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オリンパス(OLYMPUS)は日本の光学・精密機器メーカー。

沿革編集

大正8年(1919年)に体温計などを製造する『高千穂製作所』として創業。

以後、顕微鏡の開発・製造も始める。

写真用レンズは1936年(昭和11年)の6月に発売した「ズイコー(Zuiko)75mm F4.5」、カメラはその年の11月に発売した「セミオリンパスⅠ型」が処女作である。以後、同社製レンズは伝統的にZuikoと名乗るようになる。

終戦までは、狙撃眼鏡(スコープ)などの軍用光学機器の製造も手がけていた。


戦後、多くの光学機器メーカー(東京光学、日本光学など)と同様に軍需品の製造が禁じられると、カメラなどの民生品に軸足を移すようになる。

外貨の獲得が死活問題となった終戦直後以来の復興期にはカメラもまた重要な外貨獲得手段であり、Made in occupied Japan(占領下の日本製)と刻印されたカメラや交換用レンズ(ライカLマウントなど)が製造された。


2020年9月30日にデジタルカメラを含めた映像事業を国内投資ファンドの日本産業パートナーズに売却した。


2023年3月ごろに顕微鏡を含めた化学事業を米投資ファンドのベインキャピタルに売却する予定。


ペンの登場編集

"オリンパス"の名前をカメラを知らない人にも印象づけたモデルとして外すことができないモデルは1959年に発売された「オリンパス ペン (OLYMPUS PEN)」である。


このカメラは35mmフィルムカメラであるが、1コマ分を2コマに分割して撮る所謂ハーフサイズカメラで、当時の価格で6800円という廉価機であった。

にもかかわらずレンズの写りが良く、他にしわ寄せがゆく筈の部分も設計の見直しによるコストカットと作りの良さのバランスが取れたコストパフォーマンスが非常に良いカメラで、発売と同時にベストセラーとなった。


その後、ペンシリーズは距離計・露出計・大口径レンズなどを備えたハイアマチュア向けの上級機「ペンD シリーズ」や、(当時カメラの顧客と考えられていなかった)女性をターゲットに自動露出機能が付いた「ペンEE シリーズ」など、様々なモデルに進化を遂げ、1963年には遂にハーフサイズ一眼レフカメラ「ペンF シリーズ」を登場させるに至った。

OMシリーズ編集

通常の一眼レフカメラも存在した。

オリンパスOMシリーズがそれで、「宇宙からバクテリアまで」をモットーにニコン・キヤノンの一眼レフシステムにも劣らないシステムカメラであった。

一眼レフカメラシステムへの参入は後発組であったものの、本体・レンズ共に同クラスの機種と比べて軽くコンパクトであったため好評を博した。

特に、1gでも荷物を軽くしたい冒険家や登山家、昆虫や野鳥の写真家などの中には、堅牢さで知られたニコンではなくオリンパスを選択する者も多かったそうである。


とはいえ、1980年代にMINOLTAがαシリーズで先鞭を打った一眼レフのAE AF 化の並にオリンパスが上手く乗れた形跡は無く、キヤノンが従来ユーザーを見捨t… システムをゼロから刷新したEOSシリーズを引っ提げて参入、ニコンもなんやかんやで従来のFマウントシステムの改良型のF-501を投入するなどしてトップメーカーの地位を守り抜いたが、オリンパスは本格的なAE AF機能付き一眼レフシステムを投入できず、これが尾を引いたためか、1990年代半ば~2000年頃のプロフェッショナル向けデジタル一眼レフの黎明期に有力な機種を投入できなかった。

  • 2000年頃からKodakと共に「フォーサーズ規格」なる業界規格を開発・提唱し、これに準拠したオリンパスEシリーズを発売したが、この頃の他社モデルは自社の従来レンズを流用(或いはAFレンズならそのまま装着して使用)できたのに対して、オリンパス機はMFレンズをマウントアダプターを介して取り付ける必要があった。

一方で、コンパクトデジタルカメラの分野では参入後は一定のシェアを守り抜いた。

2009年にレンズ交換式のデジタルカメラ「ペン EP-1」が登場。名機ペンの名前が復活した。

2012年には往年のように後を追う形でOMシリーズがミラーレス機「OM-Dシリーズ」として復活。第一弾である「OM-D E-M5」が発表された。


スキャンダル編集

2011年7月には長期に渡って巨額の損失を隠蔽していたことが発覚。

4月に就任したばかりの英国人社長が調査に乗り出したものの逆に社長を解任される異常事態となり、株価が急落。東証一部上場廃止すら危惧された。

その後、当時の会長が社長を兼任したがこれもすぐさま辞任となった。

巨額の損失は、バブル崩壊期から延々と続いたもので、この事件によってにオリンパスはブランドイメージを大きく損ねた。


2015年に発覚した東芝の粉飾決算事件共々、かつて日本を牽引してきた名門メーカーの凋落を象徴する事件として話題となった。

関連項目編集

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