概要
MARVELコミックのスーパーヒーロー「アントマン」の二代目変身者。
フルネーム:スコット・エドワード・ハリス・ラング(Scott Edward Harris Lang)。
コミック版とMCU版ともに、細かな違いはあるものの、おおむね正義感の強く娘馬鹿な小市民と言った感じの描写が目立つ。(特にMCU版)
先代のアントマンであるハンク・ピム博士のスカウトを受けて二代目になった元・泥棒というのは変わらないが、最大の違いは、MCU版では二代目である彼の活躍に焦点を当てている事であり、実質的にアントマンと言えばスコットの事を指すことになっている。
コミック版
貧しい家族を支える父親として電気技師として働いていたが上手くいかず、強盗となるも逮捕されてしまったが、釈放後その腕を買われスタークインターナショナルの設計部門に雇われ、アベンジャーズマンション設計にも携わった。
しかし娘のキャシーが難病になり、治療の為再び強盗の道へ。ピム博士からアントマンの装備一式を盗み娘の命を唯一救える医者を誘拐から救う為奔走。
すべてが終わった後ピムに装備を返しにいき、自首するつもりであったがスコットが正義の人であると見抜いたピムは彼に装備を託し、二代目アントマンとなる。
2004,05年の『Avengers Disassembled』にて死亡。
しかし後にキャシーが、スコットが使っていた装備から発せられるピム粒子を長年浴びたことでアントマンと同じ能力を発現。彼の遺志を継ぎ、スタチュアとして活躍することとなった。
そして2010年の『Avengers: The Children's Crusade』にて、キャシーらヤングアベンジャーズの活躍により復活。
しかし同イベント内でキャシーはDr.ドゥームの手にかかり命を落とす(4年後無事蘇った)。
MCU版
2015年公開の映画『アントマン』にて参戦。
元々窃盗犯で結婚を機に足を洗ったが、就職した“ヴィスタ・コープ社”のエンジニア時代に、会社の不正を公表するとともに、窃盗を働いたために服役していた。
妻マギーとは離婚しているが、娘のキャシー・ラングとの関係は良好。
朗らかでコミュニケーション能力も高く、他者と非常に打ち解けやすい楽天家。
アントマン
窃盗罪での服役を終え、更生を心に誓い再出発するが、中々再就職できず、離婚した妻が引き取った娘のキャシーが慕ってくれることだけが唯一の救いだが、養育費の未払いを理由に、娘と会うことまで禁止される。
どん底まで落ちた末に、昔の泥棒仲間とともに再び泥棒を行う事を決意し、ハンク・ピム博士の屋敷に潜入した末に奇妙なスーツを手に入れるが、そのスーツによって散々な目に遭った末に、再び警察に逮捕される。
しかし、そんなスコットに対して、被害者である筈のピム博士が身元引受人となり、スコットは釈放される。
実は冷戦期に平和維持組織「S.H.I.E.L.D.」に所属していたピム博士は、脱退後に自身の会社「ピム・テック」を興すが、弟子として育てたダレン・クロスによって追い出されていた。さらにダレンがS.H.I.E.L.D.と敵対していた秘密結社「ヒドラ」と取引しようとしていることを知り、それを阻止するために潜入技術に長けた人材を求めていたのである。
元泥棒の手腕を見込まれてピム博士に依頼されたスコットはこれを承諾、身長を変えることのできるヒーロー「アントマン」となる。
ハンクの娘であるホープ・ヴァン・ダインから戦闘訓練やアリの操作を指南されるうちに関係を深め、恋人同士となる。
また、ピム・テック侵入前の最終試験としてアベンジャーズ本部基地に潜入した際に、サム・ウィルソン / ファルコンと戦闘を行い、初見殺しで見事に手玉に取った。
サム「メンバー入りのオーディションだ、二度は負けないぞ」
シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
『アントマン』での件をきっかけにサム経由でキャプテン・アメリカ陣営にスカウトされ、アイアンマン陣営と交戦する。
この時の行動が元で、今まで世間に秘匿されていたピム粒子の存在がばれてしまい、さらにピム父娘もFBIに追われ逃げ続ける羽目になって絶縁されてしまう。
キャップに対しては、世界的に有名なスーパーヒーローということから、一般人ムーブ丸出しのミーハーな態度で接してしまい、「あんたみたいなすごい人が、俺に力を求めてくれるなんて(ご満悦)」といった感じ。
逆に、敵対するトニー・スタークに対しては、相手が億万長者ということもあって敵愾心バリバリで接し、「ハンクから聞いていた。スタークには気をつけろって」と文句を言うも、トニーからは「君は誰だ?」と言われてしまう。
ピム博士が同僚だったのはトニーの父ハワードなので、この反応は当たり前なのだが。
