王立空軍(Royal Air Force)のこと。
イギリスが保有する空軍で、第一次世界大戦中に世界初の空軍として独立した。
空軍委員会が管轄し、空軍参謀総長に統率される。
イギリスと海外領の防衛、政府の外交政策を軍事的に支援することを任務とする。
空軍将校はイギリス国王から任官され、それが部下に命令を下す権限の裏づけとなる。
歴史
RAFはトレンチャード子爵の提案により、1918年4月1日、陸軍航空隊と海軍航空隊を合併し、独立した空軍として設立された。
当初は航空機を空軍に一元化して運用する事が試みられたが、1936年に艦上機は海軍の管轄へ戻った。
戦間期は予算不足もあり、RAFの活動も停滞気味だったが、ナチス・ドイツの台頭でヨーロッパに緊張が高まると急速に戦力拡大が進んだ。
第二次世界大戦においては、ドイツ空軍の侵攻からイギリス本土を防衛したバトル・オブ・ブリテン、ドイツ本土への戦略爆撃などで戦勝に貢献した。
冷戦初期はソ連へ対する核抑止力を担ったが、1963年4月6日、アメリカとのポラリス販売協定が署名され、核抑止力は潜水艦発射弾道ミサイルへ移る。
1950年の朝鮮戦争、1956年のスエズ動乱、1962年のインドネシア・マレーシア紛争などに出撃したが、経済的・政治的な低迷でイギリスの影響力は低下し、1971年10月31日には極東空軍が解散した。
1982年のフォークランド紛争ではアセンション島を拠点に長距離爆撃作戦が行われた。
冷戦終了後も湾岸戦争(1991年)、コソボ紛争(1999年)、アフガニスタン紛争(2001年)などに航空戦力を派遣、近年もイスラム過激組織ISIS拠点への空爆に参加している。
現有戦力
793機の航空機、34,200人の兵力を有する。