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6ポンド砲

ろくぽんどほう

6ポンド砲とは、イギリス軍が使用した対戦車砲。榴弾が撃てないことで悪名高き2ポンド砲の後継として期待されたが、製造が遅れた。
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wikipediaオードナンス QF 6ポンド砲を参照。

 すなわちオードナンス QF 6ポンド砲Ordnance QF 6-pounder 7 cwtは、イギリス第二次世界大戦初期に開発した対戦車砲。別名6ポンド対戦車砲。同砲は戦車砲として第二次世界大戦中期の戦車に搭載された。


開発編集

 オードナンス QF 2ポンド砲が遠くないうちに兵器として陳腐化するであろうと考えたイギリス陸軍は、1938年により大口径の対戦車砲の開発を開始し、1940年にはすでに砲本体が完成した。しかし、砲架の完成は翌1941年にまでずれ込んだ。

 当初は戦車などにも使用されていた2ポンド砲を随時更新していく予定であったが、フランスにおける戦いで敗北したイギリス海外派遣軍はダンケルクから撤退する際に人員を優先したため、重火器をほとんど全て放棄しており、ドイツ軍のイギリス本土上陸に備えた軍の再編成が優先された結果、(すでに使えない兵器となりかけていたが、ラインが存在した)2ポンド砲の生産が継続され、(新しくラインを立ち上げなければならない)6ポンド砲の生産開始は1941年11月、配備開始は1942年5月まで凍結された。

 この砲には2ポンド砲のリトルジョン・アダプターと同様に口径を42.6mmに下げるスクイーズ・ボア・アダプター(口径が小さくなっていく口径漸減砲にする後付装置。装着により砲弾の貫通力が増す。)開発された。しかしこれが実際に使用されることはなく、1944年からは高い装甲貫通力を持つ装弾筒付徹甲弾の供給が開始された。

運用編集

イギリス軍においては、機甲師団歩兵師団の対戦車砲連隊(4個中隊で編成され、1個中隊は12門を装備)で運用されたが、後には歩兵大隊の対戦車小隊に6門を配備する方式に改められた。

また、対戦車砲としてだけでなく戦車砲としても用いられた。この砲を搭載した戦車としてはクルセイダーMk.IIIキャバリエ巡航戦車セントーMk,I & Mk.IIクロムウェルMk.I〜Mk.IIIラムMk.IIバレンタインMk.VIII〜Mk.XチャーチルMk.III & Mk.IVが用いている。

 戦車以外にも、AECマタドールトラックの荷台部分にこの砲をそのまま搭載したディーコン対戦車自走砲が作られ、輸送用のトラックの護衛として活躍したとされる。


 1943年2月にはより強力なオードナンス QF 17ポンド砲の部隊配備が開始されたが、この兵器のほうが軽量であることから朝鮮戦争第二次中東戦争でも使用され、1960年に退役するまで運用が続けられた。


アメリカ陸軍M1 57mm砲として制式採用しライセンス生産を行っている。

1943年には、北アフリカ戦線でM3 37mm砲が役に立たないことを痛感したアメリカ軍もQF 6ポンド砲をM1 57mm砲として制式採用し、おもにイタリア戦線西部戦線で使用したが、戦後に退役した。


 また、アメリカではM3ハーフトラックの荷台にこの砲を搭載したT48 GMCも量産された。イギリス軍に30輌のみが引き渡されたが、受け取った時には戦車に対して性能不足とされ、M3ハーフトラックに戻されてしまった。しかしソ連軍にレンドリース供与された650輌はSU-57と呼ばれ、1個大隊あたり60輌ずつ、3個大隊で独立自走砲旅団を編成し、ドニェプル渡河作戦から実戦に参加している。


 イスラエル国防軍もこの砲を保有しており、第一次中東戦争第二次中東戦争において使用した。



諸元性能編集

口径:57mm

全長:2.82m

全幅:m

重量:1,140kg

砲身長:2,451mm、43口径(Mk.II、Mk.III) / 2,850mm、50口径(Mk.IV、Mk.V、M1)

仰俯角:−??°〜+15°

左右旋回角:90°

運用要員:6名

発射速度:発/分(最大)

有効射程:4,600m

運用期間:1942年〜1960年

生産総数:門

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