空港での全面対決では、切り札たるジャイアントマンを初披露。アイアンマン陣営を驚愕・苦戦させるも、相手方のニューフェイスから「巨体は脚を刈るべし」とばかりにウェブで拘束されるなど、まだまだ荒事慣れしていない節が見られた。
アントマン&ワスプ
『シビル・ウォー』にてキャップ陣営に加担した為に、ソコヴィア協定の内容に則って逮捕・投獄されるも、司法取引によって自宅軟禁にて2年間の刑期を務めることになる。
しかし、刑期満了3日前になって、謎の幻覚を見たためピム父娘に連絡を取る。それはハンクの妻(ホープの母)であり、初代ワスプだったジャネット・ヴァン・ダインと精神がリンクしてしまったためであった。ジャネットを量子世界から連れ戻すことに協力するため再びアントマンになる。
物質をすり抜ける能力を持つ女性ヴィラン「ゴースト」との戦いの末に、今まで量子世界で行方不明となっていたジャネットを救い出し、ジャネットの能力によってゴーストを救い、さらに刑期を満了させるという大団円を迎える。
しかし、量子エネルギー採取のために、バンに搭載した小型量子トンネルにて再び量子世界へと出向いたほんの少しの間に、現実世界で待機していたピム一家が塵になって消滅してしまったため、元の世界に戻れなくなってしまった。
アベンジャーズ/エンドゲーム
遺失物管理倉庫に保管されていたバンの操作ボタンを偶然ネズミが押したため、体感で5時間後に元の世界に帰還したが、サノスのせいでピム一家も含めた宇宙の生物半数がチリとなって消えてしまった5年後の光景を見るという大どんでん返しを食らうことになる。
公園に設置された、消滅した人々の名前を記した記念碑に自分の名前を見つけて愕然としたあと、妻と娘が住んでいた家に訪れ、すっかり成長した娘キャシーと再会し、お互い生きていたことに安堵する。
その後、自身の経験からピム粒子を利用して量子世界を経由したタイムトラベルが可能であることをアベンジャーズに伝え、過去の時代からインフィニティ・ストーンを持ってきて消えた人々を復活させる「タイム泥棒作戦」を立案する。
タイムマシンの完成後は、キャップ、トニー、ブルース・バナーと共に過去のニューヨークに戻ってストーンを探しに行く。
しかしトニーのミスでよってキューブ獲得に失敗。トニーを思いきりなじる。
その後、ピム粒子の確保とストーンの獲得の秘策を思い付いた2人が更なる過去に飛ぶのを見送り、セプター(マインド・ストーン)を片手に先に戻ることとなる。
最終決戦でもサノス軍との戦いに参戦、その際巨大化してみせ、カル・オブシディアンを踏みつけて倒すなど活躍した。
ホープとも戦場で再会し、見事な連係プレーを見せる。
ミズ・マーベル
直接の登場ではないが、自身を含めたアベンジャーズのこれまでの活躍をポッドキャストで世間に公表していたことが判明。
守秘義務など細かい問題はあるものの、これにより『シビル・ウォー』前後では低かったヒーローたちの評価も、ミュージカルやファンによるイベントが開かれるまでに回復している。
アントマン&ワスプ:クアントマニア
『エンドゲーム』での活躍を経て、『アントマン』冒頭で解雇されたアイス屋の店長から表彰され、出版した自伝本はラジオで流されるなど、世間からヒーローと認められはしたが、一方で同じ赤スーツのスパイダーマンと間違われたり(※)、娘キャシーは自分に内緒でピム粒子とスーツを使って活動し連行されたりと、ある意味では彼らしい、いまいち冴えない生活を送っていた。
※:この時のやり取りから、スパイディのミステリオ殺害容疑も晴れた(なかったことにされた?)事がうかがえる。
そんな中、ピム博士の助言を受けたキャシーの実験に巻き込まれ、キャシーとピム一家とともに量子世界へ引きずり込まれてしまう。
さらにそこで出会ったカーンに、娘との失われた5年間を取り戻す代わりに自身に協力するよう持ちかけられる。
ちなみに、作中で登場した自伝本『Look Out for the Little Guy』は公開後の2023年9月に実際に発売された。
デッドプール&ウルヴァリン
(0:35~)
なんとジャイアントマンの骸骨として登場予定。
暫定メインヴィランのカサンドラ・ノヴァが根城にしているようで、これを見たデッドプールに「やっとポール・ラッドが老けたな」と言われている(氏は日本における某漫画家のように、外見が全く変わらないことで有名)。
なおコミック『OLD MAN LOGAN』でも同じくジャイアントマンの遺体が登場するが、こちらはピム博士である。
関連タグ
フリント・マルコ:同じく妻子持ちで強盗の前科を持つMARVELキャラ。こちらも家族思いであるが、過去に強盗で人を死なせたために妻からは絶縁され、スコットとは逆にヴィランとなってしまった。
イーサン・ウィンターズ@バイオハザードシリーズ:中の人(吹替)が同じ妻子持ちの主人公。