解説
MARVELコミックのキャラクター。いわば「ソビエト版キャプテン・アメリカ」。
1967年で初登場以降、襲名者は何人かいるが、やはり初代が最も有名。
姿は赤い全身タイツに胸の星マーク。
同じく専用の盾を用いるからか、ゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 3 Fate of Two Worlds』では、キャプテン・アメリカのカラーバリエーションの1つがこのコスチュームを意識したものになっている。
主な人物
襲名順。
- アレクセイ・レベデフ(Aleksey Lebedev)
- 初登場:1991年7月『Namor, the Sub-Mariner Annual #1』
第二次大戦中、いわゆる「ゴールデンエイジ」期に活躍した"本当の初代"。キャプテン・アメリカたちとも面識があったが、1950年代に粛清された。
- アレクセイ・ショスタコフ(Alexei Andreovitch Shostakov)
- 初登場:1967年6月『Avengers #43』
ソ連では有名なテストパイロットで、妻はバレリーナのナターシャ・ロマノフ。任務中に事故死したことにして軍による超人兵士計画の被験者にされた。強化処置の影響で性格は凶暴化していたものの、実際に拳を交わしたキャプテン・アメリカはフェアな戦いを求める武人の精神を見出している。
卑劣な策略でアベンジャーズを陥れた上官に反抗、最期はナターシャらを脱出させ、基地もろとも爆死…したが、ライフモデルデコイとしての一時的な復活を経て、三代目ローニンとして再登場した。
- タニア・ベリンスカヤ(Tania Belinskaya)
- 初登場:1976年2月『Defenders #35』
反体制派だった博士の父がシベリアに追放されたため、クライムファイターとして活動を始めた。脳神経外科医としても有名で、ドクター・ストレンジに認められるほど。
核物理学者セルゲイ・クリロフにより強化を受けて「スターライト」に改名したが、「プレゼンス」となったセルゲイに洗脳されディフェンダーズやアベンジャーズと対立、その後2010年に戦死している。
- ヨゼフ・ペトカス(Josef Petkus)
- 初登場:1988年12月『Captain America #352』
諜報機関出身で、過激派のリーダー的存在。ソ連崩壊後はアベンジャーズやアルファフライトとの共闘を経て、ミュータント自警団「シバーフォース」と合併してヒーローチーム「ウィンターガード」を結成、自身も「スティール・ガーディアン」と改名したが、タニアと同時期に戦死した。
- クラスノ・グラニツキー(Krassno Granitsky)
- 初登場:1998年4月『Maverick (Vol.2) #10』
名前はスパイ小説『007』シリーズの『ロシアより愛をこめて』に登場する暗殺者レッド・グラントから採られている。
改名したヨゼフから「レッド・ガーディアン」を受け継いだが、2004年に死亡。
- アントン(Anton)
- 初登場:2008年3月『Hulk (Vol.2) #1』
元は「ウィンターガード」のメンバーで、ロシア版アイアンマン「クリムゾン・ダイナモ」を作ったエンジニア。『シークレット・インベージョン』ではウォーマシンとモスクワ防衛に貢献した。
タニアやヨゼフと同時期に戦死したが、実は早い段階で自身の強化のために意識をライフモデルデコイに移しており、生存している。
- ニコライ・クリレンコ(Nikolai Sergeievich Krylenko)
- 初登場:1978年1月『Iron Man #109』
セルゲイ・クリロフの息子で、双子の妹レイニア・ペトロヴナとともに生まれてすぐ超人兵士として訓練を受け、兄妹そろって「ヴァンガード」「ダークスター」となったが、命令で父と知らずにプレゼンスを抹殺したため政府に反逆、アメリカに亡命した。
その後クエーサーに協力したり、ソ連崩壊後のロシアの「ウィンターガード」に加入してアイアンマンと共闘したりと活躍、レイニアの復活に関係して死亡したタニアたちから「レッド・ガーディアン」を受け継いだ。
MCU
演:デヴィッド・ハーバー、吹替:大塚明夫
アレクセイ・ショスタコフとして、フェイズ4の映画第1作『ブラック・ウィドウ』にて初登場。
年齢の関係で、コミックではナターシャ・ロマノフの夫だったが養父に変更された。
ナターシャを含めた女性戦士「ウィドウ」を擁する闇組織「レッドルーム」の一員であり、ボスのドレイコフによってソ連発の超人兵士(スーパーソルジャー)となったが、その能力を発揮することもなくオハイオ州での潜入任務に従事。ナターシャ、エレーナ・ベロワ、メリーナ・ヴォストコフとともに彼女たちと3年間疑似家族を演じていた。
その任務を終えたと思ったらドレイコフの逆鱗に触れるようなことをしたのか、極寒地域の収容所に投獄され、現在まで至る。
豪放磊落で、空気の読めない自信家。オハイオにいた頃は良き父親として振る舞っていたが、超人兵士としての力を発揮できなかった長き投獄生活を経て、すっかり傲岸不遜になってしまった。
最初の超人兵士であるスティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカをライバル視しており、獄中では彼とのライバル関係を吹聴しているが、実際には会ったこともない(アレクセイが外にいた頃にスティーブは氷漬けであり、スティーブが蘇ったときはアレクセイは獄中のため)。だが、それを指摘されると相手を痛めつける。
オハイオの潜入任務は退屈だと思っていたが、疑似家族であった3人に対しては彼なりの愛情を持っている様子。妻のメリーナとは再会後もすぐに打ち解けて仲が良かったが、娘達からは煙たがられており、特にナターシャは強い嫌悪感をあらわにしていた。一方でエレーナは引き気味なところはあったが、ナターシャほど毛嫌いしている様子はない(因みにアレクセイの右腕のタトゥーにはナターシャとエレーナの名前が刻まれている)。
特に専用の武具はないが、タスクマスターの投擲した盾を奪って使用するシーンがいくつかあり、部分的に再現されている。
ブラック・ウィドウ
レッドルームを壊滅させたいナターシャとエレーナによって脱獄。彼女たちと行動を共にする。
サンダーボルツ*
エレーナ、タスクマスターと共に再登場。
特報では自宅で過ごしていたところを娘が訪問し、急いで身支度を整えて出迎えていた(前作で「口が汚くて臭いのが嫌だ」と言われたのを気にしてか、すぐに歯を磨いた)。
エレーナとは今でも親子の関係でいるらしく、娘の訪問には嬉しそうな反応だった事から度々会っているらしい。一方で部屋が汚い事からメリーナとは一緒に暮らしていない様で、離婚したと思われる。
予告では、チームとしての「サンダーボルツ」の名付け親になる模様。
またヴァレンティーナに見た目を「サンタクロース」と弄られているが、おそらく演者が『バイオレント・ナイト』でサンタを演じた中の人ネタ。