概要
ある一定の職業に従事している人やその仕事に関する契約の当事者に対し、仕事上で知った秘密や個人情報を正当な理由なく開示しないように課す義務である。
法律で定められる場合もあれば、企業・団体の内規、個々の契約(秘密保持契約と呼ばれる)で定められる場合もある。法律・契約・内規問わず、守秘義務に違反すれば厳しい処分が下される。ケースによっては懲役刑になることもある。
ただ中には守秘義務を悪用して不正行為の隠蔽に走ってしまうこともある。
法律の解釈上、仕事上で知った秘密を開示しても良いと認められる「正当な理由」は非常に難しく、不正行為に関する内部告発によって得られる公益と、その人に課せられている守秘義務のどちらが尊重されるかは時と場合による。
エンターテイメントと守秘義務
アニメや漫画・ゲームと言ったエンターテイメントも、守秘義務が非常に重要である。
公開前に内容が分かってしまったら、面白さが半減してしまう作品も少なくないからだ。公式からあえて中身を開示するときも、初見の面白さを削がないように考えている。
もちろん制作サイドとしては、内容を知らないわけにはいかないため、関係者に対しての守秘義務で対応する。
万一にも守秘義務を破ってしまったら、担当者には膨大な賠償請求と、業界で信頼をなくして二度と仕事が来なくなるという運命が待ち構えている。
声優などが自分の担当したアニメの情報をめったに書いたりせず、書くにしてもものすごくぼかしているのは、そういう事情があるからなのだ。
新しい作品の中身を知りたいからと言って関係者に対して質問で突撃するようなマネは慎まなければならない。それは関係者を地獄の底に誘う行為なのだ。
法的に守秘義務が課せられる職業
- 公務員(裁判員を含む)
- 自衛隊員
- 弁護士
- 公認会計士
- 弁理士
- 税理士
- 土地家屋調査士
- 行政書士
- 海事代理士
- 医師・歯科医師
- 保健師・看護師・助産師
- 義肢装具士
- 薬剤師
- 救急救命士
- 介護福祉士
- 柔道整復師・指圧師・はり師・きゅう師
- 中小企業診断士
- 宅地建物取引士
- 無線従事者
- 特定独立行政法人の役員
- 国立大学法人の役員・職員
- 郵便局員
- 探偵