曖昧さ回避
- LASTEXILEにおける組織については、ギルド(LASTEXILE)を参照されたし。
- 特捜ロボジャンパーソンにおける組織については、ギルド(特捜ロボジャンパーソン)を参照されたし。
- BUMPOFCHICKENの楽曲については、ギルド(楽曲)を参照されたし。
概要
技術の独占などのため、親方・職人・徒弟から組織された同業者組合を指す英語。中世から近世にかけてのヨーロッパに存在した。ドイツ語でZunft、イタリア語でArti。
この時代、職業選択の自由などは無いに等しく、農夫の子は農夫、職人の子は職人、商人の子は商人となるのが普通だった。
しかしそれでは色々と問題が生じる。家が必要なのに大工の子が足りなかったり、肉屋の子が20人いるから街が肉屋だらけになったら困る。
そこで人々は、職業ごとに集まってギルドを作ることにした。ギルドには徒弟制度があり、他所の人間であってもそこで修行することでギルドの一員となり、自分の店を出せるようになった。
こうしたギルドが運営されることで、
・実力はあるが金がなく事業を始められない者は、金銭の貸付け等を受けられる
・職人としてはギルドで仕事を集めることで、集客の負担を省ける。
・ギルドから悪質な同業者が締め出されることで、人々は職人選びに苦心する必要がなくなる
といったメリットがあった。
他方、ギルドには
・特定の既得権益ある者のみが優遇される事態が発生しがちになる
・職業内での競争が失われ、カルテルのような価格統制が行われて値段がつり上げられる
・新しい技術があっても、ギルドから締め出されることで活動できず、人々に行き渡らなくなる
と言った欠点があった。
こうした欠点の他、中央集権的な近代国家が発展し、ギルドに頼らなくなってもよくなったこともあり、ギルドというシステムは衰退していった。
しかし、国家統一の遅れたドイツなどでは今でもギルドの影響は強く残っている。
また、上記のギルドのメリットは現代でも無視できるものではなく、現代の日本でも職能団体や地方の商工会議所などが自主的に似たようなことを行っている。
一方、これによって内部統制をしようとしたり、外部からの批判を受け付けない職能団体などはしばしば「ギルド的」と批判されることもある。
戦うギルド
商工業者だけでなく、兵士を抱え戦うことを生業とするギルドもそう多くはないが存在した。と言っても、実質的には傭兵団がギルドという体裁をとっていただけである。
シティ・オブ・ロンドンにおいて Fraternity or Guild of Artillery of Longbows, Crossbows and Handgonnesとして設立されたギルドは現在でも Honourable Artillery Company として割とギルドっぽい感じで絶賛営業中(?)で、イギリス陸軍に砲兵を、シティ・オブ・ロンドンに近衛兵としてパイク兵、マスケット銃兵、軽騎兵を、シティ・オブ・ロンドン警察(スコットランドヤードとは別組織)にパトロール警官や捜査官を貸し出している。何箇所か時代を間違えているような単語が見受けられるかもしれないが、21世紀現在の話である。
フィクションにおけるギルド
特にファンタジー系作品で頻繁に見かける。
実際にあった商人ギルドだけでなく、例えば冒険者ギルドや戦士ギルド、魔術師ギルド、時には盗賊ギルド、暗殺者ギルドなども登場する。
オンラインゲーム、特にMMORPGにおいてプレイヤーで集まったチームも「ギルド」と呼称されることが多い。
ギルドに入るとギルド専用チャットを使える、ギルドの守護神からの恩恵を受ける事が出来る、ギルドvsギルド(GvG)のイベントに参加出来る、等の恩恵がある。
ラグナロクオンラインやリネージュ等ではGvGに勝利して世界の支配者と成る(支配者であり続ける)事が最終目的である。
なお『マスターオブエピック』のギルドは本来の意味の職業組合であり、プレイヤーチームの方は「指輪物語」にちなんでフェローシップ(旅の仲間)と呼ばれる(チャット以外の恩恵は無いが)。
PSO2のプレイヤーチームは単に「チーム」と呼ばれているが、そもそもギルドと言う言葉が存在しない。一方で守護神にあたる「フォトンツリー」は存在する。
余談だが、なろう系作品に登場する冒険者ギルドの受付嬢は、なぜかたいてい巨乳である。