概要
MARVELコミックのキャラクターで、最も有名な黒人ヒーローの1人。
ヒーロー名の「パワーマン」としても知られる。
初登場は1972年の『Luke Cage, Hero for Hire #1』。
超人的な怪力と、銃弾や刃を通さない強靭な皮膚を持っている。またニューアベンジャーズ誌にて高所から突き落とされたり自ら飛び降りたりしても無傷だったため、骨格なども頑丈である様子。ただエレクトラ(に化けたスクラル人)との戦いで眼球は流石に強靭ではないとも示唆されている。
また、自らの意志ではオンオフの効かない変化した体質であるため、本人が気絶しても皮膚は強靭なまま。これはデメリットでもあり、科学者系ヴィランが周囲のスーパーパワーを封じるマシンを起動させたところ心停止しかけ、手術が必要となったがそのままでは注射針やメスが入らないために命を落としかけたこともある。
来歴
旧名:カール・ルーカス(Carl Lucas)、現在は「ルーカス・ケイジ(Lucas Cage)」が本名。
ニューヨーク市のハーレム地区出身で、昔は相棒のウィリス・ストライカーと共にストリートギャング「ザ・ライバルズ」として活動していたが、自身は途中で更生。
後にレヴァ・コナーズという女性を好きになるが、彼女はギャングとなったウィリスに夢中だった。三角関係の末、ウィリスの策略によりレヴァは殺害、自身も無実の罪で収監されてしまう。
そして刑務所で出会ったノア・バースタイン医師による実験で超人としての力を手にいれ、脱獄。故郷にたどり着き、たまたま人助けしたことで「雇われ」ヒーローとして生きることになった。
しばらくはヒーローチーム「ディフェンダーズ」に一時加入した以外は自警団的な活動が多く、自身の単独誌でデビューしたダニー・ランド / アイアン・フィストとのダブル主人公シリーズも人気を得た。
その後ジェシカ・ジョーンズとの出会いと結婚を経て、2005年にはスーパーヴィラン専用刑務所「ラフト」からの集団脱獄事件に遭遇。居合わせたキャプテン・アメリカやスパイダーマンらと「ニューアベンジャーズ」を結成し、この頃から他のヒーローたちとの共演が増える。
同じくパワー系のヒーローであるハルク/ブルース・バナーと異なり科学者タイプではないが、高めのリーダー適正を持ち、ニューアベンジャーズが結成されて間もないころにキャップに変わってTVクルーのインタビューに「悪人どもは覚悟しとけ(意訳)」と応じ、キャップとアイアンマンに「なかなかじゃないか」と感心されている。
2010年には新生「サンダーボルツ」のリーダーに就任。アベンジャーズとの共闘を経て、2022年の『Devil's Reign』終盤ではキングピンの代わりにニューヨーク市長となった。
関係者
ヒーローズ・フォー・ハイヤー
"Heroes For Hire"。アイアン・フィストと立ち上げた、思想信条や恩讐に捉われない「傭兵としての」超人チーム。
賛同した他ヒーローも加入している。
第2期:ヒューマントーチ、スコット・ラング / アントマン、デイン・ウィットマン / ブラックナイト、シーハルク、セナ、ハーキュリーズ
第3期:ブラックキャット
第4期:ナターシャ・ロマノフ、エレクトラ、ジョニー・ブレイズ / ゴーストライダー、ファルコン、ムーンナイト、パニッシャー、シャン・チー、シルバー・セーブル、スパイダーマン
第5期:ハルク、デッドプール、ドクター・ストレンジ、ブラックパンサー
協力者
- クレア・テンプル(Claire Temple)
刑務所から出たルークをかくまった看護師。後に医師となる。
ヴィラン
- ウィリス・ストライカー(Willis Stryker)
昔の相棒であり、「パワーマン」としての最初の敵。
後に巨大犯罪シンジケート「マギア」の援助でナイフや毒ガスを使う超人「ダイヤモンドバック(Diamondback)」となり、脱獄して直ぐのルークと戦ったが、敗死した。
- エルナン・アルバレス / シェイズ(Shades)
「ザ・ライバルズ」の元構成員。光線を発射するバイザーが武器。
