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007

だぶるおーせぶん

『007』(ダブル・オー・セブン。日本ではゼロ・ゼロ・セブンと訳されていた時期もあった)とは、イアン・フレミングの小説シリーズ、また原作としたスパイ・アクション映画シリーズのタイトルである。
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漫画サイボーグ009』の登場人物「グレート・ブリテン」を指すこともある。
007

"諜報活動に優れたイギリス人"という設定は今作のオマージュ


概要編集

イギリス政府の諜報組織MI6に所属し、数少ない「殺しのライセンス」を持つスパイ、ジェームズ・ボンドの華麗な活躍を描くスパイアクション作品シリーズ。

英海軍情報部で実際に工作員として活動していたイアン・フレミングによって生み出された。


1953年に、小説第1作『カジノ・ロワイアル』が刊行される。初期は売上に苦しむが、それまでの国際政治をお堅く複雑に描いたリアル志向のスパイ小説とは異なり、冷戦時代のリアルな舞台設定や時代背景を保ちながらも華やかな娯楽性を前面に押し出した画期的なアプローチが徐々に注目を集める。

そして1962年に映画第1作『ドクター・ノオ』が公開されると、たちまち国際的な大ヒットシリーズとなり、以後フレミングが没する1964年まで多くの続編が執筆され、映画シリーズも新作が製作され続けている。

この映画シリーズの人気により、いまや007は、英国を代表するヒーローとして世界中で人気である。


全体としての雰囲気は「ド派手で享楽的」の一言で、超人的なスパイのボンドが、様々な野望を抱く架空の組織を相手に、秘密兵器などを使って世界を股にかけた戦いを展開する物語である。

また、必ず美女がヒロインとして登場し、これらの「ボンドガール」と、超プレイボーイでもあるボンドとの恋愛模様も定番の要素である。

ボンドの繰り出す奇想天外な秘密兵器も作品の魅力のひとつだが、中でも、毎回さまざまな機能を搭載して活躍する彼の改造車は「ボンドカー」と呼ばれ、特に人気である。


映画について編集

水彩画…ジェームス・ボンド

初代ボンドを演じたショーン・コネリー


1962年から2021年までに、実に25作が製作されている大人気長寿シリーズである(スピンオフや亜流作品のようなものも含めるともう少し増える)。


製作は、『007』映画化のために設立されたイーオン・プロダクションズが一貫して担当。

配給は当初ユナイテッド・アーティスツであったが、1981年にMGMに買収されてからはMGM/UAになった。さらに2005年にソニーがMGMを買収したことにより、SPE(ソニー・ピクチャー・エンターテイメント)の配給となったが、その後は20世紀フォックスと交代で配給される事となった。2021年のノー・タイム・トゥ・ダイはユニバーサル・ピクチャーズ配給となり、以降MGMは製作に回っている。


007の活躍が見事に映像化された、ダイナミックなスパイ映画作品として仕上がっているが、長寿シリーズであることもあり、時期や主演俳優によって作風がかなり違う。


フレミングの小説を原作としているものの、映画化しやすいものから映画にしていったため、小説シリーズとは異なる順番で製作・公開されている。

長編シリーズ全12作が映画化されつくしたあとは、短編集のエピソードも原作となったが、複数のエピソードを組み合わせたものや、タイトルや登場人物だけを採用してほぼオリジナルの物語が展開されたものなど、フレミングの原作からはかけ離れたものが段々増えていった。


第17作『ゴールデンアイ』以降は本格的に映画オリジナルの物語がメインとなり、第22作『慰めの報酬(小説版の邦題は「ナッソーの夜」)』でとうとうフレミングの原作は完全に枯渇している。


定番要素編集

シリーズ共通の定番要素もある。


作品冒頭に入る銃口をデザインした「ガンバレル・シークエンス」と呼ばれるシーンや、

※『リビング・デイライツ』より

そこから007のアクション(本編とは関係ないこともある、いわゆる「掴み」のエピソード)を挟んで描かれる特徴的なオープニングシーンなどである。

これらは、エキセントリックなタイトルデザインと美女の姿が組み合わされた映像で、作品名をタイトルとしたオリジナルのテーマソングと共に描かれる。

テーマソングは世界的に有名なアーティストに依頼され、いずれも高い人気を得る。例えば、デュラン・デュランが担当した『美しき得物たち』のテーマは全米1位を獲得しており、ポール・マッカートニー(のバンド「ウイングス」)による『死ぬのは奴らだ』のテーマは、ビートルズ時代の楽曲に並ぶ氏の代表曲として知られる。

