アブロ・バルカン
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あぶろばるかん
アブロ社(イギリス)が開発した大型爆撃機
アブロ社が開発した大型爆撃機。1952年に原型機が初飛行し、バルカンと命名され1956年、RAFに就役。
前縁の折れ曲がった巨大なデルタ翼が特徴的で、全翼機に近い頑強な構造。
翼面荷重が低く、低空でも軽快な運動性を持つ。(1960年のスカイシールド演習では仮想敵機役を務め、8機のうち7機がアメリカの防空網を突破して攻撃目標に到達。ニューファンドランドに帰投した)
ソ連へ侵攻し、核攻撃を行うための戦略爆撃機「3Vボマー」の一角。
当初は原子爆弾「ブルー・ダニューブ」、水素爆弾「イエロー・サン」、核ミサイル「ブルー・スティール」等を搭載していたが、イギリスの核抑止力がSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)へ移った1963年以降は戦術核攻撃へ任務が変更された。
退役が間近に迫っていた1982年にフォークランド紛争が勃発し、通常爆弾でポート・スタンレーを攻撃することが決定。往復12,600kmの長距離爆撃「ブラック・バック作戦」が敢行され、これがバルカンにとっての唯一の実戦となった。
フォークランド紛争後は空中給油機として運用されていたが、1984年3月をもって全機が退役した。
乗員:5名
全長:30.5m
全高:8.3m
翼幅:33.8m
翼面積:330.2㎡
空虚重量:37.1t
最大離陸重量:77.1t
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