概要
土地や建物の登記を代行する際、もしくはそれに伴う地積測量図の作成に関わる測量業務を執り行うことのできる日本の国家資格。
測量士と求められる技術、能力はほぼ同じであるが、測量士は国土地理院の管轄、土地家屋調査士は弁護士と同じく法務資格であり、法務省の管轄であるため、全く別の資格である。
そのため、測量士は土地家屋調査士の業務を代行できず、土地家屋調査士は測量士の業務を代行できない。
とはいえ、これはあくまで建前であり、実際には土地家屋調査士の資格試験を受験するためには、測量士もしくは測量士補の資格を有していないと、試験課題が無理ゲーレベルに難しくなるため、ほとんどの土地家屋調査士は測量士の資格を持っている。そのため、(実際に本人が業務として請け負っているかどうかは別にして、資格上は)ほとんどの土地家屋調査士は測量士の業務も代行可能である。
業務形態
法令上の定めにより、基本的に個人事業主として扱われる。そのため、会社に雇われてサラリーマンとして職務に従事することができない。
そのため、実際に土地家屋調査士として業務を行うには、以下のいずれかの方法しかない。
- 個人事務所を開業する
- 自身で会社を設立し、代表者となる(社員を雇わない社長一人の会社となる、所謂法人成りも可)
- 土地家屋調査士法人という、弁護士事務所のようなギルドに加入し、一定のマージンを収めることで仕事を請け負う
このうち、最もハードルが低いのは③である。マージンが発生する分案件ごとに得られる収入は減るが、案件がなくなる心配がないため、生活が安定する。多くの土地家屋調査士法人は測量会社としての届出もしており、測量士の資格を有している調査士(ほとんどの調査士が該当)は案件がなければ測量士との副業(とはいえ、測る対象が異なるだけで仕事内容はほぼ同一)で稼ぐことも可能(ただし、一般に超激務である)。