※『死ぬのは奴らだ』より


前述のボンドカーとボンドガール、秘密兵器などの他、ボンドの愛銃ワルサーPPKおよびワルサーP99、蝶ネクタイをつけたタキシード、ボンド愛飲の「ステアせずシェイクしたウォッカ・マティーニ」などのガジェットの他、自己紹介するときの「ボンド、ジェームズ・ボンド」と言った言い回しや、ボンドが度々行うスノッブ(相手より知識のあるところを見せつける俗物的態度)は、シリーズのお約束として知られている。


また原作で登場するボンドの親友にしてCIA工作員のフェリックス・ライターは、映画でも登場毎に俳優を変えながら(ダニエル・クレイグ版の『カジノ・ロワイヤル』以降はジェフリー・ライトが続投)24作品中9本に登場している。


ただしいずれの要素も、あえて踏襲しなかった異色の作品が存在しており、全作共通というわけではない。(ガンバレル・シークエンスはメインシリーズ全てに共通しているが、クレイグ時代からはエンドクレジット前に入る事が多くなった)


映画シリーズ一覧編集

007 ドクター・ノオ(Dr.No)

1962年公開。記念すべき第1作目。公開時の邦題は『007は殺しの番号』。

アメリカ月ロケット発射を妨害する怪電波の発信者、孤島クラブキーの主ドクター・ノオとボンドの対決を描く。

現在では「007 ジェームズ・ボンドのテーマ」として知られるあのメインテーマが主題歌。

主演:ショーン・コネリー/主題歌:モンティ・ノーマン・オーケストラ

主な舞台:ジャマイカ・架空の孤島


007 ロシアより愛をこめて(From Russia With Love)

1963年公開。公開時の邦題は「007危機一発」。

暗号機「レクター」を巡って、トルコからオリエント急行、そしてイタリアを舞台にボンドとスペクターの戦いが繰り広げられる。

シリーズでも特に評価と人気が高い作品。Qと、彼が作る秘密兵器も今作から盛んに登場。

PS2でもゲーム化されている。

主演:ショーン・コネリー/主題歌:マット・モンロー

主な舞台:イスタンブール・オリエント急行・イタリア


007 ゴールドフィンガー(Goldfinger)

1964年公開。

大富豪ゴールドフィンガーとボンドの戦いが描かれ、ハロルド坂田演じる人気キャラ「オッド・ジョブ」が登場。

今作から、ボンドカーをはじめ、ユニークな多彩な特殊兵器が登場し始める。

主題歌が初めて大ヒットし、以降、作品自体にとどまらず主題歌も注目されるきっかけとなった。

主演:ショーン・コネリー/主題歌:シャーリー・バッシー

主な舞台:スイス・ケンタッキー

第37回アカデミー賞 音響編集賞受賞


007 サンダーボール作戦(Thunderball)

1965年公開。スペクターが核兵器を強奪し、NATOを脅迫。これに対処すべく『サンダーボール作戦』が発令され、ボンドはバハマへ飛ぶこととなる。

00エージェントが全員集結する。また、女性00エージェントの存在も明らかとなった。

シリーズで最高の興行収入を記録した。

後に番外編「ネバーセイ・ネバーアゲイン」としてリメイクされた。

主演:ショーン・コネリー/主題歌:トム・ジョーンズ

主な舞台:バハマ・海中


007は二度死ぬ(You Only Live Twice)

1967年公開。ボンドが日本で活躍する。日本が主な舞台として登場するのは今のところ本作のみ。また、日本車であるトヨタ2000GTがボンドカーとして登場したことも有名。

これまで素顔を現さなかった宿敵ブロフェルドが初めてボンドと対面した。

主演:ショーン・コネリー/主題歌:ナンシー・シナトラ

主な舞台:東京神戸姫路城・架空の離島(神戸のロケ地は阪神・淡路大震災で崩壊し現存しない)