2010年のストーリーで、ノーマン・オズボーンの命令でデアデビルと戦っていたブルズアイが起こした爆発で死亡。息子のヴィクターはしばらくして「パワーマン」を名乗り始めた。
- ダリウス・ジョーンズ / コマンチ(Comanche)
同じく「ザ・ライバルズ」の元構成員で、シェイズの相棒。弓の使い手。
- マライア・ディラード / ブラックマライア(Black Mariah)
犯罪集団「ラット・パック(Rat Pack)」を率いる大柄な黒人女性。
- ジョン・マクアイバー / ブッシュマスター(Bushmaster)
アイアン・フィストの敵として初登場した「マギア」の幹部。ルークとの戦闘で敗死。
二代目を襲名した弟のクインシーはヴィランチーム「サーペント・ソサエティ」に加入している。
MCU版
Netflix制作のスピンオフドラマとして、同名タイトルで2シーズン・26話が制作・配信された。
媒体を同じくする『ジェシカ・ジョーンズ』『デアデビル』『アイアンフィスト』と合わせ、アッセンブル作品のタイトルから「『ザ・ディフェンダーズ』シリーズ」と呼ばれている。
キャラクター
- ルーク・ケイジ / パワーマン
主人公。
- ジェシカ・ジョーンズ
ルークがバイトするバーで知り合い、一夜を共にした。
- レヴァ・コナーズ
亡き妻として回想で登場する。
- クレア・テンプル
同じく医師。上記の同名キャラと、コミックにおけるドクター・ストレンジのヒロインの1人「リンダ・カーター」をミックスさせて登場。
『デアデビル』で初登場し、デアデビル、ジェシカ、ルーク、アイアンフィストとも知り合い、ルークと恋仲になる。
- ウィリス・ストライカー / ダイヤモンドバック
シーズン1のメインヴィランの1人。
- ジョン・マクアイバー / ブッシュマスター
シーズン2でのメインヴィランの1人。
- マライア・ディラード・ストークス / ブラックマライア
シーズン1から登場、シーズン2でのメインヴィラン。
演じたアルフレ・ウッダードは、同時期の映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』に、ソコヴィアの事件で息子を失ってアベンジャーズを憎む女性として出演している。
- ティルダ・ジョンソン
ジョンソン家に養子に出されたマライアの実娘。自然植物を調合する漢方ショップを営み、ジャマイカ産の薬草「ナイトシェイド」でブッシュマスターに力を与える。
コミックではナイトシェイドと名乗る、フェロモンを分泌するマッドサイエンティスト。キャプテン・アメリカのヴィランで、女性ヴィランチーム「フェミゾンズ」では副リーダーとなっている。
- コーネル・ストークス / コットンマウス
シーズン1のメインヴィランの1人で、マライアのいとこ(コミックでは無関係)。
演じたマハーシャラ・アリは、後にMCU版『ブレイド』で主演を務める。
- エルナン・アルバレス
コットンマウスとダイヤモンドバックの仲介をした人物。後にマライアと恋人関係になり、共に悪事を働く。
バイザーのオマージュで、常にサングラスを着用している。
- ダリウス・ジョーンズ
シェイズの子どもの頃からの親友という設定が追加された。シーズン2での行動は、シェイズの行動に大きく影響する。
余談
- 実は、当初、コミックス・コードの基準では「非白人が主人公」はNGだった。その為、MARVELコミック社はルーク・ケイジが主人公となる作品を出版する為に、コミックス倫理規定委員会と交渉しコミックス・コードの方を変えてしまった。
- コミックでは、妻であるジェシカ・ジョーンズはピーター・パーカーの高校の頃の同級生。その事を知った直後、どうやら、ジェシカ・ジョーンズが若い頃にピーター・パーカーの事が好きだったらしい事を察して……スパイダーマンをモノ凄い顔で睨み付けた事が有る。
- ジェシカとの間に娘を設け、ダニエルと名付ける。名前はスペルが違うものの親友であるアイアンフィストの本名(ダニエル・ランド)から取っており、彼からも「いい名前だ」と祝福された。
関連イラスト
関連タグ
ニコラス・ケイジ:彼の芸名の由来。