシーンがある。
ブラックパンサー
単独作第1弾。
父の跡を継いでワカンダを守る使命を果たそうとするが、国を守るために実の弟を殺し、その子どもを置き去りにした父の過去を知り、自分が守ろうとしていた「伝統」の欺瞞と、自分が真に守らなければならないものに気づき、真の王となる戦いが描かれる。
打撃を受けた時にエネルギーを蓄積して衝撃波として任意に開放する機能や、ネックレスから展開して着用するナノテク機能の備わった新型スーツも登場した。
おそらく、トニー・スタークからの技術提供(もしくはその逆)がされたと思われる。
アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー
スティーブ・ロジャースからの要請を受け、兵を率いてインフィニティ・ストーンを狙うサノス軍と激突。
しかしサノス本人には勝てず、指パッチンによりオコエの目の前で消滅した。
アベンジャーズ/エンドゲーム
生き残ったアベンジャーズの活躍により復活。
最終決戦では、魔術師のポータルにより最初に駆け付けた。
ホワット・イフ...?
これまでのMCUの正史とは異なる時間軸を描いたアニメで、複数のエピソードに登場する。
なおボーズマンが生前に収録を終えており、事実上の遺作となっている。
第2話では主人公。
なんとピーター・クイルに代わり、スター・ロードとなっている。
ワカンダの外の世界へ憧れていた1988年、王都のバリアの外で出たとき偶然にもヨンドゥ・ウドンタ率いるラヴェジャーズにさらわれる。誘拐の実行犯がヨンドゥではなく、子どもの見分けがつかないクラグリンとテイザーフェイスだったためである。
ティ・チャラはそのままラヴェジャーズの一員となり、荒くれ集団だったラヴェジャーズを改革、義賊へと変えた上、サノスまでも話し合いで改心させてしまった。正史と違い、スター・ロードの名前は「伝説のアウトロー」として銀河に知れ渡っている。
故郷に帰らなかったのは、ヨンドゥから「ワカンダは外敵によって滅びた」と言われていたためであったが、それはティ・チャラを息子として愛していたヨンドゥの嘘だった。
2008年、真実を知ったティ・チャラは、コレクターとの戦い後、ワカンダへ帰郷。実の家族との再会を果たす。
ティ・チャラの行動により、サノスが改心してラヴェジャーズに入ったため、ネビュラもラヴェジャーズに入った上、ロナンの部下であるコラスもラヴェジャーズ入りした。更にクリー人の横行も妨害したため、ドラックス・ザ・デストロイヤーも家族を失わず、とある酒場でバーテンダーをやっている。
……そして、万事、めでたしめでたし……と思いきや、「スターロード」がピーター・クイルでなくなったせいで、この平行世界では野放しになっていたある悪役が……。
第5話では、量子世界のウイルスによって人々がゾンビと化した世界で、数少ない生き残りの一人として登場する。
エピソード終盤、ピーター・パーカーらが逃げ込んだヴィジョンの隠れ家であるリーハイ基地で、足を失った状態で発見される。なんとヴィジョンは、ゾンビ化した恋人ワンダ・マキシモフの食人衝動を抑えるために、ティ・チャラの肉体を餌として与えていたのだ。
だがワンダはついに食欲を抑えきれずに暴走。アジトが崩壊する中、クインジェットでピーター、スコット共に基地を離脱し、一路ワカンダへと向かう。その機中にて、「ワカンダでは、死は終わりではない」と告げるのだった。
なお、このエピソードの原作と言うべきコミックでも似たような目にあっているが、こっちの犯人はコミックでは色々とやらかしてるあの人物。
第6話では、南アフリカでのユリシーズ・クロウとジェームズ・ローズのビブラニウム取引の現場を襲撃するが、キルモンガーに殺されてしまう。
ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー
単独作第2弾。前述の経緯から作中では『エンドゲーム』後に病死したことになっており、それから1年後が舞台。
本作は彼の葬儀から始まり、冒頭に毎回流れる映像は映画『キャプテン・マーベル』におけるスタン・リーと同じく、追悼を表す特別バージョンとなっている。
余談
過激な黒人解放運動組織の「ブラックパンサー党」との関連を避けるため、一時期ブラックレオパードと名乗っていた。
敵の体の傷は、ニューギニアにおけるとある部族の慣習、ワニ男に似ている。
関連イラスト
関連動画
ゲーム版のPV
関連タグ
黑豹:中国語表記。
ブラックマンタ:黒ずくめのスーツを着た黒人つながりだが生い立ちはキルモンガーに近い。DCコミックのヴィランで、実写版の演者はMCUでワンダーマンも担当する予定。
火災のキング(ONE PIECE):中の人(吹き替え)&全身黒スーツつながり。
『ディスク・ウォーズ』版の中の人も当作に参加している。
岡倉節子(渡る世間は鬼ばかり):演者の意向でシリーズ作品から降板し、作中で死去したことになったキャラ。
演じた山岡久乃は降板発表から4か月後に死去している。
この先『ブラックパンサー/ワカンダフォーエバー』のネタバレ注意
後任のブラックパンサーにはシュリが就任。
またポストクレジットにて、次世代のティ・チャラが登場した。