女王陛下の007(On Her Majesty's Secret Service)

1969年公開。二代目ジョージ・レーゼンビー唯一の主演作。ボンドが結婚するが…

主演:ジョージ・レーゼンビー/主題歌:ジョン・バリー・オーケストラ

主な舞台:スイス・アルプス


007 ダイヤモンドは永遠に(Diamonds Are Forever)

1971年公開。ショーン・コネリーが復帰、ボンドは密輸ダイヤのルートを調査する。

制作費のうち少なからぬ額がコネリーのギャラに消えた作品。コネリーの主演最終作だがあまり評価が芳しくない。また、本作を最後に著作権関連の問題でブロフェルドとスペクターが暫く登場しなくなった。

主演:ショーン・コネリー/主題歌:シャーリー・バッシー

主な舞台:アムステルダム・ラスベガス


007 死ぬのは奴らだ(Live and Let Die)

1973年公開。ボンドが麻薬で荒稼ぎを狙うカリブ海の島国の大統領・Dr.カナンガと対決する。

ロジャー・ムーアが三代目ボンド役に。ポール・マッカートニーの主題歌は名曲。

ゲーム『ゴールデンアイ007』にも出演する不死身の司祭サミディや、三枚目キャラ「ペッパー保安官」が登場。

主演:ロジャー・ムーア/主題歌:ポール・マッカートニー&ウイングス

主な舞台:ニューヨーク・カリブ海の架空の島


007 黄金銃を持つ男(The Man With the Golden Gun)

1974年公開。ボンドが、一撃必殺の暗殺銃「黄金銃」を持つ暗殺者、スカラマンガと対決する。

ペッパー保安官が引き続き登場。

主演:ロジャー・ムーア/主題歌:ルル

主な舞台:マカオ・香港・タイ・東シナ海


007 私を愛したスパイ(The Spy Who Loved Me)

1977年公開。ボンドがソ連の女スパイと手を組み、大富豪ストロンバーグの陰謀に立ち向かう。

潜水艇になるボンドカーや、巨体の殺し屋ジョーズで話題を呼ぶ。

主演:ロジャー・ムーア/主題歌:カーリー・サイモン

主な舞台:カイロ・地中海・大西洋


007 ムーンレイカー(Moonraker)

1979年公開。遂にボンドが宇宙へ行き、宇宙ステーション上での銃撃戦などが繰り広げられる。

ジョーズが引き続き登場する。

主演:ロジャー・ムーア/主題歌:シャーリー・バッシー

主な舞台:カリフォルニア・ベネチア・リオ・アマゾン・宇宙


007 ユア・アイズ・オンリー(For Your Eyes Only)

1981年公開。ミサイル誘導装置を追い、ボンドが華麗なアクションを展開する。

『ダイアモンドは永遠に』以来久しぶりに登場したブロフェルドが、完全なギャグキャラにされてしまった。

シリーズで唯一ボンドの上司Mが登場しない作品。これはM役のバーナード・リーが撮影前に逝去したためで、彼に敬意を表する形で「休暇中」という設定となった。

主演:ロジャー・ムーア/主題歌:シーナ・イーストン

主な舞台:ギリシャ


007 オクトパシー(Octopussy)

1983年公開。殺された009の任務を引き継ぎ、ロシア皇帝への献上品『ファベルジェの卵』の秘密を追ってボンドがインドで大活躍。

本作よりロバート・ブラウン演じる新Mが登場。

主演:ロジャー・ムーア/主題歌:リタ・クーリッジ

主な舞台:インド・東ドイツ


007 美しき獲物たち(A View To A Kill)

1985年公開。シリコンバレー破壊を目論む大富豪・ゾーリンにボンドが立ち向かう。MI6とKGBの派手なスパイ対決が繰り広げられる。デュラン・デュランの主題歌が全米No.1の大ヒット。ムーアボンド最終作。このとき主演の彼は57歳とシリーズ史上最高齢でボンドガール役の女優の母親よりも年上だった。悪役のマックス・ゾーリンを演じたのはアカデミー受賞のクリストファー・ウォーケンが熱演。シリーズ史上、悪役をアカデミー賞を受賞した俳優が演じるのは初。

