イギリス陸軍
いぎりすりくぐん
イギリス連合王国(UK)の陸軍「British Army」。海軍、空軍と共にイギリス軍を構成する。
議会の許可に基づいて編成され、海軍や空軍と違って名称に「王立(Royal)」を冠しない。イギリスでは議会の許可なく平時における常備陸軍を編成することが禁止されているが、実態は平時においても常備軍である。
建前上、国王をはじめとするカーネル・イン・チーフが所有する連隊の集まりという事になっているなど、古い時代の伝統を現代に引き継いでいる。
イギリスは敵国陸軍の侵攻を受け難い島国だったため、陸軍は歴史的に海外での展開が多かった。
2017年1月26日には、日英両政府は日本国自衛隊とイギリス軍との間で、武器弾薬の相互提供など互いの物資を融通し合い、軍事作戦の後方支援を可能にする物品役務相互提供協定(ACSA)に署名し、協定が締結された。これは日本とイギリスが事実上『準軍事同盟国』になったことになる。
日本がこの協定を締結した国は、アメリカ、オーストラリアに次ぎ3ヶ国目であり、欧州ではイギリスが初となる。
それに伴ってか、翌年の2018年9月30日から10月12日にかけて、日本の陸上自衛隊と2週間にわたり共同の実動訓練『ヴィジラント・アイルズ』が実施された。
陸上自衛隊が米陸軍以外の他国軍と共同訓練を行うのはこれが史上初のことであり、「日英両国の防衛協力分野における関係強化を象徴するもの」とされた。
両国の参加部隊は『富士学校』『北富士演習場』及び『王城寺原演習場』において、長距離隠密偵察及び統合火力誘導に係る訓練を実施し、相互の戦術技量の向上を図ると共に日英両部隊・隊員間の絆を深めるものとなった。
共同訓練について英国陸軍野戦軍司令官のパトリック・サンダース中将は、
「陸上自衛隊との共同訓練のために、英陸軍を初めて日本に派遣することが出来て光栄。日英は法の支配と民主主義という共通の理念と価値観に基づくパートナーだ」
と述べている。
更に翌年の2019年にも、陸軍自衛隊が初めてイギリスに派遣され、同様の共同訓練が『ヴィジラント・アイルズ19』と称され実施された。
こうした日英関係の深化から、「日英同盟の復活か」「21世紀の日英同盟」という声もあがっている。