主演:ロジャー・ムーア/主題歌:デュラン・デュラン

主な舞台:パリ・サンフランシスコ


007 リビング・デイライツ(The Living Daylights)

1987年公開。イギリスに亡命してきたソ連のコスコフ将軍がKGBの英米スパイ抹殺計画を告白。その裏に隠された真の計画にボンドが立ち向かう。

四代目ティモシー・ダルトン初主演。野生的でハードな雰囲気を持ち、もっとも『007』らしい作品と評価されている。

主演:ティモシー・ダルトン/主題歌:a-ha

主な舞台:プラハ・ウィーン・タンジール・アフガニスタン


007 消されたライセンス(Licence to Kill)

1989年公開。大怪我を負わされた友人の復讐のためにボンドが麻薬王と対決する。

冷戦終結により東西間でのスパイ活動という背景がなくなり、今作以後、シリーズが大きな転換点を迎えることになった。

また権利問題で揉め事が起こり次作製作までの期間が延びるなど、作品内容以外にもいろいろと変化が起こってしまった。

主演:ティモシー・ダルトン/主題歌:グラディス・ナイト

主な舞台:フロリダ・中南米


007 ゴールデンアイ(Goldeneye)

1995年公開。五代目ピアース・ブロスナン初主演。

ソ連時代に開発された高出力EMPを照射するロシアの秘密兵器「ゴールデンアイ」を巡り、任務に失敗した末に祖国を裏切った006とボンドが対決する。

本作からM役がジュディ・デンチに交代。史上初の女性Mとなった。

今作を原作としたN64のゲームも世界的ヒットを記録。ゲーム史上に残る名作として名高い。

主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:ティナ・ターナー

主な舞台:サンクトペテルブルグ・キューバ


007 トゥモロー・ネバー・ダイ(Tomorrow Never Dies)

1997年公開。マスメディアのためだけに戦争を起こそうとするメディア王とボンドが対決を繰り広げる。007シリーズ史上初のバイクアクションも必見。

主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:シェリル・クロウ

主な舞台:ハンブルク・ベトナム・南シナ海


007 ワールド・イズ・ノット・イナフ(The World is Not Enough)

1999年公開。ボンドが石油王の娘の警護にあたるが、シリーズ初の異様な展開に。頭に弾丸を受け肉体感覚が麻痺し不死身の肉体を手に入れたテロリストを相手にボンドが熾烈な体力と頭脳の攻防戦を繰り広げる

第2作以降Qを演じてきたデスモンド・リュウェリンの最終出演作。

主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:ガービッジ

主な舞台:スペイン・アゼルバイジャン・イスタンブール


007 ダイ・アナザー・デイ(Die Another Day)

2002年公開。通算20作目。ボンドが北朝鮮の韓国侵攻を阻止に向かう。ピアース・ブロスナンが演じるボンドは今作品がラスト。ボンドガールにはチョコレートでアカデミー賞を受賞したハル・ベリーが熱演。シリーズ史上、究極のボンドカーが登場し派手な氷上カーチェイスが繰り広げられる。本作からQがモンティ・パイソンのメンバーとして知られるジョン・クリーズに交代。しかし『カジノ・ロワイヤル』『慰めの報酬』では登場せず、『スカイフォール』以降ではベン・ウィショーが演じるため、これが最初で最後のQ役であった。

主演:ピアース・ブロスナン/主題歌:マドンナ

主な舞台:北朝鮮・香港・キューバ・アイスランド


007 カジノ・ロワイヤル(Casino Royale)

2006年公開。六代目のダニエル・クレイグと同時に、大胆に設定をリセットした新生シリーズ第1作。

若きボンドはテロ組織の資金稼ぎを阻止すべく、モンテネグロのカジノ『カジノ・ロワイヤル』で高額の掛け金のポーカー対決を開始する。

下記の番外編の方と原作は同じ。

主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:クリス・コーネル

主な舞台:マダガスカル・バハマ・マイアミ・モンテネグロ・ヴェネツィア


007 慰めの報酬(Quantum of Solace)

2008年公開。カジノ・ロワイヤルの直接的続編。前作で愛する人を失ったボンドは復讐のため奔走し、やがてボリビアの天然資源利権を巡る陰謀を突き止める。

ストーリーが二作にまたがったのは初めて。

主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:アリシア・キーズ&ジャック・ホワイト

主な舞台:シエナ・ボリビア

007-慰めの報酬-


007 スカイフォール(Skyfall)

2012年公開。重要機密のハードディスクが奪われ、ボンドはディスクを取り戻すべく追跡するが、人命よりディスクを優先するMの指示のせいで誤射を受け、谷底へ転落する…。

007シリーズ誕生50周年記念作。ジュディ・デンチが演じるM最後の作品。ベン・ウィショー演じる新Qが登場する他、ラストでレイフ・ファインズ演じる新Mが登場。さらにワルサーPPKアストンマーチンDB5(ゴールドフィンガーに登場したのと同型)といった懐かしの愛用ガジェットが登場する。

主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:アデル

第85回アカデミー賞 音響編集賞 歌曲賞受賞

主な舞台:トルコ・上海・マカオ・スコットランド

予告編


007 スペクター(Spectre)

2015年公開。謎の巨大組織を追い、ボンドが世界中を飛び回る。

タイトル通り、『スペクター』がついに復活。クレイグボンド作品全てを踏まえた作品。

主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:サム・スミス

第88回アカデミー賞 歌曲賞受賞

主な舞台: メキシコシティ・ローマ・オーストリア・北アフリカ・ロンドン

予告編


007 ノー・タイム・トゥ・ダイ(No Time To Die)

2021年公開。前作から5年後、引退して穏やかな日々を送っていたボンドだったが、現役復帰し正体不明の敵との闘いに身を投じることとなる。

本来は2020年春に公開予定だったが、新型コロナウイルス世界的大流行の影響で延期が繰り返され2021年秋となった。

クレイグがボンドを演じる最後の作品になり。ディズニーがフォックスの買収に伴う反トラスト法回避対策として、007の配給権利をユニバーサルに放出した作品ではあるものの、そのMGMも2021年にAmazonに買収された為にユニバーサルが配給に関与する最初で最後になる可能性が高い。

ちなみに主題歌を歌う歌手が最年少になった。

第94回アカデミー賞 歌曲賞受賞

主演:ダニエル・クレイグ/主題歌:ビリー・アイリッシュ

主な舞台: マテーラ・キューバ・ノルウェー・日本(北方領土)

予告編



番外編編集

カジノロワイヤル(Casino Royale)

1967年公開、デビット・ニーブン主演の異色作。

内容は原作とかけ離れたコメディだが、パロディではなく、

ニーブン演じる主人公はボンド本人で、正式な映画化権を得ている。


ネバーセイ・ネバーアゲイン(Never Say Never Again)

1983年公開。原作の映画化権に関するゴタゴタの末、ワーナー・ブラザーズによって再び映画化された『サンダーボール作戦』。上記シリーズとは殆ど繋がりがないといってよい。

12年ぶりにショーン・コネリーがボンド役に復帰している。


幸福と栄光(Happy and Glorious)

2012年ロンドンオリンピックの開会式で披露された短編。ダニー・ボイル監督。

ダニエル・クレイグ演じるボンドが、開会式会場までエリザベス2世をエスコートするという、『女王陛下の007』を地で行く内容。

エリザベス2世本人が出演し、女王の執務室内部も映るという異例のサプライズであり、最後には会場上空からボンドと女王がパラシュート降下するという、クレイグボンドらしからぬぶっ飛んだ結末を迎えた。


影響編集

英米では編集

こうした007のヒットが一因となって1950年代から1960年代にかけて英米で始まったスパイ創作ブームは、本シリーズのマッチョでセクシーでハデな娯楽要素の上っ面をパクっただけの駄作の乱造も招いた一方で、007とは異なるアプローチをとるヒット作品も現れた。

ボンドの裏返しを狙ってデザインされた、マッチョでもセクシーでもリッチでも愛国的でもない地味な黒縁メガネでヤル気の無い庶民派スパイ、ハリー・パーマー(65年)や、一人で何でもできる超人の単独ミッションではなく、得意分野の異なるプロ同士の鮮やかなチームプレーを描いた「スパイ大作戦」(66年)が代表例だろう。


冷戦とブームが過ぎてからも、「もしもシュワルツェネッガーがボンド役だったら」的なオマージュが清々しい「トゥルーライズ」(94年)、ボンドやパーマーその他諸々を混ぜておバカにパロった「オースティン・パワーズ」(97年)、007的なフォーマットをなぞりつつ破壊的なコメディ要素を足した「キングスマン」(2014年)…などなどなど、ここに書き切れないほど様々な元ネタやアンチテーゼの対象となっていった。


日本では編集

日本でのスパイブームは上記の映画版ドクター・ノオのヒット後、1960年代から70年代あたりまでとされる。ブームの常として様々な新規タイトルの量産が行われたり、前掲したサイボーグ009のグレート・ブリテンのようなパロが各所で見られた。和製スパイアクション特撮「スパイキャッチャーJ3」(65年)は東映特撮の初期作品の1つとして知られ、潜水や飛行機能が搭載された主人公の愛車の改造シボレー・コルベットはボンドカーへの意識が明白である。


スパイ創作以外の分野でも、富野由悠季ロボットアニメ無敵鋼人ダイターン3」(78年)を監督し、ボンドをモデルにした主人公の破嵐万丈による和製007的な痛快アクションを目指した。

特撮ドラマ・ウルトラセブン(68年)で主人公たちが運転するウルトラカー・ポインター号は、前作科特隊専用車から一転して煙幕やミサイルなどの秘密兵器がモリモリの改造車という設定になり、これもボンドカーからの影響が一因と思われる。


既存タイトルに対しても、大藪春彦の小説「野獣死すべし」は当初はハードボイルド&ピカレスクロマンとして58年に始まり、主人公・伊達邦彦は世の中への復讐として凶悪犯罪の数々に手を染めるもラストはそれを暴かれて警官隊に包囲され、「死すべし」の題名通りに悪党らしい最期を美しく遂げた・・・はずが生き延びてMI6にスカウトされるという超展開な続編「諜報局破壊班員」(65年)が発表され、世界を股にかけた秘密任務を美女を抱きつつ遂行するという後日談が死なずに延々と続いてしまうなど(伊達邦彦シリーズ)、007のヒットが原因らしき路線変更も見られた。


また、さいとう・たかをはこの007シリーズのコミカライズ版を64年から67年まで連載しており、その経験が翌68年の、国際政治の裏で活躍するスーパースター・ゴルゴ13の誕生へと繋がってゆく。連載初期のゴルゴの顔つきもこのコミカライズ版ボンドと似ている。


トリビア的なものでは、今や古典となってポケットモンスターサカキなどにも影響が見える演出「画面にはっきりと顔が映らない、高級そうな猫を膝の上で愛でている悪の組織のボス」は、上掲した63年の映画2作目「ロシアより愛をこめて」より続いた犯罪組織スペクターの首領エルンスト・スタヴロ・ブロフェルドの登場シーンが元ネタと言われる(下記動画)。

ボスや幹部がお互いを「ナンバー1」「ナンバー3」「ナンバー5」といったコードネームで呼び合う点も「いかにも」な感じである。

3:13~


こちらは65年の4作目「サンダーボール作戦」の1シーン。「ボスが手元のスイッチを押すとヘマをした部下が椅子ごと処刑されて床下に落ちてゆく」。厳密にはここでは落とすこと自体で処刑しているわけでないが、これも多くの人が既視感を覚える演出ではないだろうか。

1:46~


※なお、ブロフェルドとスペクターは「ロシアより愛をこめて」以降も映画シリーズに登場し続けたが、著作権関連のゴタゴタで「ダイアモンドは永遠に」以降登場しなくなった。しかし近年ようやくそれが解決したため、2015年公開の映画シリーズ24作目「スペクター」で再び登場した。


関連イラスト編集

ロシアより愛をこめて007 ジェームズ・ボンド


関連タグ編集

映画 洋画 スパイ アクション映画

ジェームズ・ボンド

ショーン・コネリー ロジャー・ムーア ジョージ・レーゼンビー

ティモシー・ダルトン ピアース・ブロスナン ダニエル・クレイグ 若山弦蔵

ボンドガール

黄金銃

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